アップすべきかどうか少々悩んだ。
本来は、個人的な病気のことはあまり書きたくはないのだが、何かの参考になれればと、都合よく自分を説得して載せる事にした。
兼ねてから、膵臓炎で悩まされ、何度か入院を重ねたのだが、その後もどうも芳しくない。
私の急性膵炎は膵臓尾で育った嚢胞から出る粘液の流れが原因だった。
ならば一先ず内視鏡によるエコー検査と、CT検査で嚢胞と膵臓の状態を調べる事となった。
その結果、膵臓に8㎜の腫瘍が認められた。
ちなみに8㎜と言う小さなサイズの腫瘍が発見されることは珍しい事で、それ自体は、ラッキーと捉えなければならない。
それにしても、当然この腫瘍が何物なのかどうにも気にかかる。
虎穴に入る覚悟で、その正体を探ろうと超音波内視鏡での生体検査をする事にした。
これは内視鏡で患部に針を刺し、組織を吸い取り、隈なくその病変を調べる方法だ。
さて予定通り入院をして、早速採血。
結果は良好。
いよいよ明日は検査だ。
だが予期せぬ不運はここから始まる。
昼の病院食をとったあと、暫くしてまた例の痛みが襲ってきたのだ。
私の場合は鳩尾を中心に肋骨に沿って左に走る痛みだ。
まずい、これは明らかにまずい。
すぐさま私は医師に容態を説明して、採血をしてもらいその結果を待つ事となった。
案の定、膵炎の再発だった。
万事休す、これで生検検査は一先ずお預け、膵臓炎の治療に専念することになった。
3日間の入院予定が6日も延びてしまった。
膵炎の治療後、一度退院し6日後に再入院して、生検検査することに決定。
慌ただしい事この上なし。
思えば、コロナは5類になり、マスクは個人の判断に任され、酒場ではプラスチックの仕切りは外され、酔眼朦朧、乱れ散る会話。
そんな最中、何故か未だに面会の許されない病院の個室で、一人つくねんと食事も出来ず点滴の落ちる一滴一滴を目で追いながら、時を待つやるせなさ。
そして、来る退院。
点滴から放たれた、当たり前の開放感の有り難さ。
ふと、サンセべリアに奇跡の花の咲いたことが蘇り、撮っておいた写真を愛おしく眺め返しては、これが何かの幸運を呼ぶ予兆である様にと、願いを込める。不可解。
まさに藁にもすがる思いとはこのことかと、己の精神の軟弱さを実感しつつ、一人苦笑している。
命は、己だけのものではない。
病を抱えながらも、誰かのために、精一杯生き抜くこと、それが今生きているという事だと思う。