カフェ ドゥ ミヤ(cafe de Miya)

沖縄県名護市安部、ヤンバルの東海岸沿いの僻地にある、伝説的な珈琲仙人の店。

店主は、沖縄産珈琲栽培の草分け的存在。もう30年以上、沖縄での珈琲栽培を続けている。日本で唯一のコーヒー栽培県である沖縄のコーヒー栽培のルーツに関わる人物で、コーヒー狂人とか珈琲仙人と言うに相応しい人である。現在、沖縄珈琲を出しているお店のほとんどは、実は、この人から教えを乞うたのだ。だから、彼のことを「沖縄珈琲の師匠」と言ってもいいだろう。

メニューは、昭和の黄色カレーと、チーズケーキと、コーヒー(ホット&アイス)のみ。コーヒーは、沖縄産珈琲が、一杯1200円、その他の各種コーヒーが500円。クレジットカードは使えない。現金のみである。

店主は、店の近隣の天仁屋や屋我地島のコーヒー園で、現在も沖縄産コーヒーを栽培しており、その豆を自家焙煎したものを、この店で碾きたてで入れてくれる。そうして、店主オリジナルの絶妙の味と香りを楽しむことができる。

店主が栽培し焙煎している珈琲豆は、新宿伊勢丹でも売られている稀少品ではあるが、店内で買うこともできる。実際、えぐみのまったくないまろやかな状態に焙煎されており、購入した豆を自宅で自分で入れても美味しい豆である。

「珈琲は焙煎が命」と店主は言う。豆が良ければ、誰が入れても美味しいコーヒーになる、と。しかし、仙人の入れた珈琲は、さらに格別である。飲んでいて、店主の珈琲への深い愛が伝わってくる。各種コーヒーも、自家焙煎のオリジナルブレンドをいれてくれるが、これも大変美味しい。

週休4日で、営業日は金土日曜日の週3日。営業時間は午前11時から日没まで。

飲めば、違いがわかる。

 

 

珈琲専門店 原点

沖縄市山里、イオンモール、プラザハウスに近い街中にある、知る人ぞ知る隠れ家的なコーヒーショップ。

メニューは、オリジナルブレンドのコーヒー(ホット・アイス)のみ。価格は各500円。サービスでケーキが付く。クレジットカードは使えない。現金のみである。

自家製焙煎した碾きたての豆から抽出されるホットのオリジナルブレンドコーヒーも美味しいが、この店の場合は、ともかく、こだわりの水出しアイスコーヒーが絶品なのだ。ミルクとシロップが始めから入っており、苦味と甘みが絶妙に混ざり合った濃厚でまろやかな味。6時間以上かけて水出しし、三日間寝かせた、この店でしか味わえない伝説のアイスコーヒーである。「一度飲んだら忘れられない味」と誰もが言う。

コロナ禍の中でも、ウイークデーの日中から、店内は常連客の入りが途絶えることがない。駐車場には常時4、5台の客の車がとまっている。昭和の1980年代から40年近く、長くファンに支持されてきた県内有数の名店である。

店主は、あと30年は続けるつもりのようだ。この店は、これからも、老若男女に末長く愛され続けるだろう。

定休日は日曜日のみ。営業時間は、月曜日から土曜日まで、午前10時から午後7時まで。

飲めば、違いがわかる。

 

 

『カフェ ドゥ ミヤ』と『原点』について

ほめそやす人が誰もいなくても、店主は、ただ一人、黙々と、珈琲に人生をかけて、地道に生きている。一生を、珈琲を入れ続けることで、まっとうしようとしている。

派手なことはしない。そもそも珈琲以外には興味がない。だから、すべての虚飾を排して、シンプルに珈琲だけを提供する。

目立とうとは思わない。金儲けにも興味はない。ただ、もっと美味い珈琲を入れたい。そう思って生きている。

そんな店主が開いている、「珈琲を愛する人による珈琲を愛する人のための店」を、二つ、ここでは紹介した。

どちらも、ちょっと入りくんだ所にあって見つかりにくい。探しきれなかったら、今回は縁がなかったと諦めるしかないだろう。

運良く見つかったら、伝説の香りと味を楽しんでほしい。

珈琲の味がわからない人には、あまり来て欲しくないかな。こだわりの焙煎を経た上質な豆がもったいない。