優秀な経営者が「経済」を理解しているかというと、そうではないらしいですね。

 実際、経営者が書いた書籍を読ませてもらいましたが、

 やはり、ミクロで優秀でも、

 必ずしもマクロとは関係ないことがわかりました。

 国家経済を左右する地位に優秀な経営者を据えても、

 必ずしもうまくいかないということかもしれません。


 
 例えば、「経営の神様」故松下幸之助氏・・・

 彼の持論が「無税国家論」です。

 『仮に今の貨幣価値で1000兆円の積立金ができ、それを年利5%で運用すれば、50兆円の国家収入が得られます。昭和54年度予算は40兆円弱と予想されますから、これをすべてまかなってなお10兆円余りのある額です。 そうすれば、国民から1円の税金を取る必要のない「無税国家」となり、さらに進んで、余りの10兆円を国民に分配しうる「収益分配国家」になるともいえましょう。』

 上がその中身ですが、あり得ません、こんな国家。

 マクロ経済は成長します。

 すくなくとも、通常のマクロ経済は適度なインフレとなり、名目成長を続けていきます。

 そんな中で、国の予算もその経済成長に応じて増えていきます。

 つまり、松下幸之助市氏が語るマクロ経済とは、成長をしない経済、つまりデフレ経済です。

 デフレ経済では、国民の所得が目減りして、

 個人家計も企業も借金をしない状態に陥り、経済は収縮していきます。

 結果、社会保障費等から政府の債務は膨れ上がります。

 そんな社会で、年利5%などで安全運用など出来るはずもないのです。



 これでわかると思いますが、優秀な経営者がマクロ経済を本当に理解しているかは怪しいとわかると思います。

 私たち国民は、政治家への政策を判断するとき、ある程度のマクロ経済のリテラシーを持っていなければならないと思います。



 前回に続いて、生活保護の問題を取り上げます。

 「どうすれば、生活保護者を減らすことができるのか?」についてです。

 これは、過去にもブログに書いたのですが、

 端的に言えば、デフレを脱却し景気を回復させることです。

 下のグラフを見てください。

$たっぞんのブログ-保護


 90年代後半から生活保護の受給者数が急上昇しているのがわかると思います。

 つまり、橋下内閣が消費増税を含む緊縮財政にカジを取り、

 構造改革を断行したおかげでデフレが深刻化しました。

 そして、デフレが深刻化したせいで生活保護受給者が増えているのです。

 その流れはそれ以降の自民党政権は変わらずいます。

 そのうえ、民主党政権は10%への大増税を推し進めています。

 残念ながら、自民党執行部も消費税賛成論者が多く、

 政権が変わっても雲行きは怪しいと言わざるを得ません。



 なぜ、デフレが深刻化すると生活保護受給者が増えるかというと、

 デフレになると企業の業績が悪化し、中には倒産する企業が出てきます。

 企業が倒産すれば、失業者が増加しますから、労働者環境は悪化していきます。

 つまり、受給申請をしようという人が増えるわけです。

 そればかりでなく、失業していない労働者の給料もデフレのせいで減りますから、

 その労働者の扶養能力も目減りしていきます。

 そういうわけで、普通なら扶養されるべき家族が生活保護を申請する件数も増えます。


 
 つまり、生活保護への根本的な対策としては、

 デフレ脱却しかないのです。

 デフレを脱却し、失業者を減らし、労働者の賃金を上げていくことしか、

 根本的な解決方法はないのです。



 しかし、この国の政府は何をトチ狂ったのか、消費税を大増税しようとしています。

 それはつまり、デフレをより悪化させ、

 その結果、失業者や自殺者を増やし、社会保障費を増加させ、

 政府の財政を悪化させるとしても、野田首相は増税へ邁進しているのです。l

 「次長課長事件?」が生活保護の問題をクローズアップさせています。

 たしかに、生活保護をもらっている人より、

 少ない賃金で暮らしている労働者は数多くいます。

 

 だから、ただ生活保護受給審査を厳しくしたり、受給額を減額したりすることが本当に正解なのでしょうか?

 私は違うと考えます。

 生活保護を受けている人の中には、十分に働ける人が数多くいて、

 しかし、労働市場環境の厳しさにより職につけない人もたくさんいます。

 私の身の回りにもそういう人がいます。



 これは、過去にもブログの中で書きましたが、

 生活保護予算を減らし、その減らし分と新たに予算を増額して、

 生活困難者を臨時公務員として雇い入れるのです。

 今の日本には就職につけない若者や中年以上の失業者が溢れています。

 そのような人たちを公務員として雇うのです。

 そのうえで、生活保護審査を厳しくするなり、受給予算を減らすなりすればいいのです。

 ただ単に、「北風」政策をするのではなく

 「太陽」政策も同時に打っていくべきなのです。



 この「太陽」政策は社会のモラル回復という側面もありますが、

 直接的な景気対策という側面もあります。

 なぜなら、働く人は税金を払いますし、

 医療費もちゃんと負担してくれます。

 なにより、働いて得た所得はGDPにカウントされ、

 日本の経済成長の一部分となってくれます。



 しかし、生活保護はそれらの効果が全くありません。

 まずは、どんな軽い仕事でも働いてもらい、

 それすら無理な人たちに生活保護費を支給する、それでいいと思うのですが。