現在、アメリカ、フランス、タイ、マレーシアなど、多くの国が、デルタ株の感染拡大に直面して、都市封鎖(ロックダウン)や非常事態宣言やワクチン接種証明書提示義務化など、続けているが、感染拡大が収まる気配はない。
空気感染するデルタ株の感染力の強さを考えれば、マスクや人流抑制によって、感染拡大がおさまるとも思えない。
デルタ株に対しては、陰性パスとか、ワクチン接種証明書とか、まったく無意味である。今日、陰性でも、明日には感染している。ワクチン接種完了後も突破感染するし、その後、感染を広げもする。
どんなにワクチン接種率があがっても、集団免疫は獲得できない。ブレイクスルー感染するのだから、重症化率の低い若者に、家族や周囲の人にうつさないためにワクチン接種を勧めるのも、あまり意味がない。結局のところ、人流抑制でもワクチン接種でも、感染拡大は止められない。ピークアウトしない。また、厳しいロックダウンも、感染拡大を止めることはできない。
現在、ワクチン接種率6割を超えても、接種率4割の日本以上の新規感染者と重症者、死者を出している先進国が多い。集団免疫は成立しない。世界の情勢を見れば、それは明らかだ。我々日本人にとっては、むしろ、新規感染者が、アメリカやイギリスやフランス並みに、つまり、国内の1日の新規感染者数が5万人レベルになっても、破綻しない医療・社会システムを構築することが急務である。
現状、国内平均の3倍以上の感染者を出している沖縄本島の中部地域では、保健所が、完全に機能麻痺に陥っている。自宅療養者が、1週間、何の公的な連絡もなく、直接、何度、問い合わせても、保健所からは「こちらから連絡するまで待っていてください」としか言われない。かと言って、何日経っても、保健所から連絡がくる気配がない。
この完全放置の状態で、医療処置を全く受けることなく、薬も届かず、診察すら受けず、ひとりぼっちで1日を過ごす。熱が上がったり、下がったり、喉の痛みが起こったり、咳き込んだり、頭痛や吐き気がしたり、倦怠感やだるさに耐えながら、1日二食の食事を作る。食材や水や果物やデザートは、毎日一回、友達が持ってきてくれる。「沖縄コロナ対策本部」には、「食べ物と飲み物が欲しいのですが」と尋ねると、「運んでくれるお弁当屋さんを紹介しますね」と言われて、待っていたのだが、その後、連絡がない。
相変わらず、保健所からの連絡はない。「沖縄コロナ対策本部」からは、一日一度、「大丈夫ですか」と連絡がくる。「まあ何とか」と答える。
「緊急事態には連絡するように」「救急車で病院へ搬送します」と「沖縄県コロナ対策本部」からは、言われているが、救急車で運ばれることを考えると、あまりに大袈裟すぎて、今が、その時とはとても思えない。かと言って、お医者さんには見てもらいたいし、薬も欲しいが、その手段がない。病院まで薬を取りに行くというのも、外へ出ることがはばかられる。
毎日味覚障害が起こったり、改善したりしながら、ようやく試練の10日間の療養期間が終わる。しかし、コロナが完全に治ったようにも思えない。
完治するまでは、自宅待機期間が続くが、心細さはさらに募る。これでは、自宅療養・待機中に、容態が急変して亡くなる人が出てくるのも当然である。緊急事態が起こった時には、もう遅いのだ。
幸い、PCR検査の翌日、熱発したため、たまりかねて飛び込んだ発熱外来で、「検査の結果が陽性の場合には服用してください」と、イベルメクチン5日分(5錠)を処方してくれたおかげか、発症初日から頭痛・高熱・吐気・倦怠感に襲われたにもかかわらず、10日以上かけて症状は徐々に鎮静化してきている。検査の結果が陽性と出るまで2日かかったが、症状がはっきりしていて、かなり苦しかったので、検査結果が出る前、発症初日からイベルメクチンを服用したのが、功を奏したのかもしれない。
10日間の自宅療養期間中、イベルメクチンの服用以外、何の診療も医療処置も受けていない。
