社説紹介の第2弾・・・

朝日新聞より少しマイルドな内容ですが、中身はあまり変わらず。

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社説:消費増税法案 「本気度」を疑う修正だ

 何ともスッキリしない「一任」決着である。民主党による消費増税法案の事前審査が、連夜の長時間協議の末、わかりにくい修正案を取り入れる形で終結した。増税慎重・反対派に配慮した結果ではあるが、事前審査で法案の内容が改善されたとはとても言い難い。

 しかも、度重なる譲歩の一方で、党内の対立はむしろ深まった感がある。果たして、約46時間も審査に費やし、修正に修正を加える価値があったのかと思わずにはいられない。

 最大の争点は、増税実施の前提条件として景気の回復を数値で示すかどうかだった。国内総生産(GDP)の伸び率が名目で3%、物価を勘案した実質で2%となることを条件に盛り込むよう慎重・反対派が主張。これらの数値を条件にすれば、増税は困難になると懸念する政府・民主党執行部が拒否し、難航した。

 そこで政府・党執行部は「経済状況の好転」を増税条件と認め、デフレ状態から脱却するための措置もとるという修正案を提示した。大幅な譲歩だが、それでも合意に至らず、さらに修正して、「名目3%程度、実質2%程度」の数値を直接条件とは解釈し難い表現ながら明記した。

 だがこのままでは、将来、増税できる経済状況か否かで再び紛糾する恐れがある。「2020年度までの平均成長率が名目で3%、実質で2%となるよう目指す」というのは、もともと政府が閣議決定した新成長戦略の目標だ。とはいえ、早く目標に近づくよう「総合的な施策を講ずる」としたことで、反対派に「目標に近づいていない」「施策が不十分」との主張を許す余地を作った。

 法案が閣議決定されれば、いよいよ国会で野党との論戦が始まる。原案から後退した部分の改良も含め、法案がよりよい内容で可決されるよう、野党の提案にも期待したい。

 一方、民主党の増税反対派が抵抗する中での協議打ち切りとなったことで、法案採決までさまざまな要求が続く可能性がある。もちろん、詰めるべきところは詰めてもらいたいが、法案を通すための安易な“ばらまき”は許されない。

 例えば、当面の低所得者支援で、「4000億円」など現金を給付する案があるが、軽減税率など他の選択肢も併せて検討すべきだろう。

 問われているのは、何のため増税をするのか、本気で税制と社会保障を改革する意思があるのかという根源的なものである。片や増税といいながら同時にばらまき財政を行ったり、さまざまな実施条件を付けて増税の見通しが立たない状況を作ったり、というのでは改革の本気度に疑問符が付くばかりだ。国民からも市場からも信認が得られまい。

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 4000億円の低所得者への給付など、とんでもない政策です。
 そんな、所得移転政策をとるより、建設国債によるきめ細やかな実際的な政策を打ち出していくほうが、
 よほどの低所得者対策になると考えるのですが?
全国大5紙の今日の消費税に関する社説を1紙ずつ紹介したいと思います。

第1弾は「朝日新聞」

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増税法案了承―批判だけでは無責任だ

 民主党が、消費増税法案の国会への提出を了承した。

 昨年末に続いて、またも延々と論議を重ねた末にようやく収拾した。

 何はともあれ半歩前進だ。

 最大の焦点は、経済成長の数値目標の達成を、増税の条件とするかどうかだった。

 結局、名目3%、実質2%程度の成長をめざすと盛り込む一方で、それが条件だとは書かない玉虫色の決着だ。

 できるだけ多くの議員の理解を得なければならないし、法案の骨抜きも避けたい――。

 ばらばらな党内を束ねる苦肉の策であることは理解する。

 しかし、政権与党の対応としてはお粗末すぎる。

 とくに増税による負担を国民に強いる法律に、一読して意味がわからない文言を記そうという感覚が信じがたい。法律のあるべき姿からは、ほど遠い。

 執行部はもっと毅然(きぜん)とした態度を貫くべきだった。

 なにしろ、バブル経済後、名目3%に達したことなどない。そのうえ万一、国債に十分な買い手がつかなくなれば、「3%成長してから」などと言ってはいられない。しょせん、一つの指標で増税の是非を決めようという考え方に無理がある。

