長渕剛さんの1978年のデビューから2005年までに発表された曲の中から、独断と偏見によって私が選んだベストです。♫
長渕さんの曲って、とても泥臭くて、正直で、素朴で、やぼったくて、ともかく、今の歌にはない感じです。
そして、彼の歌の持つ、ストレートな感情をぶつけるような素直さと、滲み出る土着性は、今の日本人の精神から失われつつあるものだと思うのです。
こんな時代だからこそ、長渕剛さんの飾らない歌が、かえって、かけがえのないものに思えるのかもしれません。
①巡恋歌
作詞 作曲 長渕剛
◯1stシングル(1978.10.5)
◯1stアルバム『風は南から(1979.3.5)』収録
◯ライブアルバム『長渕剛LIVE(1981.3.5)』収録
◯13thシングルB面『巡恋歌'85(1985.3.30)』日本武道館ライブ
◯ライブアルバム『長渕剛LIVE'89(1990.2.21)』収録
◯25thシングル『巡恋歌'92(1992.10.28)』セルフカバー・バージョン
◯ベストアルバム『いつかの少年(1994.12.1)』収録
◯ベストアルバム『BEST〜風〜(2002.6.26)』収録
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
長渕剛のデビュー曲。リリースされた1978年当時はまったく売れなかったが、アレンジを変えて再録音された「巡恋歌‘92」でシングル・チャート週間1位と年間45位(1992)を記録した。長渕剛の代表曲のひとつ。
「好きです、好きです、心から愛していますよと、甘い言葉の裏には一人暮らしの寂しさがあった。寂しさゆえに愛が芽生え、お互いを知って愛が終わる。別れは涙で飾るもの。笑えばなおさらみじめになるでしょう。こんなに好きにさせといて、勝手に好きになったはないでしょう。逆恨みするわけじゃないけど、本当にあなたはひどい人だわ。だから、私の愛はいつも巡り巡って振り出しよ。いつまでたっても恋の矢は、あなたの胸にはささらない。」
②俺等の家まで
作詞 作曲 長渕剛
◯2ndシングル(1979.3.5)
◯1stアルバム『風は南から(1979.3.5)』収録
◯ライブアルバム『長渕剛LIVE(1981.3.5)』収録
◯ベストアルバム『いつかの少年(1994.12.1)』収録
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
1979年3月にファースト・アルバム「風は南から」(アルバム・チャート週間16位)と同時にリリースされたセカンド・シングル。この曲も、当時はまったく売れなかった。長渕の楽曲としては、最も陰のない明るい楽しい楽曲。ファンの思い入れも強い。
「春の風が表通りを通り抜けてゆくのに、知らん顔はいじわる。そろそろ電話待ってる。わかってるさ、君の兄貴が賛成してないのはね。君の立場もわかるし、兄貴の言い分もわかる。女好きはおいらの悪いくせ、でもあそびなんかじゃないよ。機嫌直して、こいよ、こいよ。おいらの家まで。」
③君は雨の日に
作詞 作曲 長渕剛
◯1stアルバム『風は南から(1979.3.5)』収録
◯ベストアルバム『SONGS(2008.5.21)』-new vocal-
◯ベストアルバム『BEST〜空〜(2002.6.26)』収録
これもファースト・アルバム収録曲だが、シングル・カットはされていない。だが、初期の長渕剛を代表するバラードの名曲として知られる。サビの部分でファルセットを多用したデビュー当時の長渕剛の声の美しさが際立つ。
「降りしきる雨の中、君は傘もささずに泣き顔で走り去った、駅に続く道。君は僕の胸の中で震える声で言った。幸せになってねと小さな声で言った。最後の汽車が出ていく前に、優しい言葉も、かけてあげられなかった。雨よ降れ降れ、もっと。突き刺すような雨よ。雨よ降れ降れ、もっと。すべてを流してくれ。」
④祈り
作詞 作曲 長渕剛
