我々の業界に専用性の高い求人サイトがあります。
当院も求人広告を載せようと思うのですけれども、
「◯時退勤!」
「週休◯日」
「月給◯円以上!」
「駅から徒歩◯分!」
とかいう求人が多すぎて、「本当に治療をちゃんとしたいと思ってる人を集めようとしてるのかな?」と感じてしまい、同じ場に求人広告を掲載するのをためらいます。
(でも結局は掲載はすると思いますけど)
大切な事ではありますけれど、少なくとも、一番にそれらの話に食いついてくる方というのは、当院ではご遠慮頂く可能性が高いです。
「どういう治療をしているのか?」
ここが真っ先に気にならないのが腑に落ちないからです。
そのような方は「割りに合うか合わないか」で考える可能性が高いので、割りに合わないと判断すれば、治療も業務もそこそこにやるだろうとも思います。
しかも、そんなのだから、その「割りに合うかどうか」の判断も怪しい。
そんな中、
先日、歯科衛生士さんが見学にいらっしゃいました。
その後、お礼のメールを頂いたので、許可を得て掲載します。
〜〜〜〜ここから〜〜〜〜
◯◯です。
おはようございます。
先日はお忙しい中、見学させて頂きありがとうございます。
色々と考えましたが、やはり、「医療人として歯科衛生士人生を終えたい」という思いが強く、草加ファミリー歯科矯正歯科で働かせて頂きたいです。
〜〜〜〜ここまで〜〜〜〜
「医療人として」なんて、素晴らしいお考えだと思いませんか?
先ほどの求人広告に食いつく人達とは一線を画しますよね。
私なんかよりもキャリアがずっとある方です。普通ならその場に流されてなあなあでやりますが、彼女はそうではないようです。
何軒も何軒も歯科医院を見てきたなかでこのように思って頂けたこと、
しかも同業者からの目線を持った上で、このように言って頂けたことは大変光栄でした。
気の遠くなるような地道な作業を黙々とやってきましたけれども、このように感じ取ってくれる方がいるんだなと、とても嬉しく感じました。
その後のメールです。
〜〜〜〜ここから〜〜〜〜
メールのお返事が遅くなり申し訳ありません。
(中略)
私は小垣先生のおっしゃるようなスペックも、目も持っていないと思います。ただ、自分の良心が痛まない、恥じない、治療がしたい。家族や友人に_治療においで」と言える職場で働きたいという単純な思いで。それ故、小垣先生と一緒に働きたいと望みました。勿論、努力が必要とは思っています。
(中略)
こんな覚悟のない人間が小垣先生の傍にいけば、先生は-『苦痛』を感じてしまう。でも、私も私自身、家族、友人を治療して欲しいと思う歯科医師の元で働きたい。
そう思い悩み、お返事が出来ずにいました。
申し訳ありませんでした。
また、見学させて頂いたりとありがとうございました。
本当に辛かったとき、小垣先生の言葉に救われました。感謝しております。
〜〜〜〜ここまで〜〜〜〜
目に見える分かりやすい「ちがい」は、販促には効果があるようなのですが、治療には大した効果をもたらさないことが多いです。
どうしても時間が限られてしまうので、販促と効果のどちらか選ばないといけない場合、私は治療として効果的であるものを優先してしまいます。
そして、その「ちがい」は見えにくいです。
その見えにくい「ちがい」を感じ取って「ちがう」と思って頂けたことがとても嬉しかったです。
あのような求人広告が横行しているということは、当然反応率か高いからだと思います。
ということは、大部分ではある種の質の低下があるのだろうと残念に思ってましたけれども、
ちゃんとした方もまだ残っているんだと、とっても安心しました。