夫と、小学生の息子との三人家族です。
最重度知的障害のある姉がいます。
両親は他界しており、姉は現在グループホームで生活しています。
きょうだい児の思いや、日常のあれこれを書いてみたいなと思ってブログを始めました
よろしくお願いいたします
続きです。
福祉系の大学に行き、福祉の仕事に就こうと思った高校生の私。
しかし、私は毎日の気分の落ち込みが激しくなり、どんどんと鬱状態になっていきました。原因不明の頭痛で学校を休むことも多くなりました。
情報のたくさんある今なら、きょうだい児ゆえのストレスや、いびつな家族の関係が原因で心を病んでいるとわかってくれた人がいたかもしれません。
しかしきょうだい児という言葉さえ一般的でなかった20年以上前の話です。誰もわかってはくれませんでした。
心の病の存在さえ、ふんわりとしか認められてなかったんじゃないかな?
いじめられているわけでもないのに学校にいけない。
体のどこにも悪いところはないのにいつもだるい。
一度ベッドに入ったら朝が来ても出られない。
ひたすら部屋に籠もって眠り続けてしまう。
そして誰にも会いたくない。母以外の家族にも、親戚にも。(母だけは大好きでした )
母はひたすら私を心配し、祖母はだらけているように見える私に文句を言っていました。しかし、私にはわかっていました。私の心と体の不調の一番の原因は姉の障害だと。
私の心にはいつも姉への、そして姉の障害へのブラックな感情がうずまいていて、その気持ちが大きな罪悪感として存在し、いつも私を苦しめていました。
そんな中で、私は部屋の中で一人、本当に私は福祉の仕事に就きたいのか?自問自答しました。
そして…たくさんたくさん悩んだ末。
「私が本当にしたい仕事は福祉の仕事ではない」という自分の気持ちを認めることになりました。
私は恥ずかしながら、たった一人の姉の障害すら受け入れられない器の小さな人間なのです。
障害児・障害者のために働くことが、こんな卑屈な私にできるのか?明るく障害を受け入れて、彼らのために働けるのか?
私には自信がありませんでした。
そして、知らず知らずのうちに、周りが私に期待している職業に就いて、自分自身を認めてもらいたいという気持ちが自分にはあったのだと気づきました。
きょうだい児だからって福祉の仕事につかなければいけないわけではない。
きょうだい児だって自分の進みたい道に進んでいいんだ。
(誰か一人でも、あの時の私にそう声をかけてくれたら嬉しかったのにな)
そんな当たり前のことにやっと気づいた私は、『経済学部へ進学→金融機関へ就職』という道を選びました。
これが私の進みたかった未来です。
今でも選んだことに自信を持っています。
私は人一倍、福祉の仕事へのリスペクトの気持ちを持っているつもりです。
だからこそ、私にはできないと思ったのです。
職業に貴賤なしといいます。
確かに卑しい職業なんて存在しませんが、私にとっては福祉の仕事は何よりも尊い職業です。
姉は現在グループホームにお世話になっていますが、スタッフの方々にはどんなに感謝してもし足りない思いでいます。
仕事とはいえ、正直私よりも姉に愛情を持って接してくれているんじゃないかな。
例えそうでないとしても、私がそう感じるくらい姉に良くしてくれています。本当にありがたいことです。
そして何より、グループホームで姉が生活させてもらっているお陰で、私自身が自分の人生を生きることができているのです。
うちは既に両親が他界しているため、姉が入所できる場所がどこもなかったら、私が姉と一緒に住むしかないのでしょう。
…そうしたら私の人生ってどうなるんでしょうか
自分のしたい仕事もできず、よっぽどの理解のある相手と出会わない限り、結婚もできなかったでしょう。
姉は生活すべて全介助で赤ちゃんと同じなので、運良く結婚できたとしても私自身の出産は難しかったと思います。(自分のことばっかだな、私。でも所詮私ってそんな人間)
姉を受け入れてくれたグループホームのお陰で今の私の生活があるのです。
グループホームのスタッフの方々は姉の人生を、そして私の人生をも支えてくださっているということです。
感謝しかありません。
やはり福祉の仕事は素晴らしいし、私のようなブラックな感情を持った性格の悪い人間には務まらないと思います。
そして私は自分の本当に進みたい道に進めて良かったと思っています。
それでもやはり…障害児の親御さんはきょうだい児が福祉の仕事に就いたら、子どもの障害も、自分自身の子育ても肯定されたようですごく嬉しいんだろうなと思います…。
続きます
読んでいただきありがとうございました
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