8月8日

日本   総人口1億2630万人

     ワクチン接種率 1回目接種46%  2回目接種完了33%

     新規感染者数14,352人 1日の死者数8人  7日間平均12人

     100万人あたり累計死者数121人

     100万人あたり累計感染者数8366人

     ワクチン接種後の死亡者数累計919人(10万本あたり0.9人)

     ワクチン接種後の重篤者累計3330人

イギリス 総人口6665万人

     ワクチン接種率 1回目接種71%  2回目接種完了59%

     新規感染者数27,110人 1日の死者数39人   7日間平均86人

     100万人あたり累計死者数1911人

     100万人あたり累計感染者数89,594人

 

〈分析〉

ワクチン接種率については、イギリスは、日本のおよそ2倍で、すでに集団免疫が成立するレベルである。

しかし、死者は、人口比で日本の10倍か、それ以上出ている。ワクチンによって重症化が防がれているとは言え、それでも日本に比べると、はるかに死者数は多い。

新規感染者数では、イギリスは、人口比で、日本の4倍程度なので、今のところ、重症化率も、イギリスの方が高い。直近の感染致死率は、日本の2.5倍である。また、直近6ヶ月間では、『ワクチン2回接種完了後の感染死者数割合』が、イギリスでは感染死者数全体の6割近い(57%)。

簡単に言えば、当然のことではあるが「ワクチン接種を完了した高齢者は、ワクチン未接種の高齢者より重症化率や感染致死率が低いが、ワクチン未接種の若者に比べると、まだ重症化率や感染致死率が高い」ということだ。同時に、もともと自然免疫の強い10〜30代の若者が、ワクチン2回接種完了後、コロナに突破(ブレイクスルー)感染すると、3回目(ブースター)を接種した場合と同様に、非常に危険で強烈な副反応が起こる可能性があり、それによって、結果として、ワクチン未接種の若者がコロナに感染した場合よりも感染致死率が高くなっているということでもある。この現象は、ADE(抗体依存性免疫増強)の影響ではないかと疑われている。

アメリカでも、「ワクチン2回接種完了後の突破感染者の場合、感染率は低いが、感染致死率は1%以上」というデータがある。カリフォルニア州ロサンゼルス郡では、「6月の新規感染者の2割が、既にワクチン2回接種完了していた」と発表した。

日本でも、ワクチン2回接種完了後、8月6日に陽性となって入院した都内の60代の男性が、急激に容態が悪化し、10日に死亡した。癌の基礎疾患を持っていたが、死因は新型コロナ感染症だった。その他にも、国内で確認された突破感染による死亡例はある。これからも増えるだろう。

加えて、日本とイギリスのデータを比較考察すると、『ワクチン接種率が、日本より2倍高いにも関わらず、イギリスの方が、死者が10倍も多い』ということから、『日本人の自然免疫(ファクターX)は、デルタ株においても健在である』と推定できる。

なぜなら、現在、東京の新規感染者の9割以上がデルタ株と言われるが、この状況で、むしろ、感染死者数は減少傾向にあるからだ。

また、下記のデータから、「自然免疫(ファクターX)は、より中国に近い、韓国、台湾、香港においては、日本よりさらに強い」ということも、容易に推察できる。東南アジアでは、コロナ免疫の強さを、死者数、感染者数、ワクチン接種率などから推察すると、華人の多いシンガポールは別格で、あとは地理的・人種的要因によって、ベトナム>タイ>マレーシア>インドネシアの順となっているようだ。

中国産コロナウイルスに関して、それが、人為的なものであろうとなかろうと、東アジア人(中国人・華人は特に)は、それほど恐れる必要はない。「欧米在住の東アジア人の死亡率は低くないから、免疫に人種的差異はない」という主張があるが、本来のその民族の生活環境とかけ離れた環境においては、免疫が低下するのは当然だ。免疫の遺伝的な民族差を否定する論拠としては弱い。

そして、一方では「自然免疫(歴史免疫)の強い日本人(東アジア人)の健康な若者が、ワクチンを2回接種完了すると、突破感染時には、欧米人以上に、死の危険にさらされる恐れがある」という予測も成り立つ。

そもそも、日本人の30代以下の若者にとって、新型コロナ(デルタ株)の感染致死率は、季節性インフルエンザと大差ない(30代で0.1%)。20代以下であれば、むしろ、インフルエンザの方が感染致死率が高い。それなのに、インフルエンザワクチンとは、比較にならないほど危険なワクチンを接種する意味はあるのか、という疑問は当然である。

加えて、軽症者の自宅療養中の早期のイベルメクチンの服用、初期のステロイドによる訪問治療などが充実すれば、デルタ株は、健康な40・50代の人たちにとっても、季節性インフルエンザ並みの脅威に軽減されうる、と兵庫県でコロナ軽症自宅療養患者の訪問看護・支援を行ってきた長尾先生は言う。

しかし、現状、コロナが「新型インフルエンザ等感染症」に分類されたままでは、保健所に負担がかかりすぎ、自宅療養者が放置されてしまう。一方で、「5類」にグレードダウンしても、自宅療養者の訪問看護・治療が充実するかどうかは、医師(医師会?)の意識改革次第で、まだわからない。

