拝啓
狂ってしまった季節の挨拶は省略です。
扨、この度は短編小説「繁栄の昭和」をお送り下さり恐縮至極です。
この作品の不思議な世界に惹かれ、いっきに読み進んでいくと、ああ「何ということでしょう!」そこに、私には持ち合わせのない筒井先生の世界に、私が登場し、束の間、生きているではありませんか。
一瞬、私の毛穴は収縮し、更に読み返し確かめ、いやぁ、もううれしくてなりません。これは、あってはならない光栄です。
ありがとうございました。
兎に角、お元気でいて下さい。
不一
筒井康隆様
北村総一朗
追伸
小生も七十九歳になり、年をとりましたが、「銀嶺の果て」に出演出来る迄は死にきれませんぞ(笑)。