安倍晋三元首相は、奈良県で参議院の応援演説中に、後ろから拳銃で2発打たれ、心肺停止の状態です。狙撃した41歳の男は、現行犯逮捕されました。
安倍さんは、2発目の発砲後に倒れたという証言があり、1発目のおよそ2秒後、犯人に2発目を撃たせてしまったことが問題であることは明らかです。1発目が外れた直後、安倍さんを無防備なまま、2秒間放置してしまったガードの問題も感じます。その場には、SP1名と複数の警官がいたということですが。
犯人は、元海上自衛官とは言っても、21〜24歳まで、3年間、任期付きで働いていただけで、17年前に退職しています。本人の思想的背景とは、あまり関係がないでしょう。銃は、鉄パイプで自作した手製の銃と見られます。
事件の背景は、まだよくわかっていません。けれども、安倍さんの正しい考え方が、国民の大多数の間に浸透しつつあることを恐れている、少数の思想的に極端に偏った勢力に影響を受けての犯行ではないか、と思われます。
実際、安倍さんが銃弾で倒れたことを喜ぶ人々もいます。そして、「安倍は戦争をしたがっている!」「安倍は人殺しだ!」「安倍はヒットラーだ!」「安倍を殺すことは正義だ!」と信じる狂った勢力が、この国には確かに、一定数、存在するのです。しかも、メディアは、これまで、そうした間違った思想・風潮の蔓延を、放置してきました。
今回の犯行が、我が国のそのような状況において、知らず知らずのうちに、偏向思想にどっぷり浸かった狂信者か虚無的なテロリストが犯した凶行であることは、おそらく間違いないのではないか、と私は考えます。
ところが、肝心のメディアに、その反省の色がまったく見られない。それどころか、左派リベラルの連中などは、この状況を喜んでいる。こうなって当然と思っている。
このような、有力な保守政治家に対するテロリズム(暗殺事件)は、この国では、長い間、なかったことです。この国での首相経験者の暗殺は、類い稀な経済センスの持ち主であった高橋是清が殺された「2・26」事件(1936年)以来、86年ぶりです。
「ついに、この日本でも、このような忌わしい凶行が行われてしまった」という無力感と怒りと悲しみを感じます。
参議院選挙直前に起こされた、この凶行は、民主主義に対する挑戦でもあります。
今日の菅義偉元首相の沖縄訪問にも、何らかの影響があるようです。また、少なくとも、自民党、日本維新の会では、今日一日、日本全国、マイクを持っての演説は取りやめとなりました。
これもテロの影響です。
しかし…。
民主主義がテロに屈することがあってはならない!
私たち国民は、真実から目を逸らしてはなりません。
テロを許すな!
なんとか、助かって欲しい。
世耕さんも言っていますが、この国はまだ安倍さんを必要としている。
なんとか、なんとか、助かって欲しい。
たった今安倍さんの死亡が病院で確認されたと、メディアの報道がありました。
享年67歳。あと10年は、この国のために活躍できたでしょう。
本当に残念です。無念です。まだまだ、これから、という時に…。(7月8日17:53)
日本の歴代総理大臣としては稀有の資質である、バランスのとれた柔軟な外交感覚と確固としてブレない良識ある外交戦略を持ち、何よりもこの国の国家像として、明確なビジョンを持ち得た、偉大なリーダーが、この世をさりました。
この国は、大事な立派な大きな柱を、突然の理不尽な凶行によって失いました。
この訃報に際して、世界中から、心のこもった弔電やメッセージが届き、ツイッターにコメントが挙げられているようです。
●トランプ前アメリカ大統領
「世界にとって最悪の知らせだ。安倍氏がいかに偉大なリーダーだったかは、歴史が教えてくれるだろう。彼のような人物はもう二度と現れないだろう。平和と自由、かけがえのない日米の絆の擁護者だった。彼の暗殺は悲痛な残虐行為であり、全世界にとって計り知れない損失だ。この惑星から偉大な人物を奪った犯罪者が迅速に、かつ大きな代償を支払うことを望む。」
●エリザベス女王
「突然の痛ましい訃報に、私と家族は深く悲しんでいる。彼の日本への愛情と、英国とさらに緊密な絆を築きたいと願う気持ちは明白だった。この困難な時期に当たり、ご遺族と日本の方々に最も深い同情とお悔やみをお伝えしたい。」
●プーチン大統領
「安倍晋三氏の死に際し、深いお悔やみを申し上げます。犯罪者の手は長きにわたり日本政府を率い、両国間の関係発展に多くを成し遂げた、優れた政治家の命を絶ちました。」「安倍氏は卓越した政治家で、露日関係の発展に多くの軌跡を残した。シンゾウとは定期的に連絡を取り合い、彼の輝かしくプロフェッショナルな資質は常に発揮されていた。この素晴らしい人物の記憶は彼を知る人全ての心に永遠に残るだろう。」
●ジョンソン英首相
「信じられないほど悲しい知らせだ。不透明な時代に発揮された彼の指導力は、多くの人に記憶されるだろう。私の思いは彼の家族、友人、そして日本国民と共にある。イギリスはこの暗く悲しい時にあなた方に寄り添っている。」
●モディ印首相
