今、知りました。

 

あなたの人生が終わった事を。

 

昭和という混沌とした時代を駆け抜け生きた中尾彬と言う俳優のあった事を、そして、あなたの死と共に、その貴重な僕らの時代も過ぎ去ろうとしている、そんな不安に駆られています。

 

多岐にわたって活躍した貴方の足跡は、それぞれに、光を当て、また陰を残して去りました。

 

懐かしさに、傷みます。

 

そして、仕方なく、死と言う現実を身近に感じてしまいます。

 

貴方と共演させて頂いた度に、忘れつつあった古き良き時代を貴方の中に見出して、苦笑いしては懐かしく、少しばかりの恥じらいを感じるのです。それにしても、その貴方の自信に満ち溢れた存在感と生き様から、時にはそれが、雲を引き裂き辺りを照らす、一条の光をみる様に眩しく感じたものです。

それは、貴方が人一倍、知的好奇心を持ち続け、常に努力を怠らなかった、自己肯定感の自然な、表現だったのだと思えるのです。

 

そして、頭を撫ぜながら妙に照れる貴方の姿が忘れられません。

 

またしても、近しかった俳優の一人が矢張り消え去りました。

 

お疲れ様でしたね。

 

私は、もう少し頑張ってみるよ。

生きてる事は、素晴らしいから。