以上は、私の友人(ワクチン身接種の50代の女性)の状況である。
まさに、『放置』というよりほかない。
これは、保健所が悪いのではない。そもそも、現在のコロナ事態は、保健所がコントロールできる範囲を超えている。ところが、現行の「新型インフルエンザ等感染症」は、保健所を通さなければ、患者は病院に勝手に問い合わせて受診したりすることすらできない。指定病院に薬だけもらいに行こうと思っても、交通手段がない。歩いていけば、町中にコロナを撒き散らすことになる。体力もない。これは、さっさとコロナを「5類」感染症にグレードダウンしない厚労省の問題だ。
そのせいで、コロナが人災になっている。
優先的にワクチン接種を受けている以上、あらゆる医師は、自らの医療倫理にかけて、コロナ患者を避けるべきではない。しかし、現状、特定の専門病院しか、コロナを診ることはできない。しかも、県からの要請がなければ、病院は患者を診ることができない。感染拡大に対応できず、患者と病院の間で、保健所が目詰まりを起こしているからだ。これが、医療崩壊とか言うやつだ。ただの人災にしか思えないが。
そもそも、自宅療養者や同居家族は、外へ出れない。自宅療養者は、早急に、医師による訪問看護・在宅医療の充実が必要だ。ところが、沖縄には、コロナの訪問医療を行う医師がいない。
考えてみよう。自宅療養10日間に加えて完治するまでの自宅待機、加えて2週間もの間、患者の家族は、一切、外出できない。自宅が集合住宅、アパート、マンションだった場合、玄関から外に出るのもはばかられる。ちょっとコンビニへ、などあり得ない。
薬もない。医者も来ない。食事もない。何も買いに行けない。かかりつけ病院に電話で相談もできない。つまり、自助の余地がない。公助が滞る中、これまで培ってきた個人的な絆、共助が試される。
身動きの取れない自分のために、労苦を厭わず、進んでリスクを引き受けてくれる他人が、自分の周りに、どのくらいいるだろうか。
沖縄の方言に、「緊急の時、歳とって頼りがなくなった時、それまで自分が嫌って疎んじてきた相手に助けられる」という諺がある。その反面、自分が可愛がってきた相手には、存外、裏切られることが多い。そういう時に、「むやみに人を嫌うものではない」と人は学ばされる。
この状況で、日本社会が平静を保っていられるのは、急激に容態が悪化する自宅療養者が、それほどいないおかげであって、結局は、個々人の自然免疫力、精神力、そして、人間関係の共助の力に頼っているのが実情ではないか。
政府も、コロナを恐れない20・30代にワクチン接種を促すのではなく、40・50代の希望者に、優先的に打ってあげるべきだろう。大切なことは、無用な恐れを取り除くことだ。
ワクチンに感染予防効果が期待できないなら、重症化予防のために、若年層にワクチンを打つのは、あまり意味がない。重症化の恐れがある40・50代の希望者に、優先的に打った方がいい。
そもそも、日本人の20・30代は、コロナ感染死リスクと、ワクチン接種後の血栓症(若い女性に多い)や心筋炎(20代男性に多い)による死亡リスクのどちらが高いか、わからない。
ただし、40・50代であっても、万が一だが、アナフィラキシー(女性に多い)や、すでに発見されている感染増強抗体がワクチン接種によって産出され、突破感染後、急速に重症化するADE(抗体依存性感染増強)のリスクもあるので、あくまでも、接種希望者に限る。ワクチン接種もまた、賭けなのだ。
そして、自宅療養者の放置を生じさせないためには、無理に保健所を介さずに、自由にリモート医療、訪問医療が行われる必要がある。手の行き届かない公助にひたすら依存させるのでなく、国民の自助を可能にする、共助を促すことが大切だと思う。
しかし、残念ながら、沖縄県では、現在のところ、自宅療養者の医師による訪問診療(在宅医療)が行われていない。今後、行われる予定もない。
ただ、いたずらに容態の悪化を待つだけの日々である。