「親愛なる友人が悲惨な死を遂げ、言葉にできないほどショックを受け、悲しい。今日はインド全体が日本とともに彼の死を悼んでいる。世界の偉大な政治家で、傑出したリーダーであり、世界と日本をよりよい場所にするために人生をささげた。(5月に日米豪印の「Quad」首脳会談で来日した際も、安倍氏と東京都内で会談しており、)彼はいつものように機知に富み、洞察力があった。あれが彼と会う最後の機会になるとは思いもしなかった。」
●蔡英文台湾総統
「安倍晋三元首相のご逝去の報に接し、言葉にならないほどのショックを受けています。台湾国民も深い悲しみの中にいます。安倍先生とはまた台湾でお目にかかれると信じていました。しかし、許し難い暴挙によって尊い命が奪われてしまいました。安倍先生は生前、台湾に実に多くのご支援とご配慮をくださいました。私たちはこのことを決して忘れません。先生は天国でもきっと、インド太平洋地域の民主主義を見守ってくださると信じています。心からのご冥福をお祈りします。」
●アーダーン首相(ニュージーランド)
「日本の安倍晋三元総理が集会で銃撃された後に死亡したというニュースを見て、本当にショックを受けています。彼は常に集中していて思慮深く、また、寛大でした。最初の二国間会談の後、公式写真の撮影を待っていた際、安倍元総理が、私の猫が死んだことを『残念に思う』と言ってくれたことを覚えています。日本の総理大臣を最も長く務めた安倍元総理、その喪失感を多くの人々が深く感じることでしょう。」
●N・P・パトルシェフ(ロシア安全保障会議書記)
「われわれは、安倍晋三元日本首相の早すぎる死去に関連して、深いお悔やみの言葉を述べる。安倍氏は常に、輝かしく、また権威ある日本の政治家の一人であり、自国や国外において当然の敬意を受けてきた。われわれは彼を、ロシアとの関係の発展のために多くのことを行い、両国民間の相互理解の顕著な改善の実現を心から願い、課された目標の達成のために労力、時間や自身の健康を惜しまなかった、優れた政治家として記憶にとどめるだろう。われわれは、安倍氏の近親者や全ての日本国民とともに、この喪失の悲しみを共有している。」
メディアも、飽きもせず、銃撃のシーンを繰り返し垂れ流すより、この国民及び世界の喪失感に向き合って欲しいです。
安倍さんは、2009年のプライムニュースで、反町さんに「反町さんが銃で武装した外国だとして、私が日本だとすると、私は、反町さんの撃つ弾を撃ち落とすことしかできず、撃ち返すことができない」と、日本の自衛隊の現状では、国を守ることができないことを説明していました。
まさに、そうした日本の危機管理能力の低さが、今回、安倍さん自身の命を奪うことになりました。
私たちは、その事実を直視しなければなりません。
「私たちは、自らの命を守る意志を持たなければならない。」
それが、安倍さんの遺言でしょう。
それと同時に、私たちは「誰が安倍さんを殺したのか?」について、よくよく考えなければなりません。
犯人は、現代の主要な問題の一つである「壊れた家庭」の子どもでした。父を自殺で喪い、祖父を喪い、兄を小児癌で喪い、母親は宗教に1億円献金して家族を崩壊させ、今もなお献金を続けている。失うものは、もうなかったのかもしれません。
母親が宗教にのめり込んで、自己破産したからと言って、山上徹也が、教団と関係があると信じて安倍さんを付け狙ったのは、やはり、「安倍さんは悪者」というネット上の風潮に、山上の判断が左右されたことは間違いないと思われるからです。
山上の母親が入信していた統一教会では、以前は自民党に票を売るということが横行していました。その親玉が、安倍晋三とでも思ったのでしょうか。いずれにしても、「安倍は悪の温床の親玉」というネット言論の風潮が、孤独な犯人の絶望に病んだ頭に影響を与え、見当違いの間違った行動に駆り立てることになった、という疑惑は否定できないでしょう。
だからこそ、「安倍は悪」「安倍は人殺し」「殺されても仕方がない」という理不尽でロクでもない風潮をつくった連中を許してはならないのです。
妄想で他者を断罪するのは間違いであると気づかせることが大切です。それが、ひいては私たち自身の命を守ることにつながるからです。
左翼のみなさん。
あなたたちの呪詛が、安倍さんを殺したのです。
けれども、その呪詛は、いずれあなたたちに返ってくるでしょう。
「人を呪わば…」と言うではありませんか。
菅義偉前総理は、沖縄への応援演説に行くため、羽田へ向かってクルマに乗っている時に、「撃たれた!」と聞いたそうです。それで、その日の自民党の選挙活動は中止となり、そのまま、急遽、行く先を変更して、奈良行きの新幹線に乗ったのだとか。
プライムニュースで、司会の反町さんに「その時どういう気持ちで奈良へ向かったのですか?」と訊かれ、菅さんは言っていました。「胸を撃たれたと聞いたので、もしもということがある…、同じ空気を吸いたいと思って…、寂しがり屋だから、そばにいてやりたいと…。」
それを聞いて、反町さんが、涙を流していました。