この異国の文化と歴史を感じさせるアンティーク家具が、私のその時々の喜怒哀楽を、静かに見聞きしてきた様に、かつてこの食卓を囲んだ見知らぬ家族たちの様々な生活のあり様を想像させて、それが神秘的で、私を温かく包んでくれるから楽しいのです。

そこには思わずそっと家具を撫でている自分がいます。

 

バタフライテーブルは、イギリス製。椅子は、ポーランド製です。

 

何よりも重厚で品格があり手間をかけて、丁寧に仕上げられた仕事は、美的センスに優れていて眺めるだけでも、気持ちが落ち着き満たされます。

 

 

これらの家具は、現在のマンションを購入した際に、最初にアンティークショップで買い求めたものです。

 

 

入居当時は、他の家具も未だ十分には揃ってなくアンティークの家具は燦然と、その存在を発揮していました。

しかし、やがて時が過ぎ新たに家具がふえていくにつけ、なんとなく統一感に欠けて、どうもこの居場所にはそぐわなくなって来た様な感じがしていたのです。

確かに少々、実用化に欠ける部分も無きにしもあらすでした。

 

 

この飾り棚と机は、セオドア・アレキサンダーのコレクションです。

 

だが手放すには何とも忍びがたく、申し訳ない想いに囚われながら、衣類や他の生活用品と共に、マンネリ化したこの家具たちにも、終活を兼ねた断捨離の時が訪れた様です。

 

という事で、一念発起ネガティブな自分から解放する為にも、せめて過去の生活環境の一部と決別し、アンティークショップに買い取っていただき、新たな空間を作り出す事で、突如私に何の予兆もなく襲って来た病魔を相手に、ここを先途と奮い立ち、改めて前進あるのみと決意しています

 

とは言いつつ別れゆく家具たちが、どうもにも愛おしく逡巡しながらも、我が家で住むより、更にその優雅な姿を愛でるに相応しい家族と場所に恵まれる事を願い、断腸の思いで手放す決断に至った次第です。

 

 

玄関から運び出される家具達。この天板と猫足は銅で出来ていてずっしりと重たい。

 

お世話になり、ありがとうございました。

 

 

1月26日には重粒子線治療治療後の、6ケ月点検があります。

ブログ仲間の方々から私への沢山の励ましのお言葉に、その有難さに、拳を強く握りしめています。

 

ところで新しく購入した食卓です。

 

 

そして、恐らく他の家具とマッチする飾り棚が、十二月下旬に届きます。

 

お正月は、これら新しいモダンな家具と過ごす事になります。

 

実はこんな些細なことに、今、幸せを感じているのです。