◯3rdシングル(1979.7.5)
◯2ndアルバム『逆流(1979.11.5)』収録
◯ライブアルバム『長渕剛LIVE(1981.3.5)』収録
◯ベストアルバム『SONGS(2008.5.21)』-new vocal-
サード・シングルにして、初めて週間チャート55位までのぼった曲。急死した女性(同棲していた元恋人)についての実体験に基づいて書かれた曲。作り物でないリアルな心情が胸を打つ名曲。
「おまえが去ってく、その前に何故に電話くれなかったか。優しすぎるお前のことだから、それが思いやりのつもりだったのか。俺たちいつでもひとつなんだと、あれほど話し合ってきたよね。お前のことはすべてわかっているつもりの自分が悔しすぎるよ。二人でいくつもの夜を超えて、新しい朝が目の前だったのに、深く目を閉じて、今、天女のように、お前はひとり、空へ帰る。」
⑤素顔
作詞 作曲 長渕剛
◯2ndアルバム『逆流(1979.11.5)』収録
◯ライブアルバム『長渕剛LIVE'89(1990.2.21)』収録
◯ベストアルバム『いつかの少年(1994.12.1)』収録
◯セルフカバー『ACOUSTIC 俺の太陽(1999.12.22)』アコースティック・バージョン収録
◯ベストアルバム『BEST〜空〜(2002.6.26)』アコースティック・バージョン収録
◯ベストアルバム『LOVE(2008.5.14)』-new vocal-
セカンド・アルバム収録曲で、シングル・カットはされていない。だが、初期の名曲の一つとしてファンの思い入れは強い。
「夜の顔を鏡で映せば、なんて悲しい顔なの。強がりばかりで素直になれない、なんて悲しい顔なの。こんな私のどこが好きなの。なぜにそんなに優しいの。私がかわいそうに見えたから。それとも、懐かしく思えたから。気まぐれだったらやめてちょうだい。本気で好きになりそうだから。あなたの前ではきれいでいたいし、かわいい女でいたいの。厚化粧は嫌いでしょう。でも今の私、昔の私じゃないから。」
⑥順子
作詞 作曲 長渕剛
◯2ndアルバム『逆流(1979.11.5)』収録
◯5thシングル(1980.6.5)
◯ライブアルバム『長渕剛LIVE(1981.3.5)』収録
◯ベストアルバム『いつかの少年(1994.12.1)』収録
◯ベストアルバム『BEST〜空〜(2002.6.26)』収録
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
シングル・チャート8週連続1位、年間5位(1980)を記録した長渕剛の最初の大ヒット曲。この曲のミリオンセラーのおかげで注目を集めたセカンド・アルバム「逆流」も、初のアルバム週間チャート1位を記録した。
「はなれない、はなさない、はなしたくない君。いろんな言葉で君に愛を告げてきたけれども、終わりさ、みんな終わりさ。僕の独りよがり。君へ繋いだ心の糸は今プツリと切れた。おお、順子。君の名を呼べば僕はせつないよ。優しさはいつも僕の前でカラカラ空回り。おお、順子。君の名を呼べば僕は悲しいよ。だから、心のドアをノックしないで。」
⑦暗闇の中の言葉
作詞 作曲 長渕剛
◯3rdアルバム『乾杯(1980.9.5)』収録
◯ライブアルバム『長渕剛LIVE(1981.3.5)』収録
3週にわたって週間1位となったサード・アルバム「乾杯」収録曲。ほとんど無名の曲だが、気持ちのこもった佳曲であり、歌詞の意味が深く、長渕剛にしかつくれない曲と言える。
「近頃とってもくやしいことがあった。それは自分に肩書きがないこと。今まで欲しいなんて一度も思わなかったけど、あの時ばかりは震える手をおさえた。すがる想いで、あいつのドアをたたいた。すがる想いで、あいつのドアをたたいた。だけども、あいつは、頭から蔑んだ目で、人を馬鹿呼ばわりした。何が自由だ。不自由ばかりだ。欲深さゆえのがんじがらめの通せんぼ。勝ち誇る奴ばかりが、いつも自由な世の中。俺はいつまで、この雨に打たれていればいいのか。」
