書道展「日本書芸院展」へゆく | ブログ版『大和川水紀行』

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大和川流域の自然やイベント、祭事など訪ねた紀行記です。

大阪国際会議場で開催されている「第78回日本書芸院展」を観賞した。

 

文化功労者や日本書芸院の役員ら書道界の第一線で活躍中の書道家の発表・展示会だ。

その作品の中から3点紹介する。

 

 

仏教経典にある漢語「刻石流水(こくせきりゅうすい)」を素材にした作品だ。

その意は「受けた恩はどんな小さくても心の石に刻み、施したことは水に流す」。


空海の漢詩文集『性霊集(しょうりょうしゅう)』の一節にある漢詩「青山翠岳に翔鳳を見華苑瓊林に走麟を望む」を素材した作品だ。
ちなみに空海は平安初期の嵯峨天皇・橘逸勢とともに能書の優れた「三筆(さんぴつ)」の一人だ。

 

良寛のうたにある和歌「霞立つ永き春日を子供らと手毬つきつつこの日暮らしつ」を素材にした作品だ。
その意は「長くなった春の日に子どもたちと手まりをつきながらこの一日遊び暮らしたことだ」。

良寛は江戸後期に生きた禅僧だ。

幼い頃から学問に親しみ、岡山・圓通寺で仏道修行に励んだ後、寺を持たずに清貧な暮らしを過ごした。

その生涯は子供達と戯れるまど逸話から慈愛に満ちた生き方に現代の人にも広く親しまれ、多くの詩や歌を詠み書き遺した作品が今に伝わった。

 

参考:日本書芸院展
https://www.nihonshogeiin.or.jp/

 

日本書芸院は全国書美術振興会、全日本書道連盟とともに日本の書道をユネスコ無形文化遺産への登録実現に向けて取り組み、令和5年に文化庁の提案候補になった。