実は、私は嘗てから酸素カプセルと言うものを一度試してみたいと考えていたのです。

 

この酸素カプセルのエビデンスは、それぞれのジャンルでその効果は既に実証済みです。

 

病魔はきっと次々と新たな武器を繰り出して、他の臓器えの移転を虎視眈々と狙ってくるでしょうから、それならこちらも、新たな武器で迎撃してやろうじゃないかと考えてみたのです。

それが例えイタチごっこであっても、毅然として挑み続けなければなりません。

そこで、この機を逃さず酸素カプセルを、いよいよ試してみる事を決意した次第です。

 

そんなわけで、「いざ、鎌倉へ!」と勇躍、整体院へ駆け込みました。

 

 

整体師から酸素カプセルの一応の説明を受けて、一粒の飴が与えられます。

 

 

実はこの飴は、カプセルの内部が高気圧になる為、唾を蓄え飲み込み、耳抜きを容易にする効果があるとのことです

 

さあ開始です。

 

 

狭いカプセルの中は、天井に透明なアクリル板が貼られていて部屋全体を感じられて、閉じ込められたような孤独という寂寥感は微塵もありません。

ゴォーという、音と共に酸素が吹き出して来ます。

飴が硬くてなかなか溶けず、ツルッと滑り込み、誤嚥する事が心配になり却って邪魔になります。

飴がなくとも唾くらい,いつでも出します。

念のため、次回は自分好みの飴を密かに用意するつもりです。

 

40分も過ぎたでしょうか、血流が運ぶ酸素が指先まで駆け巡り、ドキドキと息をしているようです。

それにつれて、頭がどんよりとした空気感に覆われ、思考力を鈍らせながらも、さまざまな事柄が頭を巡ります。

 

今年の年頭は、地震と言う自然現象が、人々を悲惨な現実に陥れました。

石川県の能登地方を震源地とする能登半島地震は、マグネチュード7・6と言う、この凄惨な自然の営みの前に、人間は何とも無力感を味合わされました。

いや、無力感などと、情け無い戯言を放言している場合ではありません。

何よりも先ず、被災者の安全を確保しなければなりません。そして、一刻も早い復興を実施する事なのです。

 

頭はますます霞で覆われて、そこに浮かぶ情景は、羽田空港での日本航空旅客機と海上保安庁の、航空機の見るも無残な衝突炎上事故。

二機の飛行機が、一つの火だるまになって発光する地獄絵図。

山手線で、一人の女性が刃物を振り回し、四人の男たちに殺意を持って襲いかかる、彼女の猟奇的な異様さに身震いしながら、これら悲惨な事件や事故は霞んだ脳裏にさえ、こびりついて放れません。

夢か現か幻か。

嗚呼。

どうか、夢であっくれと願いながら、徐々に私の目は開き、霞の中にくっきりと晴れ間が現れて来ました

 

ブザーの音。

 

どうやら60分は終わったようです。

 

2024年は天災と人災が全てに絡み合い幕を開けました。

 

よし、それなら今年は一層の勇気を振り絞り、敵の背後を襲い、まんまと敵将の首を取り、雄叫びあげて活きていたいのです。