
読書時間:2.5h
一読:なし
再読:なし
R指定:騙されやすい人
著者:若杉冽(ペンネーム)







フクシマ後を舞台に、原発再稼動に至る顛末を原発テロが発生したところで締めている。
本書のどこにも書いてないので書いておこう。
「この作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ありません」
いや、村木厚子と鈴木宗男は実名で出ている(引用されている)ので、一部フィクションであり、とするのが正しい。
読了感の悪さは「官の詭弁学」以来だろうか。
現役官僚が暴露したいことを小説にして世に出すのはいいが、電力業界以外にも言いたいことがあるらしく、批判の矛先は、検察、司法、選挙まで及ぶ。
やたら批判的で鼻につく表現は読んでいて気持ちいいものではない。
1つだけ引用しよう。
『公共事業への国家予算の分配がゼネコンの集金集票との見合いであることや、診療報酬の改定が日本医師会の集金集票との見合いであることと同様に、このモンスターシステムは日本の政治に必須の動脈となったのである。』
(モンスターシステムとは電力会社が相場の2割り増しで事業を発注する替わりに献金すること)
国家予算の分配は関係ないし、医療の話は一言も出てこない小説に必要な表現だろうか?
診療報酬にひとことあるなら別の小説にすればいいし、「必須の」を強調したいなら他にいくらでも表現はあるはずだ。
へぇ~と読み流せばいいのだろうが、こういう表現がいちいち気に障るので、読むほどに早く読み終えたくてしょうがなかった。(プロットがチープなためでもある
)
なかなかテロが起きないので、いつまで続くのかと思いつつ読んでいたら、最後章であっけなく落ちた。小説とはいえ、こんなに簡単に落ちるとは盲点だった。
熱しやすく冷めやすい国民へ警告するために書かれた小説のメッセージは確かに受け取った。
テロが起きない日本では大丈夫だろうが、起きる日本になったら危ういかもしれない。
ロンドンでさえテロが起きるのに、東京でテロが起きない理由を考えてみよう。
公安が優秀というのは理由の10%くらい(テキトー)で、他の理由の方が大きいと思う。
ついでにもう一つだけ。
利権とは金である。
小説でも金をめぐりドタバタするわけだが、それで得る金はどれくらいだろうか?
1人1億もあるわけない。せいぜい100万のオーダーがいいとこだろう。小説に登場するのはそこそこの要職に就いている人たちなので年収700万あるとして、240万増えたら月20万だ。
それでどうする?
家、車、旅行、外食、服、愛人を囲うw、、、それが何だというのだろう。
ちょっとリッチなだけで何も変わってない。
金が欲しくてしょうがない人に聞いてみたい。
「面白おかしく生きたいから金が欲しいんですか?」