もしも、あなたが、自分は政治的に保守であると思うのであれば、保守の立場に立つ証しとして、以下の踏み絵を踏むことができなければならない。

 

①日本の安全保障上欠くことのできない日米同盟を、双務関係として維持するため、集団的自衛権に基づく平和安全法制の整備は必要だった、と正しく理解して主張できること。←立憲民主党、国民民主党、社会民主党、日本共産党は、集団的自衛権を行使することに反対している。

 

潜在的核保有国として、核保有の選択肢を残しておくためにも、米国の「核の傘」を抑止力とするためにも、核による抑止を認めない核兵器禁止条約に調印しないのは、現時点では完全に正しい判断である、と理解して主張できること。←立憲民主党、国民民主党、社会民主党、日本共産党は、核兵器禁止条約に今すぐ調印・批准するべき、としている。

 

③安全保障上、万が一に備えて核開発の技術を保持しておく必要があるので、原子力発電所の全廃(原発ゼロ)達成は望ましくない、と理解し主張できること。←立憲民主党、社会民主党、日本共産党は、即時の全原発の使用停止と廃棄(原発ゼロ)を求めている。

 

④日本の軍事力増強が周辺国の軍事的脅威となる心配よりも、中国、韓国、北朝鮮など周辺国の急速な軍事力増大(←事実)によって、日本が軍事的な脅迫を受けることの方を心配している。そして、正しいデータに基づいて国際情勢を理解し、極東の軍事バランスの維持のため、防衛費の大幅な増額を主張できること。←立憲民主党、社会民主党、共産党は、「安倍政権の防衛費の増額は異常」と主張し、防衛費増額に反対している。

 

⑤1989年の冷戦終、ベルリンの壁崩壊、1990年の東西ドイツ統一、1991年のソ連崩壊によって、世界の枠組みや構造は根本的に激変した。アメリカは、台頭する中国やロシアを牽制しつつも、現在の多極化した世界で、以前の冷戦期のようには同盟国を手厚く保護する意思を持たず、自国第一で動いている。この冷戦後の世界で、情勢の変化に柔軟に対応し、国家としてサバイバルしていく意思とビジョンを持った政治を支持すること。←この点で、鳩山民主党政権は史上最低であった。しかし、その反省は、枝野氏、蓮舫氏、辻本氏ら、旧民主党勢力からまったく聞かれない。

 

⑥上記の観点にかんがみて、外交・安全保障政策において、安倍政権を高く評価し、安倍政権を継承する菅内閣の誕生を歓迎できること。←「安倍政権を継承した菅内閣に未来はない(共産党志位委員長)」「菅内閣は、安倍亜流内閣であり、安倍政権の負の部分を肥大化させると危惧する(立憲民主党枝野幸男代表)」

 

 

余談だが、今回、菅さんが、総裁選に出馬するにあたって、協力を取り付けるのに、一番苦労したのが、真理子夫人だったと明かした。真理子夫人は「夫が総裁選に出馬するなら離婚します」と周囲に話していたという。

目立つことを好まない、賢い、しっかりした方のようだし、内閣総理大臣など、どんなに努力しても、世間から陰口や文句しか言われないし、気苦労ばかりで、ろくなことがないと思っていらしたとしても、何ら不思議ではない。

 

立憲民主党の小川淳也衆議院議員のように「どういう人間かは、どういう生い立ち、どういう環境(で育った)かに規定されるんですよ」「国会で首相の生い立ちを明らかにさせるべき(←首相の説明責任?)」「(「叩き上げ」などという嘘で、首相が自ら)虚像を貼っているなら(よくよく精査して、化けの皮を)剥がさなければならない」などと、他人のプライバシーを蛇のように追及する下劣なやからもいる。

内閣総理大臣などになると、本当にろくなことがない。真理子夫人が首相夫人などになるのを忌み嫌うのも、もっともなことと思える。

 

それにしても、小川議員には問いたい。「リベラルって、何なんですか?」

自分では、差別意識はないというのだが、実は、こういう「罪の意識がない」というのが、一番厄介な手合いなのだ。無邪気に人の心を踏みにじる、この悪い意味での鈍感力こそが、「なぜ君は内閣総理大臣になれないのか?」という疑問への答えとなっているのではないだろうか。

本人は、情熱的に自分の理想を追っているつもりであり、優秀で能力もある、圧倒的に善意の人物である。例によって、国民を分断することに、無意識に重要な役割を果たす方が、また一人現れたようだ。