読書時間:6h
一読:あり
再読:なし
R指定:なし
著者:ナシーム・ニコラス・タレブ












政治経済の棚に「ブラック・スワン」という文字が眼に留まった。
なんで映画の原作がここにあるのかと思ったら、まれにしか起こらないことを指す言葉だとか
経済界では大暴落が起きたときに黒い白鳥が出たというようだが、予測はできないという。
予測できないんだから、理論はムダだというのが著者の主張である。
主張は正しいっぽいが、くり返しボロカスに貶す文体は後味が悪い
数字を並べて正しいと展開する主張ではない。本人がエッセイと書いているように感覚に近く、ヤバい経済学と同じタイプのスタンド本になっている(ヤバい経済学は数字を並べているので念のため)
そう、政治経済の話ではなく、人間行動学の話なのだ。
人は、起きる可能性は高いが影響が小さい損失に対して保険をかけ、可能性が低いが影響は大きい損失は無視する。
蓄積した利益が一発で吹っ飛ぶような金融危機があっても、たまにしか起こらないということで無視してしまう。
確かにそのとおりだと思うが、それなら金融取引はどうすればいいのか?たまにしか起こらない危機を警戒して取引しないのでは意味がない。
著者は2007年からの金融危機でも利益を出していたらしいが、どうやっていたのかは少しも書いてない。
本書に書かれていることから考えると、市場に乗ってない市場に投資するあたりだろうか。
株取引を止めた自分には想像がつかない
株を止めたのは「後付け」だからだ。
今よりはきちんと株をやっていたころ、米国労働関連指標が上がったのを受けて値上がりしても、ときに市場は折込済みで反応なしとか、ドル安を嫌気して値下がるときもあれば、かたやドルが下がっても全く関係ないとか。
結果に対して後から理由を付けているとしか思えなかった。
儲けていれば納得したのだろうが、塩漬けが増えるばかりでは納得できるはずもない。
「人は後から理由を創造する」
これがまさに著者の主張のひとつで、金融取引だけに限らない。
「ティティウス・ボーデの法則」、「脳は0.1秒で恋をする」など後付けの例は枚挙に暇がない。
著者は人類が生き残ってきたのは偶然だという。
テキト~な後付けでも生き残ってこれた奇跡に感謝しよう。
確率が高いのはどっち?
・ジョーイは幸せな結婚生活を送っているようだった。彼は奥さんを殺した。
・ジョーイは幸せな結婚生活を送っているようだった。彼は遺産を手に入れようと奥さんを殺した。
