「コロナ対策で国民の命を守ることを第一にする」という意味では、安倍内閣も菅内閣も、ずっとよくやってきた。
日本政府は、コロナ禍の世界の中で、最も国民の命を守ることを第一に考えて政策が行われてきた国の一つである。その結果、日本は、累計死者数や感染致死率が、世界的にも非常に低い国の一つとなっている。他国に比べて、経済や国民の行動の自由を犠牲にしても、命を救うことを優先してきたのだ。それが、日本国民の意思であった。
その意味で、菅内閣は、国民の意思に沿って、科せられた義務を十分に果たしてきたと言える。そのことを私は評価している。
私は、最後まで菅内閣を揺るがぬ確固とした信念で支持し続けた、極めて公平で健全な判断力を有する日本国民の25%(4分の1)の一人だ。
それにしても、自然災害や疫病、例えばコロナ禍などで内閣支持率が大きく下落するのは、東アジア圏特有の実に奇妙な政治現象である。古代中国由来の伝統的な『易姓革命』の信仰に影響され、東アジア圏の民衆の精神に生じている宗教的な呪縛に、現代の国民意識もまた、根深く囚われ、精神を支配されているせいで起こる、一種の呪術的現象なのかもしれない。
古くは浅間山の大噴火に見舞われた時の田沼意次への庶民のいわれなき呪詛がそうであったように、『天災や疫病の原因を為政者の政治に対する天の怒りと解釈する、愚かで理不尽な前近代的感覚』が、この国では今も支配的なのだろうか。
そういう意味では、コロナ禍を人類に対する挑戦と受け止め、国民が一致団結しようとする欧州の感覚の方が、私はしっくりくる。実際、日本の10〜20倍のコロナ犠牲者を出している欧米諸国で、日本のように、コロナ対策を理由に内閣支持率が下がる国は一つもない。
今回、自民党は、「菅内閣の政治が悪いからコロナが蔓延する」という、あらゆる国際的なデータを無視したメディアと国民の理不尽でヒステリックな呪詛の前に屈服した。
自民党の国会議員が「菅首相では選挙に勝てない」などと言うのは、前近代的で霊的で不合理な精神の呪縛に、自ら敗れたことを認めているわけで、本当に馬鹿馬鹿しい限りである。
彼らからは、信念を持って政治を創っていく気概も勇気も感じない。情け無いにもほどがある。菅総理を見捨てた政治家たちは、いずれ、自分も同じように、無慈悲に見捨てられることになるだろう。因果応報である。
共産党、立憲民主党など、サヨク連中は、国民の根拠のない人間不信と政治不信を、醜く自己都合に扇動するばかり。加えて、石破さんとか、岸田さんとか、河野さんとか、小泉進次郎とかも、軽すぎて、頼りないし、どう考えても菅首相以上の人材としては評価できない。野田さんや高市さんは、それほど悪くはないけど、現実的には、菅首相を超える人材など、今のところ、どこにもいない。
そして、何よりも一番評価できないのは、この国の国民とメディアの身勝手極まる態度だ。
悪い意味で、スピリチュアルな国民性が、サヨクメディアによって焚き付けられた感がある。毎度のことながら、民主主義国としては致命的である。
ホリエモンが、「菅首相は、歴代首相の中では、非常に優れた首相だった」と述べているが、私もまったく同意見だ。
それを正しく認められなかった国民がバカなだけであり、フラフラして菅内閣を支えきれなかった自民党が情けないだけだ。そして、メディアの不定見が、この国の癌であることを、あらためて痛切に認識させられた。
いずれ、不節操な国民と無責任なメディアの判断力のなさ、知恵の浅さが、この国を滅ぼすかもしれない。
それにしても、これだけコロナ第5波が、みるみる収束すると、「菅首相が辞任したおかげで、天が怒りを鎮めたのだ」とか、超感覚的に考える思い込みの強い連中が、この国の国民にも、けっこういそうでこわい。