ユースアメリカグランプリ2016日本予選が終了致しました。


田中黎水那
モナコ王立グレースバレエ学校 
年間スカラーシップ受賞
ジュニア男性部門 top 6
ジュニアコンテンポラリー部門 top 12

以上の結果でした!

尼崎に到着してから毎日が勉強でした。

かれこれ10年以上YAGPにはエントリーしていて、その度に泣いたり、笑ったり、怒ったり、落ち込んだり……

指導者としての至らなさ、日本のお習い事のバレエと海外のジャッジたちとのギャップ、留学への不安、などなど。本当に本当に毎日が戦いで、この時期になると胃がキリキリする思いでした。

しかし、今年は違いました。私たち教師も生徒もひとつの目標を掲げていました。これはこのブログには掲載できないことなのですが…とにかく今年は今までとは明らかに違うエントリーの仕方でしたし、ワークショップを見学する際の私の視点も今までとは明らかに違う…長年抱いていた疑問が解けたような、そんな5日間でした。

黎水那の年間スカラーシップ。世界のなかでも一番規律に厳しいと言われるモナコ王立グレースバレエ学校。校長のルカ・マサラ先生は本当に容赦なく厳しいことで有名ですし、私の生徒たちも短期留学でみるみるうちに上達していました。しかし年間留学はルカ先生が本当に100%認めた子しか入学を認めないのも知っていたので、黎水那の名前が表彰式で呼ばれたときは

「何かの間違い?」

と、思ったくらいです。ジャパングランプリもYAGPもいつも予選落ち、もちろんスカラーシップも入学許可も声がかからなかった彼との二人三脚から一年…ついに念願の年間スカラーシップ獲得です!来年9月入学に向けて、頑張らせます!

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そして、コンテンポラリー部門では京都の増田響くんがシニア第1位、増田慈くんが第2位を受賞しました!共に私の振付を踊ってくれての受賞。小谷先生とずっとずっと一緒に育んできた信頼関係がもたらした結果だ、と思い、心から嬉しかったです!

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年々参加者が増えてきて、世代交代もして、情報も増え…

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だから毎年毎年、教師だって自分の昔からの知識だけで指導してはいけないし、いま何が大事か、を指導していかないといけない…他のコンクールと違うのは、生徒も教師もバレエではなく、人間性が問われる、ということ。

人間、がけっぷちに立たされたときに隠れていた本性が現れます。その本性が美しいものか、醜いものか…それを見透かされるから、YAGPは怖いんです。これは10年近くエントリーさせて学びました。

要するに、本当にバレエを愛しているのか、いないのか、プライドだけで意固地になっているのか、人の受賞を素直に喜べる余裕があるのか恨みつらみになるのか、生徒に対する要求に無茶があったか、それとも遠慮しすぎて生徒が好き勝手な道に走ってしまうか…などなど、全ての閉じていた箱をあけなくてはいけないんです。それは時には恐ろしくて見たくないものも出てきます。

それを人は「厳しすぎる」と解釈します。

しかし、私も教師、子供をエントリーさせる親、生徒の付き添い、コンテンポラリーの振付、そして審査員を務めてきて、やっとこの頃になって理解出来ることが増えたように思います。とにかく自分に正直でない限り、全ては崩れ落ちるんです。そして崩れ落ちたあと、這い上がるにはかなりのエネルギーが要ります。

真正面からぶつかり、そこで

「自分はまだまだ、努力が足りない」

と、感じるか感じないか…それに尽きると思います。

YAGP日本事務局の皆さま方、本当にありがとうございました!

左右木健一