病院は、補助金で潤っているが、それで感染者が救われるわけではない。政府がいくら医療業界にお金を流しても、コロナ患者受け入れは進まない。病床は増えず、コロナ対応へ向けての病院の連帯・組織化は進まず、訪問診療もまったく増えない。医療道徳や使命感のカケラもない病院が肥え太るだけだ。
大切なのは、お金以前に、本気でコロナに対処しようとする意思の問題なのだ。
夢も希望も安心もない。県・医師会がアホーだと、こうまで県民が放置されることになる。
一方で、「自宅療養を終えた人は、パルスオキシメーターを速やかに返却してください」との文字が、テレビで繰り返し流されている。返さない人が多い(6割が返さない)おかげで、足りなくなってしまい、現在、新しく自宅療養に入った人に対しては、パルスオキシメーターの貸し出しは行われていない。だから、在宅療養中、血中酸素濃度を測ることもできない。
県民のルーズさが、今回のデルタ株蔓延に、どのくらい影響しているのか、と考えてしまう。
例えば、濃厚接触者、無症状者、軽症者の自宅療養、自宅待機が、どのくらい厳密に守られているのだろうか。
私としては、人流抑制よりも、そちらの方が気になってしまうのだ。
PCR検査を数日前に受けた人で、熱やだるさや痛みや吐き気を伴う初期症状が出ている場合は、検査の結果が出る前に、的確な処置を期待できる発熱外来の病院に、早急に行くべきだ。そして、すでに高熱や倦怠感や頭痛に苦しんでいる状態であれば、陽性・陰性が、まだ分からないのであっても、早期にイベルメクチンを飲むのは、抗体カクテルが出回っていない現状においては、症状の悪化を防ぐ、唯一最良の対処法である。軽症者に、早期に与えることで、容態の悪化を防ぐことのできる効果を持つ薬が、他にはないのが現状だ。
イベルメクチンは、本来、皮膚病の疥癬に効く飲薬だが、学術的には効果が疑問視されている。製薬メーカーも同様である。ところが、使っている現場の医師は、イベルメクチンは効くと言う。しかも、価格は、抗体カクテルの1/100以下である。使わない手はない。
皮膚と呼吸器は、非常に深い関係がある。例えば、人は、外界との関係において、強いストレスを感じ続けると、皮膚においてアレルギー性の湿疹が現れたり、呼吸器において喘息を発症したりする。その意味で、皮膚の薬であるイベルメクチンが、コロナの重症化・肺炎防止に効くというのも故のないことではないと思える。
イベルメクチンは、すでに試験管内では、有用性が確立されている。日本国内でも、生産基盤がある安価な服用薬である。今後、早期に治験によって効果が証明される可能性は低いとは思うが、もともと、疥癬の服用薬として使用されてきたわけだし、副作用もたかが知れている。服用量さえ守れば、ほぼ安全な薬と言っていい。この緊急の時期、早期の薬事承認が望まれる。
科学至上主義の人たちは、臨床での有効性の確認が確かではないとイベルメクチンを否定するが、現状、他に頼れるものがない以上、使用に悩む時期ではないだろう。私は、コロナ感染によって発熱があった場合には、迷わず早期にイベルメクチンを使用するべきだと思う。
「ホメオパシー的なものを認めるわけにはいかない」というしょうもない連中の妄言に付き合っている場合ではない。「科学的所見などより命が大切」だからだ。
感染拡大を防ぐすべがないコロナ(デルタ株)への対策として、もっとも大切なことは、重症化を防ぐことだ。持てる手段はすべて使うべきだと考える。それでも使いたくない人は、使わなければよいだけの話だ。個人の自由だ。
今現在、イベルメクチンは、非常に品薄で、発熱外来でイベルメクチンを内服薬として出している病院でも、在庫は乏しいのが現状だ。国内生産を支援する政府の後押しが欲しい。
この点では、私は、東京都医師会の尾崎会長の最近の発言(※)に、全面的に賛成する。