⑧乾杯
作詞 作曲 長渕剛
◯3rdアルバム『乾杯(1980.9.5)』収録
◯ライブアルバム『長渕剛LIVE(1981.3.5)』収録
◯18thシングル(1988.2.5)NEW RECORDING VERSION
◯セルフカバー『NEVER CHANGE(1988.3.5)』収録
◯ライブアルバム『長渕剛LIVE'89(1990.2.21)』収録
◯ベストアルバム『いつかの少年(1994.12.1)』Liveバージョン収録
◯セルフカバー『ACOUSTIC 俺の太陽(1999.12.22)』アコースティック・バージョン収録
◯ベストアルバム『BEST〜風〜(2002.6.26)』収録
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
地元の友人の結婚に際して、祝福のために書かれた曲。長渕剛の代表的なバラード曲。
サード・アルバムのタイトル曲だが、当時はシングル・カットされなかった。その後、1988年にセルフカバーアルバムを制作する際に、新アレンジで再レコーディングされ、アルバム先行シングルとしてリリースされた。「順子」に次いで、二曲目の週間1位獲得曲となった。
「固い絆に想いを寄せて、語り尽くせぬ青春の日々。時には傷つき、時には喜び、肩をたたきあったあの日。あれからどれくらいたったのだろう。沈む夕陽をいくつかぞえたろう。故郷の友は今でも君の心の中にいますか。乾杯、今、君は人生の大きな大きな舞台に立ち、はるか長い道のりを歩き始めた君に幸せあれ。」
⑨夏祭り
作詞 作曲 長渕剛
◯ライブアルバム『長渕剛LIVE(1981.3.5)』収録
◯ベストアルバム『いつかの少年(1994.12.1)』Liveバージョン収録
Liveバージョンのみで知られている曲。しっとりと美しいフォーク調の佳曲。シングル化されていない、隠れた名曲。
「夏もそろそろ終わりねと君が言う。浴衣姿で線香花火。きれいだよ、きれいだよ、きれいだよ、とても。さあ、そろそろ帰ろうかと僕が言う。まだまだ私、こうしていたいわ。チリリン、チリリン、窓辺の風鈴、いいよ。いつまで、こうして、君と寄り添い、肩を並べて、来年の夏も線香花火、できるといいのにね。燃えて散るのが恋ならば、そのまま消えずに輝いてくれ。」
⑩二人歩記
作詞 作曲 長渕剛
◯ライブアルバム『長渕剛LIVE(1981.3.5)』収録
◯4thアルバム『Bye Bye(1981.10.1)』収録
◯8thシングル(1981.10.21)
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
最初の結婚相手である石野真子さんに捧げられたラブソング。週間2位を記録した4thアルバムからシングル・カットされたが、週間55位にとどまった。
「住み慣れた部屋を今日限り引き払い、また、次の場所へ行こうと思うんだ。最後の荷物を車に積み込んだら、いろんな思い出がふと通り過ぎた。一人暮らしの僕に、君はどんな時でも、花一輪も優しさを持ってきてくれた。だけど朝になれば、夢が覚めるように、みじかいひと時が淋しすぎた。昨日までの災いごとに別れを告げ、ドアを閉めて階段を降りる。ああ、今度こそ幸せになれますように、そんな願いで車を走らせた。時の狭間の思い出は置いて行こう。」
⑪マリア
作詞 作曲 長渕剛
◯5thアルバム『時代は僕らに雨を降らしてる(1982.9.1)』収録
◯ベストアルバム『いつかの少年(1994.12.1)』収録
週間3位を記録した5thアルバムのラストを締める佳曲。シングル化されていないが、その静謐な曲調にファンの思い入れは強い。
「オー、マリア。深い眠りから覚めた。オー、マリア。幾千もの悲しみを越えて。地上に降り立ち、僕らを見た。胸に十字架、見つめられない僕らの時代に目を伏せた。愛しすぎた。傷つけすぎた。数え切れない歴史の中で。」
