コロナ禍のため一年延期された 、新藤兼人原作 、古川 健脚色、北村総一朗演出の、舞台『一枚のハガキ』が、お陰様で多方面からの好評を頂き、配信する事が決定致しました。

チケット販売開始は、4月25日!

何卒ご支援ご協力のほど、宜しくお願い致します。

 

 

「モニュメント」 

 

―去年(こぞ)今年 貫く棒の 如きなり―

新年を迎えると、去った年が遙か昔の様に感じるが、それはただ静かに過ぎゆく時間を一本の棒で貫いた様なものだと、高浜虚子は詠みます。

つまり私達は、祖先が営々と築いてきた歴史の末端の、いま、に在る訳です。

そして、このいまが、新しい歴史を刻みながら、どどっと容赦なく襲ってくる大自然の脅威や、理不尽で煩雑な日常生活に翻弄され、無意識に忌まわしい過去を忘れ去ろうとします。

そこで人類は、悪夢のモニュメントを形見として後世に語り継いで行く。

それでも、戦争の記憶は、確かに風化して行きます。所詮人間は忘れる動物なのです。

とはいえ人間の生きる権利を鷲掴みにして、ゴミ屑のように捨て去った悲惨な記憶は、決して忘れる事は出来ません。

ましてや戦争体験者の私には、戦争と言う人間の犯した許しがたい狂気の沙汰が二度と起こらないように、次世代へと繋いでいく責務があると感じています。

さて、コロナ禍のため一年延期になっていた新藤兼人監督『一枚のハガキ』の舞台化が、古川健氏の上演台本を得て、今春三月何とか日の目を見る事になりました。

巨匠が九十八歳でメガホンを取り、反戦への強い思いと、人間の尊厳とは何かを問いかけてくる新藤作品に共鳴した私が、氏の精神の一端でも受け継ぐ事が出来ればと願っています。

しかし、それは決してドラム缶の底を激しく叩いてヒステリックに反戦の感情をぶちまけるのでも、敗戦の無念に滂沱と流す涙の様相でもなく、戦争という得体の知れぬ暗夜の底に突き落とされた人間が、崩壊から再生へと必死に這い上がる生命力を賛美し、その姿を粛々と再現したいと考えています。

そして、いま、私達は演劇をする有り難さをしみじみと噛みしめています。

北村総一朗

『一枚のハガキ』公演パンフレットより。

 

 

<配信・Confetti Streaming Theater 詳細ページは下記 URL より>

 

https://www.confetti-web.com/theatercompany-subaru_streaming

 

・視聴券販売期間=2022 年 4 月 25 日(月)10:00~5 月 15 日(日)23:59 まで

・配信期間=2022 年 4 月 25 日(月)10:00~5 月 25 日(水)23:59

※視聴ページに初回ログインから 10 日間(240 時間)、何度でもご視聴いただけます。

 

●WEB 予約のみの受付となります。

●料金=視聴券:2,300 円(税込)

◎お問合せ=劇団昴 TEL03-6907-9220  subaru@theatercompany-subaru.com