12月27日土曜日、サザンオールスターズのコンサートに行ってきた。

このチケットは、ファンクラブに入っている、私の奥さんが抽選で当たった、貴重な二枚だ。


実を言うと、サザンのコンサートに行くのは二度目で、最初は、2008年、横浜日産スタジアムでの夏のコンサートだった。

まず、何よりも驚いたのは、その、集客数であり、七万人入場可能な会場は、文字通り立錐の余地もなかった。

新劇団の集客数と比べるのは、全く的外れであるのは先刻承知だが、それにしても、劇団のあまりの集客数の少ない現実に、なんとも虚しい気持ちになったものだ。

それより、なにより、桑田佳祐のカリスマ性に、無条件に圧倒された。


そして今回は、入場の際に、ビニールで出来た腕時計のようなリストバンドを渡され、腕にはめて、鑑賞することになった。


言うまでもなく、最初から全員立ち上がり、両腕を上げて踊りながら手拍子をとる、そのエネルギーは、前回と変わらない。

実は私は、その事を内心密かに、案じていた。

あれから6年経ったこの年で、体力が最後まで持つのだろうか?


さて、コンサートが中盤になると、腕にはめていたリストバンドが突然光を放つ。

「おー!」という、響めきが会場全体を包む。

LEDの美しい自己主張だ。

闇の中で、一万五千のリストバンドの光と、アリーナの天井から降り注ぐ、満天の星!

これらの、無数に輝く星たちは、自分自身さえ気づかずに、押さえつけてきた自我と、黙々と暮らしてきた、その命のあかりを、ここぞとばかりに舞い踊らせる。

それは、精一杯生きてきた人間のささやかな自己主張のように思われて、いつしか、熱いものがこみ上げて来た。


場内の熱気に圧倒されながら、遠い昔の活力が、甦ってくるような胸騒ぎの中、大いに楽しみ、まだまだ、仕事をしなければと、独りよがりに力んでいる。


平成26年12月27日土曜日。

私たち夫婦に、忘れられない貴重な思い出をプレゼントしてくれた、サザンオールスターズの皆さんに、心から感謝するばかりである。