⑫僕のギターにはいつもHeavy Gauge
作詞 作曲 長渕剛
◯6thアルバム『HEAVY GAUGE(1983.6.21)』収録
◯セルフカバー『NEVER CHANGE(1988.3.5)』収録
◯ベストアルバム『いつかの少年(1994.12.1)』収録
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
週間6位を記録した6thアルバムのラストを締める佳曲。長渕剛の正直な語り口が、そのまま曲になったような味わいの深い曲。
「俺は今、東北ツアーを終え、東京行きの列車の中、走り出す駅の壊れたベンチ、猫を抱きしめる老人を見た。他人事のようにタバコをふかす。他人事のように週刊誌をめくる。そんな俺、ふと自分の人生の隙間を手で覆いたくなる。動き始めた窓の外には天気雨。で、俺のギターには、いつもヘビーゲイジ。」
⑬HOLD YOUR LAST CHANCE
作詞 作曲 長渕剛
◯7thアルバム『HOLD YOUR LAST CHANCE(1984.8.18)』収録
◯ベストアルバム『いつかの少年(1994.12.1)』収録
◯セルフカバー『ACOUSTIC 俺の太陽(1999.12.22)』アコースティック・バージョン収録
◯ベストアルバム『BEST〜空〜(2002.6.26)』2001バージョン収録
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
週間7位を記録した7thアルバムのタイトル曲で、アルバムのラストを締める佳曲。シングル化されていないが、ストレートな人生の応援歌として惹きつけられる人は多い。
「傷つき打ちのめされても、這い上がる力が欲しい。人は皆、弱虫を背負って生きている。苦い涙をかじっても、微笑む優しさが欲しい。君が愛にしがみつくより、まずは君が強くなれ。小手先で剥がれ落ちる美しさより、一粒の汗の方がいい。」
⑭TIME GOES AROUND
作詞 作曲 長渕剛
◯7thアルバム『HOLD YOUR LAST CHANCE(1984.8.18)』収録
◯ベストアルバム『いつかの少年(1994.12.1)』収録
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
これも7thアルバム収録曲で、シングル化されていない。桑田佳祐が絶賛した曲と言われているが、私も大好きな曲。
「ホテルのベッドに横たわり、信じられないほど抱きしめた。俺が息を吹きかけると、お前は美しく、止まることなく回り始めた。窓の向こうは輝く銀の港。外国船が向きを変える、その前に、お前を乗せ、たどり着こう、遠い大陸の果てまで。愛を握りしめ、お前を離さない。」
⑮勇次
作詞 作曲 長渕剛
◯14thシングル(1985.7.22)
◯8thアルバム『HUNGRY(1985.8.22)』収録
◯ライブアルバム『長渕剛LIVE'89(1990.2.21)』収録
◯ベストアルバム『いつかの少年(1994.12.1)』Liveバージョン収録
◯セルフカバー『ACOUSTIC 俺の太陽(1999.12.22)』語りバージョン収録
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
アルバム・チャート週間4位を記録した8th アルバムの先行シングルとしてシングル・チャート週間29位を記録した。Liveでは常に演奏される、ファンにとっても長渕剛本人にとっても思い入れの強い曲。
「嫌になっちまった。腹が立っちまった。わけもなく家を出たんだ。公衆電話から勇次に声をかけ、待ち合わせた16の夜。ガソリンスタンドの自動販売機で缶ビールを開け、二人空を眺めた。工場跡の空き地へ続く道で、タバコもみ消し、すべてに唾を吐いた。勇次、あの時の空を忘れちゃいないかい。勇次、あの時のエネルギッシュなお前が欲しい。帰りたい、帰れない、青春と呼ばれた日々に。戻りたい、戻れない、狭間で叫ぶ俺がここにいる。」