※8月13日の尾崎会長の発言。「もちろん飲まれる患者さんにちゃんとインフォームド・コンセント(合意)をした上でだが、イベルメクチンの使用を認めていただいてもいい段階に来ているのではないかなというふうに考えている。」
〈資料1 欧米ワクチン接種先進国と日本との比較〉
8月18日 新規感染者数 1日の死者数 ワクチン接種率 総人口
日本 23,587人 30人 完了40% 1億2630万人
アメリカ 162,724人 1,128人 完了52% 3億2820万人
イギリス 33,646人 111人 完了62% 6665万人
フランス 28,405人 112人 完了54% 6706万人
スペイン 11,956人 114人 完了65% 4694万人
ドイツ 9,008人 22人 完了58% 8302万人
イタリア 7,159人 69人 完了58% 6036万人
イスラエル 5,883人 19人 完了60% 905万人
※日本のコロナ死亡者数は、ワクチン接種率の低さにも関わらず、ワクチン接種率の高い欧米諸国のほとんどより、はるかに少ない。死亡者数の少ないドイツと比べても、人口比での死亡率はまったく変わらない。また、人口比でのワクチン大国イスラエルの死亡者数の多さから、「ファイザーワクチンより、日本人の自然免疫の方が信用がおけるのではないか」と考えてしまう。
また、60歳以上の人への3回目接種(ブースター)について、イスラエルは、「12%の人が、2回目接種時より強い副反応を感じた」とのアンケート結果を発表している。日本では、当然、もっと多くの人が、より強い副反応を感じるだろう。
〈資料2 東南アジア諸国の感染爆発〉
8月18日 新規感染者数 1日の死者数 ワクチン接種率 総人口
インドネシア 15,768人 1,128人 完了11% 2億7060万人
マレーシア 22,242人 225人 完了37% 3195万人
タイ 20,515人 312人 完了8% 6963万人
ベトナム 8,800人 298人 完了1.5% 9646万人
フィリピン 10,820人 161人 完了12% 1億810万人
※死者数の多さが目立つ。しかし、欧米の最盛期に比べて、それほど多いわけではない。ワクチン接種率の低さ、医療レベルの低さ、国の財政面の脆弱さ、衛生環境の劣悪さ、貧富の格差など、東南アジアの不利な環境を考慮すれば、死者数は比較的抑えられている。もちろん、日本と比べると、死者数はかなり多く感じるが。
〈資料3 その他の国々の現状〉
8月19日 新規感染者数 1日の死者数 ワクチン接種率 総人口
ロシア 20,459人 768人 完了23% 1億4440万人
インド 36,401人 530人 完了9% 13億6600万人
ブラジル 36,315人 979人 完了24% 2億1100万人
ペルー 1,371人 57人 完了22% 3251万人
チリ 858人 68人 完了69% 1895万人
韓国 2,051人 6人 完了21% 5171万人
台湾 6人 5人 完了3% 2357万人
※人口比で日本より死者数の少ない国は、東アジア圏に集中している。特に、台湾は、ワクチン接種率の低さを考えると驚異的である。また、ワクチン接種率の低さにも関わらず、インドは、人口比で考えると、よく死者数の増加を防いでいる。コロナ原産地である中国周辺諸国のコロナ免疫の強さを印象付けるデータである。
ラムダ株が猛威を奮ってきたペルーでも、ようやく死者数が減ってきた。インド・ペルーに関しては、イベルメクチン服用のおかげという意見もある。特に、インドは、国民の70%が、すでに抗体を獲得しているというから、ワクチン接種率9%で、それだけの感染者を出しながら、死者数が少なかったのは、インド人の自然免疫の強さとイベルメクチンの効果を印象付けた。
ロシアの場合、早期からワクチン接種を進めてきたが、まったく接種率があがらない。ロシア人の6割以上が、ワクチン接種拒否の意思表示をしていると言われる。いかにもロシア人らしい頑固さである。