翌日は心づくしの朝食を頂いた後一路高知道から愛媛道へ。今回行ってみたかったのは新居浜市にある別子銅山で、住友財閥の繁栄の基礎となった銅山とはいかなるものかを頭の中に入れておきたかったので「マイントピア別子(の端出場ゾーン)」を訪れた。トロッコ列車で坑道に行き坑内の説明を見ながら内容を頭に入れていく。ここは1690年代の元禄時代に銅が露出していることから、住友が幕府の許可を得て開発に乗り出し山中を掘り続け、何と1970年代まで採鉱を続けたのだが、とうとう地下1000メートルまで掘ると熱さのために坑夫が耐え切れなくなって採掘を断念したという。愛媛県はここを世界遺産に登録したいらしいが、現在審査中の佐渡金山に比べると如何にも地味かつちゃちな気がするのは否定できないのでまあ厳しいのではないだろうか。

 

 時間が惜しいので、昼はコンビニのサンドイッチで済まして、今度は今治市南にある「タオル美術館」に行ってみる。ここは先のねんりんピックの時には残念ながら行けなかったところなので行ってみたがタオル及び土産物の一大販売場と言った感じなのだが、ここまで大きいとそれはそれで行く価値も出て来る。私はここには興味がないので急ぎ次の予定地砥部焼を見に「砥部焼観光センター炎の里」に行く。嫁さんが焼き物に興味があるので家使いの陶器を買いたいというので行ったが、嫁さん曰く「砥部焼は有田や伊万里に比べると分厚く重い武骨な感じがする」ということだが、なるほどと感心する。確かに厚く重いのだ。

 

 今日のホテルはANAクラウンプラザホテル松山に泊まる。ANAやJALのホテルは洗練されていて間違いないのでこれがあれば泊まるようにしている。そして今晩の夕食はホテル近くに広がる繁華街の一角にある「割烹寿」。高松の食べログポイントの高い店はうどん屋ばかりなのだが、流石に松山はレベルが高くポイントの高い店が目白押しで私好みの店を選びきれなかった。なので今回はアラカルトでなくコース料理1万円のものを提供してくれる店を選んだのだが…。確かにひと工夫も二工夫もされているのは十分に伝わって来るのだが、料理がいかにも飲んべ用に調理されており、大きなあん肝や白子等私には素晴らしい料理なのだが酒の飲めない嫁さんには不評で私が全部食べる役となった。やはりアラカルトでサラダの豊富な居酒屋をじっくり探すべきと反省した。

 

 翌日は南下して大洲市へ。本当は佐多岬半島へ行きたかったのだが、行くとそれだけで終わってしまいそうなのでそれは断念してまず大洲城に変更したのだが、天守閣を最近再建したこの城は歴史的な価値はない。とはいえこれで宇和島城、松山城、今治城&大洲城と愛媛4城を制覇して城マニアの私としては満足である。大洲では古い町並みと臥龍山荘をみて、おはなはん通りや東京ラブストーリーのロケ地には嫁さんが喜んだ。続いて内子に行ってみた。残念ながら観光地内子座は年末で閉館しており、従って人通りもまばらだったのだが、古い商家の町並みは一見の価値あり。また「でんじろう」という喫茶店でお茶したのだが、そこで私は旅屋おかえりのポスターを見つけたのでご主人に聞いてみると、そこはNHKドラマの「旅屋おかえり」のロケが行われ、主人公安藤さくらや武田鉄矢等が二週間にわたり滞在して撮影したとのこと。またご主人もお遍路姿でテレビに出たとのことでドラマネタで急速に距離が縮まり話がもりあがり、帰りにはみかんまで頂いた。私のドラマ好きもたまには良い効果を生むなあ、人生の回り道無駄ではないぞ。

 

 その帰り道再び砥部焼を求めて昨日行かなかった砥部焼陶芸館に行く。嫁さんが今一つ不満なのでガス抜きに行かざるを得なかったのだが、ここは品揃え豊富でここでもいっぱい買ってしまったので結構な出費になってしまった。最終的には嫁さんが負担してくれたので私の腹は痛まなかったけれど。

 

 遅い昼ご飯は松山空港の「かどや松山空港店」で、ここは10月にも来た宇和島料理の名店のひとつであり、いつもの様に最初は二人で、途中買い物に行く嫁さんを待ちつつしっかりほぼほぼつまみオールメニューを頂いて機内の人になった。今回佐多岬半島は残念だったが、愛媛も大体行き尽くし、愛媛・香川ともに島嶼部以外は行き尽くした感がある。次回は中国地方を食べ、遊び尽くしたい。(了)