 もちろん、増税「慎重」派の主張に耳を傾けるべき項目はたくさんある。政府は経済成長にも、むだの削減にも取り組まなければならない。

 ただ、これまでも「経済が好転してからだ」「むだを省いてからだ」と先送りを重ねてきた結果が、1千兆円に迫る借金の山なのである。

 この現実に、小沢一郎元代表ら、現時点での増税に異論を唱える議員はどう向き合うのか。

 小沢氏は、むだの削減で16兆8千億円の財源を確保する党の公約づくりを主導し、いまも同様の発言を繰り返している。

 いまさら、なぜ幹事長時代にやらなかったのかは問うまい。だが、いまからでも、どの予算をどのくらい切るのかを具体的に言ってほしい。

 歳出削減は痛みを伴う。だれが、どれほど痛むのかをあいまいにしたまま、財源を生む打ち出の小づちがあるかのように言い募るのは不誠実だ。

 法案採決の際に、またぞろ同じような反対論を蒸し返す議員はいるだろう。

 しかし、具体的で理にかなった提案をせずに、成長幻想やむだ削減を盾にとるのは「反対のための反対」でしかない。

 民主党は政権与党として、もっと建設的な議論をしていく責任がある。

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 国家経済(マクロ経済)の基本を知らない人間が書いているとしか思えない社説です。

 というか、これだけ情報が簡単に取り出せるネットワーク社会に身を置きながら、
 こんなでたらめな社説が書けるとは恐れ入ります。

 もし、よほどの馬鹿でなければ、言論を恣意的に操作しようとしているとしか思えません。

 昨日、帰ってから自宅にてBSで「ワールドビジネスサテライト」を見たのですが、
 この番組が終わり際にコメンテーターである大和総研の熊谷亮丸氏に

 「日本はデフォルトなしに財政再建はできるのでしょうか?」

 という質問が飛びました。

 それに対する熊谷氏の答えが

 「非常に難しい。家計に例えると・・・
  420万の収入しかない家庭が440万の借金をするようなもの。
  消費税だけなら18%に上げないといけない。
  消費税を10%にとどめるなら、社会保障費を3~4%下げないといけない。
  だから、消費税増税10%は確実にやらないと。
  でなければ、国債の暴落もありえる」

 このようなことを言っていました(詳細な部分は齟齬があるかもしれませんが・・・)

 はっきり言って、これが大和総研のチーフエコノミストが発言する内容とは、
 到底思えませんでした。

 ちなみに、下のレポートは熊谷氏が中心にまとめた大和総研のレポートの一部です。

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(2)消費税引き上げを巡る5つの論点:現在、わが国では消費税引き上げの是非を巡る論議が高まっている。本予測では、消費税引き上げを巡る5つの論点について検討した。当社は、わが国では高齢化が進展し財政赤字が累増するなか、世界的な税制改革の潮流などに照らしても、消費税引き上げが急務であると考えている。第一に、グローバルなデータを用いた分析などからは、財政赤字の累増が経済に悪影響を及ぼす可能性が示唆される。特に、わが国では、将来不安が貯蓄率を押し上げている可能性が高い。第二に、消費税には、[1]水平的公平性・世代間の公平性、[2]経済活動への中立性、[3]高齢化社会に向けた税収の安定性、という3つの側面でメリットがある。第三に、「経済成長すれば、財政再建は達成可能」との考え方には大きな疑問が残る。第四に、海外の事例などを検証すると、消費税引き上げが必ずしも景気に大幅な悪影響を及ぼしている訳ではない、第五に、海外の財政再建の成功例などから得られる示唆として、わが国が財政再建を成就する鍵は社会保障費の削減にある。
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 すごいレポートとしか言いようがない内容です。
 
 デフレ下における消費税増税のデメリットにはまったく触れず、
 都合良く事実をねじ曲げているレポートです。
 このようなレポートを出している識者を呼ぶマスコミの質も推して知るべし、です。

 ワールドビジネスサテライトが、日経新聞の番組であることを考えれば、
 日経新聞は「消費税」に対してかなりのフィルターを通していることが考えられます。
 とても残念なことではありますが。