今日は寒い。


担当医の都合で一週間延びての検査になった。
この一週間が意外に重かった。
何となく、鳩尾のあたりに違和感があり、早く検査をと願っていたからだ。
片道約二時間かけての、移動はそれだけでも、この身には堪える。

 

 

 

やっと辿り着いた。
この駅に立つと何故か心が騒ぎ落ち着かない。

 

 

 

採血結果を待つ事三十分。
採血の結果次第で、造影剤使用が可能か否かを決定される。
それは、もし腎臓に異変があれば、造影剤は使用出来ず、CT検査は中止となる可能性があるからだ。

 

 

 

無事CTのドームに入る。
MRI検査と違って、あの耳をつんざく様な不快な音はしない。
そして「今から造影剤が入ります」とドーム内に声が届くと「はい」と答える間もなく、身体が熱くなってくる。
同じ造影剤でも、私にはとってはMRIでのそれとは違って、かなり強烈だ。
内臓が、無理をして燃えてくる。

診察室の前で待つこと四十分。

 

 

今日、私の担当医は、会議で遅くなる為「代理の先生に診察を依頼しています」と、前もって連絡をくれていた。
 
やっと呼ばれて入った診察室には、若い先生が待っていた。

CTの映像を、丁寧に観察しながら、先生は、不思議そうな顔をして
「CTの画像からは癌の姿は確認できないが、血液検査では、腫瘍マーカー(CN19一9N)が倍増しています、そして肝臓や肺には転移は見られません」と小首を傾げた。

そこへ、丁度会議を終えて駆けつけて下さった私の担当医は、画像を隈なく確認した後、若い先生からの説明を受け「未だはっきりしたことは今の時点ではわからない。腫瘍マーカーが倍増したといても、決して悲観する必要はありません。今度は、MRIでの検査に切り変えて、くわしく調べましょう」と、その優しい気遣いの言葉に、うっすらと安堵した。

そうだ、次回の検査は6月20日だから、5月の公演は既に幕を下ろしてる筈だ。
なら、それまでは過剰な心配はすっぱり棄て去り、奮励努力して、珠玉の舞台を創らなければならない。
そう決心して、私は病院を出た。

 

 

皆様のご健康を心底よりお祈りします。
そして、何より山林火災が一日も早く消火出来ますようにと、祈願しています。