モナコ王立グレースバレエ学校
校長 ルカ・マサラ先生。
この先生の名前を聞くだけで、背筋がシャキンとなる人たちが沢山いるはずです。
この先生の前では、誰もが突きつけられます。
「本当にバレエが好きなのか?」
「何の為に踊っているのか?」
「何を学びに今日は来たのか?」
などなど…バレエの知識を得ようとか、YAGPで良い結果を残そうとか、そんな次元の問題ではない。もっと奥深いものを生徒たちに要求します。
そんなルカ先生の前では誰もが出鼻をくじかれます。
だから今回も仙台に来てもらいました!仙台空港からホテルチェックインまでのおよそ2時間半、ずっと喋りっぱなし(笑)いつも色んな話をたくさんするのですが、今回もまたまた奥が深すぎて…
10名のヴァリエーション個人指導からスタートしたのですが…コンクールに向けてヴァリエーションをブラッシュアップする、とかそういう次元の指導ではないです。子供たちはきっと自分が生まれて初めてバレエに巡り合った日から今日までの事を
「いままで何を習おうとしてた?」
とガツンと質問されたも同然の投げかけをされたのではないでしょうか?小手先の表現も、理解したふりも、頑張っている風に見せかけているのも、全部ルカ先生に見破られます。そしてそれをズバッと指摘されたときに子供たちがどのように対処するか、も見ています。こんな先生、世界中探してもほとんどいないと思います。
その後のクラスはもっと強烈でした。学ぶ気がない子はその場にいられない雰囲気。バレエでは当たり前ですが、趣味の延長みたいな日本のお習い事感覚のバレエだと
「厳しい」「怖い」
になる。これが、今の日本の大問題。現実を見つめるのはみんな怖いから、全てをオブラートにつつみ、事なかれ主義でとりあえず目先の事が無事に終わればいい、楽しければいい、となっています。最後に全てが崩壊して果てしなく後悔することを知らないから出来ること…そっちの現実のほうがよっぽど怖い。
ルカ先生がその次元に合わせる訳もないですし、もっと上達したい、と本気で真剣に取り組んでいる子供たちが今回仙台に集結しました!
シンフォニーバレエスタジオから副先生と生徒さんたち。本当に過密スケジュールのなか、なんと日帰りで東京から受講に!
こちらの映像をご覧ください⇨モナコinstergram
短期留学の許可でさえ、難しい学校になりました。年々ハードルが高くなっています。モナコは誰もが知る英国ロイヤルバレエ学校に匹敵するくらい、ここ数年で入学が一番難しい学校になりました。
今回は札幌、東京、京都、飛騨、名古屋、福岡から参加された生徒さんたちが!
ルカ先生があちこちで指導はしない、本当にこの機会を逃したら、あとはモナコ王立グレースバレエ学校から入学許可かスカラーシップを頂かない限り、受講出来ない、という現実を知っている皆さんばかりです。
今回もYAGP日本予選のワークショップ以外は大阪、宝塚、仙台の三箇所でしか指導する時間が取れなかったみたいです。そんななかでの今回のWS。
2日目のことは…次回に書きます!
左右木健一