読書時間:3.5h
一読:あり
再読:あり
R指定:なし
著者:べス・シャピロ/訳:宇丹貴代実
刊行:2016年1月
価格:2200円+税
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マンモス復活を取り巻く環境あれこれ
いつか古代生物を蘇らせることができるようになると思っていた。
それこそ、マンモスはいつ復活するの?と思ってる人に最適な読み物だった。
結論から言えばマンモスは復活しない。(本書では”脱絶滅”という)
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それは記号のような気がしていた。
考えれば有機物と分かるのに、思考が停止していた。
DNAは時が経てば朽ちる。
マンモスのDNAはどのくらい残っているのかというと、良くて400塩基対(800ヌクレオチド)、平均は7ヌクレオチドという。
全体で40億塩基対あると聞いて、マンモスが復活できると思えるだろうか。
DNAが復元できたとして、核移植はどうだろう。
ネズミの卵子に人の核を移植しても、人にはなりそうもないのは想像がつく。
チンパンジーの卵子なら生まれそうな気もするが、羊のドリーで1/277の確率だ。
羊の卵子に羊の核を移植して1/277の確率なら、アジア象の卵子にマンモスの核を移植して胚が成長する確率はどれくらいだろうか。
ちなみにアジア象は絶滅危惧種で、妊娠期間は2年もある。
マンモス復活じゃなく、マンモスらしきものを復活させてみよう。
組み換えなら、毛が長く牙が長い象くらいは生まれそうだが、マンモス復活に取り組む人々は名声を得たいだけなので、この程度では満足しないだろう。
組み換えの場合はちょっとずつ変えるしかないので、今頃、マンモスらしきものが生まれてるかもしれない。
ちなみに象が成熟するのに10年かかる。
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章立て(11章だけ詳細付き)
1絶滅を反転させる
2種を選択する
3保存状態の良い標本を見つける
4クローンを作成する
5交配で戻す
6ゲノムを復元する
7ゲノムの一部を復元する
8さあ、クローンを作成しよう
9数を増やす
10野生環境に放つ
11踏み出すべきか
危険な病原体も復活するのでは?
動物にひどい仕打ちをすることになるのでは?
いま生存している種の保全を優先すべきでは?
絶滅を脱した種には行き場所がないのでは?
絶滅を脱した種を野生環境に放すと現行の生態系を破壊するのでは?
脱絶滅が可能になったら、かえって絶滅が加速するだけでは?
”神を演じている”のか
脱絶滅がもたらす生物はもとの種と同じではない
実証主義の烙印
マンモスを復活させる理由なんて何でもええやん。
種として復活させなくても、ええやん。
本書を読んでいると、そう思ってしまう。それも11章までだ。
人間は生物多様性を奪ってきた。
マンモス復活を研究しているのは、失われた多様性を取り戻すためだった。それは、
種の保全の表と裏だった。
マンモス復活を頑張っている人々には日本人も含まれているが、名声が欲しいだけなら是非止めてほしい。