⑯ろくなもんじゃねえ
作詞 作曲 長渕剛
◯16thシングル(1987.5.25)
◯10thアルバム『LICENSE(1987.8.5)』収録
◯ライブアルバム『長渕剛LIVE'89(1990.2.21)』収録
◯ベストアルバム『BEST〜空〜(2002.6.26)』収録
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
週間3位を記録し、久々のシングル・ヒットとなった曲。長渕主演のテレビドラマ「親子ジグザグ」主題歌。
「人恋しくて、誰かにしがみつき、弱虫ばかりで、飛び出した18の俺。愛はいつも大嘘つきに見えて、知らないうちに独りが好きになってた。見えない何かに背中を押され、夢中で転がり、やっとつかんだものに、心を引き裂かれちまった。心をなじられちまった。くやしくって、悲しくって、こらえた夜。大嫌いだぜ、大嫌いだぜ、ろくなもんじゃねえ。」
⑰泣いてチンピラ
作詞 作曲 長渕剛
◯10thアルバム『LICENSE(1987.8.5)』収録
◯17thシングル(1987.9.16)
◯ライブアルバム『長渕剛LIVE'89(1990.2.21)』収録
◯ベストアルバム『いつかの少年(1994.12.1)』収録
◯ベストアルバム『BEST〜風〜(2002.6.26)』収録
「逆流」「乾杯」以来、3枚目の週間1位(2週)を獲得した10thアルバムからのシングル・カット。週間9位を記録。歌詞もサウンドも強烈で、フォーク・ロックの新境地を代表する名曲。
「ずらかっちまった方がマシだと考えた朝。紙コップの味噌汁をかじれば天井が笑う。裸電球ぶら下がった部屋で、忍び泣いてる女は、なお悲しくて。爪を噛んで強くお前を抱きしめた。吹いてきたぜ、臆病風が吹いてきた。六尺足らずの五尺の痩せこけた身体で、刺せば監獄、刺されば地獄の腐った街で、どうせ叶わぬはかない夢なら、散って狂って捨て身で生きてやれよと、背中丸め、声を殺し、思いきり、泣いて、泣いて、泣いて、チンピラになりてえ。」
⑱とんぼ
作詞 作曲 長渕剛
◯20thシングル(1988.10.26)
◯11thアルバム『昭和(1989.3.25)』収録
◯ライブアルバム『長渕剛LIVE'89(1990.2.21)』収録
◯ベストアルバム『いつかの少年(1994.12.1)』収録
◯セルフカバー『ACOUSTIC 俺の太陽(1999.12.22)』アコースティック・バージョン収録
◯ベストアルバム『BEST〜空〜(2002.6.26)』収録
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
長渕主演のテレビドラマ「とんぼ」の主題歌。「順子」「乾杯」に続いて、3曲目の週間1位(通算7週)を記録し、「順子」に次いで、2作目のミリオンセラーを記録した大ヒット曲。年間チャートでは、長渕の曲では、これまでで最高の3位を記録した。「乾杯」と並ぶ長渕の長渕の全盛期を代表する名曲。この曲を収録した11thアルバムも、4枚目の週間1位(3週)を記録した。この頃、長渕は人気の絶頂にあった。
「コツコツとアスファルトに刻む足音を踏みしめるたびに、俺は俺であり続けたい、そう願った。裏腹な心たちが見えて、やりきれない夜を数え、逃れられない闇の中で、今日も眠ったふりをする。死にたいくらいに憧れた花の都大東京、薄っぺらのボストン・バッグ、北へ北へ向かった。ざらついた苦い砂を噛むと、ねじ伏せられた正直さが、今頃になって、やけに骨身に沁みる。ああ、幸せのとんぼよ、どこへ、お前はどこへ飛んでゆく。ああ、幸せのとんぼが、ほら、舌を出して笑ってらあ。」
⑲しょっぱい三日月の夜
作詞 作曲 長渕剛
◯22ndシングル(1989.12.8)
