あなた自身の社会 スウェーデンの中学教科書 | サンディの今日もワイン

サンディの今日もワイン

サンディがワインと本についてあれこれ言います。

2020年2月3日(節分)サンディは永眠しました。18年間ありがとう。
ひきつづき、ワインと本についてあれこれ言います。

読書時間:2h
一読:ありかも
再読:なし
R指定:なし
著者:アーネ・リンドクウィスト、ヤンウェステル/訳者:川上邦夫
原題:DITT EGET SAMHALLE
刊行:1997年6月
価格:2200円+税
出版:新評論
本本本本本本本本本本本


スウェーデンの中学2年の社会の教科書

訳者まえがき
1法律と権利
2あなたと他の人々
3あなた自身の経済
4コミューン
5私たちの社会保障
訳者あとがき「あなた自身の社会」の周辺

私家版を作成し配布するほど、川上は感動を覚えたというが、その感動は伝わらなかった。それは、
翻訳にとどまっているからだ。

この教科書で学んだらどうなるのだろう?
サッパリ分からないので、再読して、調べて、分かりかけてきた

スウェーデンの統治体系は、国 > 県 > コミューン となっている。
コミューンを「市」と訳さなかったのは訳者の想い入れもあるが、「市」では遠く感じられてしまうからだろう。重要なのはコミューンで1章とっていることからも分かる。
この統治体系が良い社会を生み出しているとは思わなかったが、概ね合意がとれていると感じた。

税金が高いという話や、死刑は復活すべきという話も載っている。
完全に合意は取れていないが、そういうものでしょ。人間だもの
警官だって間違いを犯します、と書いてある教科書は、絶対日本にはない。

人間だものという感覚が、シングルも同性愛もありという価値観、支え合えない家族もあるという価値観を生み出しているのだろう。
それが、充実した社会保障が続いている理由と思う。

.....................

スウェーデンの学習要領は、目標だけ決めて、あとは教師の裁量に任されている。その目標を引用

中学3年

1.人間の基本的権利、義務、民主主義的自由について理解している。学校における民主的な仕事の仕方、決定の仕方を実践できる。スウェーデンの基本的な規範、法体系の意義を理解している。
2.スウェーデンの統治機構の発展、全国、地方、地域レベルの社会制度の構造を理解している。北欧諸国、その他の外国との比較ができる。
3.さまざまなレベルでの国民経済問題や環境問題を理解している。外国との比較ができる。
4.性、社会、文化が、人間の生活パターンにいかなる相違をもたらしているかを考察できる。
5.スウェーデンが、何故、国際的に活動しているかを理解している。スウェーデンの外交、安全保障政策について、国際協力や国際紛争問題への取り組みについて理解している。
6.さまざまな知識の源泉を利用でき、集めた情報や見解を統合し、加工し、検討し、評価できる。

 

生活保護は50万人(人口の6%)、1/7は年金者、最新の失業率と犯罪率も特に低いわけではない。(統計の取り方の違いによる)
おそらく許容範囲なのだろう。
必要なら変える、それがスウェーデンの国民性と感じた。(未成年が社会を変えた例あり)
とても自由な国のようだが、住んでみないと実際のところは分からない。他国の価値観や肌感覚みたいなものが調べられると面白そうだなと思った。