複雑な家庭で育った私。
母の連れ子で、継父と暮らし始めたのは、4歳になる少し前の夏だった。
継父はもの凄い酒乱で、家電を投げて壊したり、ガラス窓に椅子を放り投げて割ったり、酔っ払っては近くの工場の守衛所に怒鳴り込んだり…と、とにかく手がつけられなかった。
この暴れるキッカケが、母との小さな喧嘩というか、言い合いからだった。
「お母さんが、言い返さなければ、お義父さんは、暴れないのに」と、子供心にいつも思っていた。
小学校から帰って来て、夜勤に出掛ける継父を見ると、とても嬉しかった。
「あぁ、今日は夜の仕事だから、ゆっくり過ごせるんだ」と…
いつ地雷を踏んだのか、いつスイッチが入るのか、周りの人間は、特に小学生の私や小さな妹は、わからない。
突然、始まる印象しかないのだ。
「何言ってんだ、テメェー」呂律の回らないほど酔って…
だいたいが、継父と母が何かを話していて大きな声で怒鳴り始めるのだ。
私が高校生になって、一度、母に言ったことがあった。
「酔っ払いなんだから相手にしないで、話をうんうんって聞いていたら、喧嘩にもならないでしょ。何でいちいち言い返すの?」
「だって、腹立つでしょうよ!」
喧嘩するなら、子供の見てないところでやってくれよ‼︎と、何度思ったことだろう。
私は結婚して21年が過ぎた。結婚する前に2年近く同棲していたので、夫とは一緒に暮らして23年以上になる。
私たちは、言い合いにはならない。幼い頃から見てきたトラウマがあって、私が黙ってしまうからだ。我慢してしまうのだ。
これって、夫婦にとっては良くない事と、認識しているが直らないし、直せない。
妹は、怒鳴り声がトラウマだと言う。大きな声を出されると、何も言えずに怯えるだけになると言う。だからなのか、妹の夫は物静かに話をする方なのだ。
育った環境で受けた心の傷は、大人になっても、家庭を持ち環境が変わっても、癒えることは無い。
継父に怯えて暮らしてた日から、もう30年近くなるのに…