連休前に、奥さんと一緒に久しぶりにドライブを楽しむことにした。
まあ、沼津辺りに行って新鮮な魚でも食べようかという魂胆だ。
御殿場近くに来ると、奥さんが、「アウトレットに寄ってみない?」と、言い出し、私もすぐその意見に賛同し、ハンドルを切った。
鬱蒼とした森の中に突如現れるアウトレットモールは、当然空気も新鮮で、せわしない都会での買い物とはひと味違った、貴重な開放感があるのが嬉しい。
店を覗き、楽しみながら歩いていると、ここにもやはり中国からのお客様の姿がある。
こんな遠くまで足を運んで来る彼らにも少々驚かされるが、日本にとっては大事な顧客であることに間違いない。
だが、どうも最近、その中国人の旅行者に会うと、彼らの背後に赤い中国の国旗がはためいていて、尖閣諸島だの南シナ海だのが透けて見えて来るのは、何故だろうか?
旅行者を責めるつもりは毛頭無い。
むしろ自然に、そういう連想に囚われる自分の狭量を責めるべきかもしれない。
煮え切らない。
煮え切らないと言えば、オバマ大統領の曖昧な声明には、思わず「はっきりせい!」と、年甲斐もなく思わず口走ってしまい、どうにも落ち着かない。
思い起こせば、終戦直後、進駐軍が四国の田舎にもやってきた。
昨日まで「鬼畜米英」と、憎悪の限りを燃やしていた敵国の兵隊達に、家からこっそり持ち出した扇子や日本手ぬぐいを差し出しながら「ギブミー、チョコレート。ギブミー、チョコレート。」と連呼し、子犬のように米兵達に纏わり付いた私の密かな屈辱の悪夢が、甦ってくるのは何故だろう。
そんな事を感じながらも、暢気なモノで、私はアウトレットで、より割引率の高い商品を探している軽薄さに我ながら呆れてしまう。
まして、「これは良い」と思って勇んで試着すると、案の定サイズが合わない。これには、がっかりしてしまう。
ところが、時として、80%オフの商品がピッタリ身体にフィットしたときは、その幸運に一人ほくそ笑み、悦に入る。
アウトレットならではの、楽しみの一つだ。
歩くことで良い運動にもなり、ちょうどお腹も空いて来て、奥さんと回転寿司に入ることにする。
沼津の新鮮な魚介類が豊富で、これは実に美味い!
いやー、楽しい一日であった。
なんと愕いたことに、帰える間際に、『踊る大捜査線』の本広監督に遭遇した。
奇遇としか言いようがないが、不思議な縁を感じたものだ。