◯12thアルバム『JEEP(1990.8.25)』収録
◯ベストアルバム『いつかの少年(1994.12.1)』収録
週間1位、年間22位(1990)を記録したヒット曲。全盛期の長渕らしい味わいの深いバラードの佳曲。
「逃れようとする、この俺と、突っ走る俺が、憎み合いながら、腹の底でひっくり返ってる。干からびた手と手を繋ぎ合い、よくもここまできたものだ。うおう、うおうと、負け犬が吠えてる。そろりそろりと月が昇るたびに、ああ、当たり前の男に会いたくて、しかめっつらした、しょっぱい三日月の夜。」
⑳JEEP
作詞 作曲 長渕剛
◯23rdシングル(1990.7.25)
◯12thアルバム『JEEP(1990.8.25)』収録
◯ベストアルバム『BEST〜風〜(2002.6.26)』収録
◯ベストアルバム『YAMATO(2005.10.19)』収録
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
週間1位を記録した同名の12thアルバムの先行シングル。週間2位を記録。長渕の曲の中でも、私が特に気に入っている曲のひとつ。
「海はやっぱり光ってた。砂浜を野良犬が走ってた。ずっと遠くで船がゆっくりと動いてた。ウエットスーツの若者が朽ち果てた流木とたわむれ、俺はむしょうにコーヒーが飲みたくなった。俺はジープをとめた。シーズンオフのドライブイン。コーヒーを飲みながら、やめてたタバコに火をつけた。窓ガラス越しに打ち寄せる波を見てると、もう一度、自分を信じてみたくなった。すべてを許してみよう。あいつを愛してやろう。陽は高く昇った。幌を外したジープを走らせた。」
㉑しゃぼん玉
作詞 作曲 長渕剛
◯24thシングル(1991.10.25)
◯13thアルバム『JAPAN(1991.12.14)』収録
◯ベストアルバム『いつかの少年(1994.12.1)』収録
◯ベストアルバム『BEST〜風〜(2002.6.26)』収録
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
長渕主演のテレビドラマの主題歌。週間1位、年間8位(1991)を記録した大ヒット曲。「順子」「とんぼ」に続く3枚目のミリオンセラーを記録した人気曲。週間1位(2週)を記録した13thアルバム収録曲。
「ヒリヒリと傷口に沁みて眠れなかったよ。泣きっ面にしょんべん、ひっかけられた夜。薄情な男だと夜を1枚ひんめくりゃ、ぐずぐずしてちゃいけねえと照れずに思えた。つまらぬこだわりは身を縮めるだけだった。ほんの一瞬でも、お前を愛せてよかった。枯れ果ててしまっても、温もりだけは残ったよ。妙に悲しくて、潔くて、本当に気持ちよかったよ。リンリンと泣きながら弾けて跳んだけど、もっと俺は俺でありますように。いったい俺たちはノッペリとした都会の空に、いくつのシャボン玉を打ち上げるのだろう。」
㉒親知らず
作詞 作曲 長渕剛
◯13thアルバム『JAPAN(1991.12.14)』収録
◯ベストアルバム『BEST〜空〜(2002.6.26)』収録
◯ベストアルバム『YAMATO(2005.10.19)』収録
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
シングル「しゃぼん玉」のカップリング曲だが、非常に聞き応えのある人気曲。長渕の曲の中でも、最も政治的メッセージが強い曲のひとつ。
「俺の祖国日本よ、どうかアメリカに溶けないでくれ。誰もが我が子を愛するように。俺の祖国日本よ、近頃ふざけすぎちゃいねえか。もっと、もっと、自分を愛し貫いてゆけ。銭はよお、銭はよお、そりゃ欲しいけどよお。なんぼ積んでも、なんぼ積んでも、譲れねえものがある。ゴルバチョフもフセインもブッシュも海部さんも、お暇なら明日、俺の家へ遊びにきてくれねえか。何にもおもてなしはできないが、聴いてほしい歌が、三つばかりあるんだ。」