あなたが、まだワクチンを接種していないのであれば、その辺を十分考慮して判断しなければならないだろう。

自分の自然免疫を信頼してワクチン接種をしないという選択肢もあるし、どうしても接種したいなら、1回目接種後、半年以上期間を空けて、じっくり体調を経過観察してみるというのも、一つの手かもしれない。それから半年後、気が向いて2回目を接種しても、効果は十分期待できるし、体調や状況の変化を考慮した結果、2回目は接種しないという選択もありうるだろう。

ただ、「接種後の死亡については、2回目より1回目、特に接種の翌日の死亡が多い」ということは知っておくべきだ。一般的な副反応は老人より若者に多く、特に2回目接種完了後に重篤化するケースが目立つ。また、重篤化や死亡の原因としては、心臓障害(心筋炎?)を発症していた人が、全体の3割近い。ワクチンとの因果関係については、99.5%が〝不明〟となっている。

「突然死は、ワクチン接種後だろうと、そうでなかろうと、普通にありうる」「ワクチン接種とは関係ない」と主張する人もいるが、そうであるなら、死亡数が、1回目接種の翌日に大きく偏る意味がわからない。ワクチン接種と無関係であるなら、接種後の死者数は、1回目と2回目、当日から2週間目まで、より平均値に近づき均一化するだろう。

ただし、ワクチンは効果がないわけではない。年齢や肥満や持病などから、重症化リスクが高い人にとっては、重症化防止に役に立っていることは確かだ。

あとは、どちらのリスクが高いか、個々人が冷静に考えて判断するしかない。結局は、個人の選択の問題なのだ。

デルタ株については、世界的な傾向として、感染者数は急激に増えているが、致死率はそれほど上がっていない。この、「致死率が、感染者数に比例しては上がらない」「感染率は上がっているが、感染致死率はむしろ下がっている」という傾向は、ワクチン接種率の高い国でも低い国でも、程度の違いこそあれ、同じように現れているように思える。ただし、東アジアと東南アジアでは、様相がかなり異なる。東アジアでは、致死率が上がらず、東南アジアでは上がっているように見える。

私は、総合的に見て「日本人にとって、デルタ株の重症化リスクはさほど高くない」と考えている。

世界的に、「ワクチンの接種率をさらに高めたい」という意図から、「デルタ株は危険」という報道(印象操作)にブースターがかかっている。

科学的根拠もデータの裏付けもなく、「デルタ株の重症化リスクは高い」「イベルメクチンは効かない」というダブルスタンダードな主張が独り歩きする。

総人口の1%しか感染していない感染致死率0.1%のウイルス感染症に対抗するために、総人口の70%以上へのワクチン接種を目指し、さらに、ブースター(3回目接種)まで進めるというのは、どう考えても行き過ぎである。

 

〈参考〉

8月8日

韓国    総人口5171万人

      ワクチン接種率  1回目接種41%    2回目接種完了15%

      新規感染者数1492人  1日の死者数4人  7日間平均4人

      100万人あたり累計死者数42人

      100万人あたり累計感染者数4213人

      ワクチン接種後の死亡者数累計639人(10万本あたり1.7人)

※韓国のワクチン接種率は日本の半分だが、直近の人口あたり死者数は日本と変わらない。一方で、ワクチン接種後の死亡数は、摂取本数比で、日本の2倍近い。この数値から、韓国人のコロナ(デルタ株含む)に対する自然免疫は、日本人より強いと推測できる。

台湾    総人口2357万人

      ワクチン接種率  1回目接種37%    2回目接種完了2%

      新規感染者数7人    1日の死者数3人  7日間平均3人

      100万人あたり累計死者数34人

      100万人あたり累計感染者数663人

※台湾のワクチン接種率は日本の10分の1だが、直近の人口あたり死者数は、日本と変わらない。

 

〈資料1〉

8月9日

アメリカ  総人口3億2820万人

      ワクチン接種率  1回目接種59%    2回目接種完了51%

      新規感染者数235,099人  1日の死者数720人  7日間平均553人

      100万人あたり累計死者数1905人

      100万人あたり累計感染者数110,737人

※新規感染者数、死者数ともに、人口あたりでイギリスを上回る。ワクチン接種率は日本の1.5倍であるにもかかわらず、新規感染者数は、人口比で日本の5倍、死者数は日本の15倍、感染致死率は3倍である。この直近の数値から、日本人に比べて、アメリカ人のデルタ株への自然免疫がかなり弱いことが推測できる。

 

〈資料2〉

8月9日

インドネシア  総人口2億7060万人

        ワクチン接種率  1回目接種19%     2回目接種完了9%

        新規感染者数20,709人  1日の死者数1,475人 7日間平均1,611人

        100万人あたり累計死者数405人

        100万人あたり累計感染者数13,549人

マレーシア   総人口3195万人

        ワクチン接種率  1回目接種50%     2回目接種完了28%

        新規感染者数17,236人 1日の死者数212人  7日間平均223人

        100万人あたり累計死者数346人

        100万人あたり累計感染者数40,231人

タイ      総人口6963万人

        ワクチン接種率  1回目接種22%     2回目接種完了6%

        新規感染者数19,603人 1日の死者数235人  7日間平均182人

        100万人あたり累計死者数97人

        100万人あたり累計感染者数11,672

ベトナム    総人口9646万人

        ワクチン接種率  1回目接種9%       2回目接種完了1%

        新規感染者数8,043人   1日の死者数388人     7日間平均296人

        100万人あたり累計死者数42人

        100万人あたり累計感染者数2369人