お堅い月刊誌、しかも現代詩がテーマとくれば売れないものの代名詞みたいな気もする昨今ですが、もちろんわたしも読んだことなんかありませんでした😅

しかし今号は別だったよう。版元も驚くまさかの重版。しかもそれでも入手困難😳

それだけ人々を深く穿つテーマだったともいえることでしょう。



2024年5月号 現代詩手帖「特集 パレスチナ詩アンソロジー 抵抗の声を聴く」思潮社より。


文字通りパレスチナの現代詩人たちの特集です。ただしパレスチナ在住とは限りません。避難者や難民2世、もちろん現在もパレスチナで踏みとどまっている人も。

あるいは男性や女性、若者にベテラン。性的マイノリティも。



既にイスラエルの攻撃によって亡くなられた方もいます😢


詩を予感して書かれた詩は「わたしが死ななければならないのなら」(原題 If I must die)

わたしが 死ななければならないのなら あなたは、生きなくてはならない……と訴えるこの詩は、作者リフアト・アルアライールさんの娘アルシャイマーさんの手によって訳者に渡されました。

おそらく詩の中の、生きなくてはならない「あなた」には自分の娘も含まれていたはずですが、訳者のX(旧Twitter)によると、その娘さんも4月26日に命を落とされたと😭


イスラエルは占領地の水道や電力、医療などのインフラを通じ、また独自の情報網を持ち、常に住民の動向を把握しているそう。

ガザを語るとき、報道などではまるで枕詞のように「ハマスが実効支配する」と付きますが、それがかなり雑な、実態を反映していない理解であることを思い知らされます。


本誌中には👇の著者 岡真理さんのインタビューも掲載されていました。



詩の作者は老若男女に縛られず様々だと書きましたが、わたしと同年代の作者もいます。
パレスチナと日本。全然違うようでありながら、不思議と「氷河期世代」なんていわれた自分の世代の経験とダブるところも……。

もちろん単純に "同じ" だなどとは(決して)いえませんが、「どこか」「遠くの」戦争のようでも実はわたしたちの生活と深く繋がっているということは👇の 「東京都同情塔」 を読んだときにも感じたことでした。


(逆にいえば日本の問題だけを指摘しても、日本の問題は解決しないということでもありましょう)


訳者の一人はパレスチナだけでなくイスラエルの詩人とも付き合いがありました。そのイスラエルの友人のことも頭に浮かべつつ、自らの出来ることの小ささにやりきれなくなったそうです🥺


出来ることは "小さい" ですが、ないわけではありません。デモをすることは難しくてもSNSでリポストすることや、いいね!をすること。

あるいは 首相官邸 にコメントを送ること👇(とても簡単にできます。個人情報も不要)



出来ることがたくさんあるのは、状況を変える決定打がしょせん "無い" ことも意味しています😫

それでも沈黙しないのはまず何よりも自分のため。イスラエルとパレスチナどちらが正しいのかではなく、わたしたちがいま目前にある「いのち」を、どう慈しむのかということでしょう。







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