私が東京に出張の合間に続々と留学先から嬉しい知らせが届いていたので、まずは生徒の活躍を先に、と思い、私の東京出張の話が後回しになっておりました。
先週は昨年から決まっておりましたオールジャパンバレエユニオンの審査員を今年も担当させてもらいました。
私の幼少期や10代を知る先生方たちばかりなので、お会いするたびに照れてしまうのですが、本当に先生方から学ぶことが大きくて、毎回勉強させて頂いております。
私は20代の頃から生徒たちをコンクールに引率するようになり、30代から審査員を依頼されることも多くなり、今年も複数のコンクール審査員を担当する予定ですが、毎回結果というものが出るコンクールで様々なドラマに直面してきました。
引率する側の教師の立場は、ちょうど浅田真央選手に付き添う佐藤コーチと同じような立場です。舞台に送り出してあげて、調子が悪ければ「指導に間違いはなかったのだろうか?」「もっと助けてあげることはできなかったのか?」と悩み苦しみます。
舞台に立つ人間も「先生や周りの人々の期待に答えられなかった」「練習不足だったのでは?」と悩みます。
私は審査をする時は、その両者の気持ちが痛いほどわかるので、採点するたびに辛いのですが、そのような情に流されないように、ひたすら冷静にその場で繰り広げられる踊りだけに対して採点をするのみです。
どの立場に立ったときでも、役割をきちんと演じていくことが大事だ、と思います。難しいですが、精一杯頑張っていくのみです。
審査員は3月に担当しますが、翌月4月には舞台で踊ります。見る側、見られる側を一ヶ月の間に行き来することで、何かまた新しい世界がひらけていければ…切り替えが難しいですが、その変化を楽しみたいと思います。
左右木健一