過去に受けた治療について書こうと思います。

 

最初の治療は、胸腺カルチノイド初発のときの手術です。

胸腺の腫瘍が見つかった時、PET(体全体にある癌の位置をみつける検査)により、喉の副甲状腺、膵臓の腫瘍がみつかり、

ひとまず、胸腺の腫瘍と副甲状腺の腫瘍を1回の手術でとることして、膵臓の腫瘍はその4カ月先に別の手術でとることになりました。

 

まだこのころは手術に慣れていなくて、かなり緊張しました。

背中に麻酔の注射をして、その後仰向けに寝て、口に麻酔用のマスク型のカバーをすると、その次の瞬間もう手術が終わっていました。

正確に言うと、執刀医師にほっぺたを強めにひっぱたかれて、「痛っ!」と思って眉間にしわを寄せながら目を覚ましたのを憶えています。

 

しかし、そんなほっぺたの痛みなどどうでもよくて、

地獄だったのはこの後でした。

術後すぐに集中治療室のベッドに移動したのですが、痛み止めの効きが非常に悪く、激痛に襲われました。

ベッドに横たわる私に看護師さんがボタンを手渡し、「ボタンを押すと痛み止めが体に流れます」と説明されました。

痛み止めが体にあまりよくないのは私もよくわかっているので、なるべく使いたくなかったのですが、とにかく痛い!

2時間で5回くらいボタンを押したら、看護師さんから「もう薬がない」と言われてしまいました。

このとき夜中0時をすぎたころだったと思います。

 

しばらくして、痛みが我慢できない私は看護師さんに痛みがどうしようもない旨伝えると、「先生に別の痛み止めの薬をつかっていいか確認します」と言われました。

少しして、看護師さんが新しい薬をつめてくれて、ボタンを押すと痛み止めが流れてくるようにしてくれました。

少し我慢してからまたボタンを押すと、「あれ…?体がおかしい…」と感じました。

すると、手の指先から少しずつ感覚が失われていき、それが上(肩の方)に向かって進んでくるんです!

痛みも治まりません。

私はとても焦ってナースコールで看護師さんを呼びました。

看護師さんが私のベットまできてギョッとしたのを見ました。

心拍が178になっています。

看護師さんは「呼吸をゆっくりにして。深く息を吸うようにして。」と言いました。

私は、体中の激痛と手足がマヒしてくる感覚が迫るのとでパニックになっていたと思います。

このとき人生で初めて「生きないと!!ここで死ねない!」と本気で思いました。

やがて少しずつ手足のマヒの感覚が薄れていきました。

しかし、体中の激痛は継続しました。

痛みに耐えて体が緊張して体中、顔中汗まみれでずっと苦痛の表情を浮かべていました。正直もうヘロヘロでした…。

このときナースコールを押しても看護師さんがきてくれなくなったのですが、恐らくもうみていられないかったのではないかと思っています。

もう(目の)焦点は定まっていませんでした。

そんな状態が7時間以上続き、ようやく担当医(執刀医)が私のところに様子を見に来ました。別の医師も一緒だったのですが、私の様子を見て言葉を失っていました。(驚いたというより、「あーこーなっちゃったか~。」みたいな感じですかね)

普通であれば、その夜が明けてすぐに集中治療室を出られるのですが、私は数日間集中治療室にとどまることになりました。理由は説明されませんでした。

 

集中治療室からでて一般病棟に移ってからは、咳をしたり、手に力を入れたりすると胸がとても痛いんですよね。

縦隔の手術だと胸が少しでも動くような力が入るととても痛いです。むせたりすると涙がでるくらい痛いです。

仰向けに寝るのも、胸全体が重力を真下に受けるので痛いです。ベッドを斜めにして寝る人がほとんどだと思います。

この痛みがなくなるまでに結構時間がかかり、私は1週間程度で退院になってしまい、一人暮らしだった私は生活動作にも支障をきたしました。

退院後はリクライニングのベッドなどもっていませんでした。それでも痛みで仰向けに眠ることはできなかったので、タオルなどをたくさん使って布団に傾斜を作るように工夫して寝ていました。

 

やがて、退院1週間くらいで検査がありました。

その検査の結果、「心膜(心臓の表面を覆っている薄い膜)に水が溜まっている」ということで再入院となりました。

私は「だから退院時期を延ばしてほしいっていったのに」など心の中で愚痴っていましたが、

医師曰く「ひとまず、水がなくなるか経口薬を使ってみる。なくならなかったら手術もありうる。」とのこと。

薬を飲んだところ、心膜の内側の水はなくなり、無事退院することができました。

 

随分と長くなってしまいましたが、

集中治療室での苦痛は恐らく麻酔が入る針が適当な場所ではなかったのか、麻酔関係の問題じゃないかと疑っています。

本当に死に物狂いの経験だったので、もう二度とあんな目にあいたくないーいわばトラウマです(あまりこの言葉を使いたくはないのですが)。