㉓RUN
作詞 作曲 長渕剛
◯26thシングル(1993.9.22)
◯14thアルバム『Captain of Ship(1993.11.1)』収録
◯ベストアルバム『いつかの少年(1994.12.1)』収録
◯セルフカバー『ACOUSTIC 俺の太陽(1999.12.22)』アコースティック・バージョン収録
◯ベストアルバム『BEST〜風〜(2002.6.26)』収録
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
週間1位を記録した14thアルバムの先行シングル。週間1位、年間26位(1993)を記録したヒット曲。
「賽銭箱に百円玉投げたら、釣り銭出てくる人生がいいと、両手を合わせ、願えば願うほど、バチにけっつまづき、膝を擦りむいた。なるべくなら、なるべくなら、嘘はない方がいい。嘘が言わない、そう心に決めて、嘘をつき続けて、俺生きている。恨む心も、願う心も、お前の前にいると、真実、おお真実、真実だけが頭を垂れる。こんな臆病者だからこそ、本当のことが欲しい。ああ、夢、夢、夢で、今日も日が暮れる。」
㉔ひまわり
作詞 作曲 長渕剛
◯30thシングル(1997.7.2)
◯16thアルバム『ふざけんじゃねえ(1997.9.3)』収録
◯セルフカバー『ACOUSTIC 俺の太陽(1999.12.22)』アコースティック・バージョン収録
◯ベストアルバム『BEST〜風〜(2002.6.26)』収録
◯ベストアルバム『YAMATO(2005.10.19)』収録
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
長渕主演のテレビドラマ「ボディガード」主題歌。週間1位を記録した16thアルバムの先行シングルとしてリリースされ、週間5位、年間33位(1997)を記録した。
「北へ、南へ、東へ、西へ。人は流れ流れて河川を下る。北へ、南へ、東へ、西へ。辿り着くまでには太陽が笑う。もしも私が風ならば、真夏の空へひまわりを咲かせたい。そんな風になり、種を運ぼうよ。ひとりぼっちの小さな土の上、見上げる空から幸せが降る。幸せはやがて水になってくれるだろう。北へ、南へ、東へ、西へ。」
㉕しあわせになろうよ
作詞 作曲 長渕剛
◯36thシングル(2003.5.1)
◯19thアルバム『Keep On Fighting(2003.5.14)』収録
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
週間1位を記録した19thアルバムの先行シングル。週間2位、年間48位(2003)を記録。
「出会った頃の二人に、もう一度、戻ってみよう。そして二人で手を繋ぎ、幸せになろうよ。海の広さに負けないように、輝かしい太陽を睨んでみた。ずぶ濡れの僕は魚になり、あの島まで泳いでいった。初めて出会った場所に、もう一度、戻ってみよう。そして、青い空に抱かれ、幸せになろうよ。」
㉖CLOSS YOUR EYES
◯38thシングル(2005.8.24)
◯ベストアルバム『YAMATO(2005.10.19)』収録
◯ベストアルバム『SONGS(2008.5.21)』収録
◯ベストアルバム『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』収録
映画「男たちの大和」主題歌。週間4位を記録。
「それでも、この国をたまらなく愛しているから、もう一度、生まれ変わったら、私の名を呼んでください。寒さに震える夜も、流れる涙つむぐ夜も、もう一度、生まれ変わったら、あなたを決して離しはしない。私の胸の中へ帰っておいで。気高いあなたの勇気を抱きしめたい。密やかな海に咲いた白い花たちが、今、私の身体に折り重なる。瞳を閉じれば、あなたが私に微笑みかけるよ。瞳を閉じれば、希望へ駆け昇る。あなたが永遠に生きている。」