平壌の上流地区に暮らす北朝鮮の特権的富裕層や指導層は、貿易封鎖による影響をまったく受けずに、豊かな生活を享受している。
その莫大な資金を用意している巨大な闇の役所は、北朝鮮国内では「39号室」と呼ばれる。
彼らは、北朝鮮国内に数百箇所ある強制収容所で、無実の囚人たちに無賃労働を強制させ、さまざまな工場を運営している。その工場で製造された商品は、中国の会社に秘密裏に輸出され、中国企業は、その商品を、海外の企業に、自社製品と偽って輸出している。
中国企業が、北朝鮮製品輸出の隠れ蓑になっているわけだ。
例えば、イタリアのブランド、アルマーニのスーツは、無実の女性たちを監禁収容した北朝鮮の収容所で、奴隷労働によって製作されたものである。そのスーツを購入した諸外国の富裕層の〝お金〟は、中国企業を経由して、北朝鮮の収容所に支払われている。そして、それらの莫大な資金を徴用しているのが「39号室」だ。
「39号室」は、アフリカでの北朝鮮製兵器工場の開発にも関わっているし、ロシアや中国、インドや中東への派遣労働者の賃金の大半を徴用してもいる。海外に展開する国営北朝鮮レストランの収入のほとんどを徴収してもいる。
金正恩は、北朝鮮レストランの売上や派遣労働者の賃金を搾り取り、兵器やアルマーニのスーツを製造させ、それらを売らせた資金で、贅沢な暮らしを享受している。また、北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルも、この資金によって開発されている。
だが、「39号室」資金は、北朝鮮国民の、汗と血と怨念にまみれている。
北朝鮮では、選ばれたごく一部の模範国民だけが、首都平壌に住むことを許されている。その平壌市民の中でも、経済制裁の最中においても、何の経済的心配も持たない特権的富裕層は、さらにその一部である。
その他の国民は、平壌に足を踏み入れることさえできない。そして、国民の大多数を占める農村部の人々の4割が、常に飢餓に苦しんでいる。
そのため、北朝鮮国民にしてみれば、食べ物と眠るところがある収容所工場の若者たちは、まだしも恵まれていると感じるのかもしれない。そうして、北朝鮮の若者たちは、金王朝の外貨獲得の為に、工場や海外の建設現場や国営レストランなどで、使い潰されていく。彼らには、夢も希望もない。
北朝鮮は、飢餓を調教手段として、人間を家畜化する巨大な人畜農場半島である。
しかも、その邪悪な奴隷労働システムを支えているのは、アルマーニのスーツを喜んで買う、諸外国のエスタブリッシュメント(富裕支配階層)なのである。アルマーニの制服を採用した銀座の公立小学校も、その一式9万円の制服を安いと喜んだ父母たちも、北朝鮮の〝金王朝〟の財政支援に一役買っている可能性はある。
「日本から北朝鮮への資金の流れは、朝鮮総連やパチンコ屋や在日家庭や統一教会からの仕送りだけではない」ということだ。
日本を含め、各国の富裕層は、喜んで北朝鮮に資金を流している。そして、北朝鮮の核開発と金王朝の存続を支えているのである。
北の人権弾圧を支えているのは、他ならぬ、われわれ自身なのだ。
安くて質の良い製品を作る北朝鮮の奴隷労働工場の製品需要は、西側資本主義諸国の企業から引く手数多である。中国製とされるダイソーの100均製品、その他のイタリアブランドの繊維製品など、そのほとんどに、北朝鮮製が多数混じっているものと思われる。
Made in China(with North Korea)にだまされるな。