コンクール Part 46

いま、サンディエゴからの帰りの機内で、皆様の質問に目を通しております。

機内wifiを使って、更新してみますね。

<Q>

はじめまして。左右木先生のブログはとても参考になるため、いつも楽しみに拝見しております。
今回はこのような質問コーナーまで
設けていただき誠にありがとうございます。

せっかくの機会ですので、コンクールの選曲と採点基準について質問させていただきたいと思います。

ほとんどのコンクールではジャンプや回転などの項目が採点基準に含まれると思いますが、ジャンプや回転を含まないバリエーションを踊った場合、採点はどのようになされるのでしょうか。

複数の振り付けがある場合(〇〇版など)、怪我などで左足着地を避けたいなどの事情で、故意にジャンプや回転を含まない振り付けを選んだ場合は、特に不利になるのでしょうか。

このような場合、そもそもコンクールではなく発表会のみに出演すべきでしょうか。
(コンクールは他教室の生徒さんから刺激を受けたり、自分の踊りを評価していただくために出場していました。)

何かアドバイス等、左右木先生のご意見がございましたらお聞かせください。
よろしくお願いいたします。

<A>

まず

「ジャンプや回転を含まないバリエーションを踊った場合、採点はどのようになされるのでしょうか」

こちらでは名前は出せませんが、私が審査員を務めているあるコンクールは、ジャンプや回転の採点が省かれた採点基準のコンクールが、実はございます。回転やジャンプが多いヴァリエーションでも同様に審査します。

「え?ではどうやって審査するの?」

では何を採点してるか?ズバリ基礎力です。

回転やジャンプの前の手足のポジション、腕の運び、跳んだり回ったりしているときのスタンス、ターンアウト、着地や回り終わった後のコーディネーション、処理能力、正しい角度からはじまり、終われたか…などなど。

ジャンプや回転を含まない振り付けを選んだ場合は、特に不利になるのでしょうか」

私個人の審査基準でしたら「不利には絶対にならない」と言っておきましょう!

……と、断言したいですが、何度も言いますが、私の意見が「絶対」ではないので。

「跳べばいい、回れればいい」

の時代は終わった、と言われてから随分と経ちましたが、今はもっと進化しています。

「跳べて当たり前、回れて当たり前、そして逆に跳ばなくても、回らなくても、存在自体だけで見せることが出来るのが当たり前」

と、なりました。

今は別にピルエットを10回回っても、誰も驚かなくなりましたし、何分も片足でバランスを取ったり、空中で3回転トゥールをやっても、それはInstagramで皆が散々みてますから、特別でもなんでもなくなりました。ちょっと「面白い」とは思いますが、感動には至らない。

では、何が大事?

「基礎力がベースにあっての、内面も含めたトータルな美しさ」

これだと思います。さりげなくピルエットを10回回るかと思えば、5番にしただけで存在感があり、腕を動かしただけで、まるでセリフをしゃべるようだったり…

テクニック…ないより、あったほうが良いです。

しかし(少なくとも私自身が審査員を務めるときは)それだけでは評価するわけではないですから、ご安心下さい。

ですが…

「ではテクニックのない振付でも評価されるんですね」

と、簡単にはいかないです。なぜなら跳ばなくても、回らなくても、一歩歩くだけで、ちょっとつま先を伸ばしただけで、人を感動させることが問われますから。



私の個人的な意見ですが…

これが「バレエ」だ、と思っています!回っていませんが、跳んでいませんが…

何万回でも見たいです!

左右木健一