2019年2月24日、米軍基地の辺野古移設に関する県民投票が実施されました。
投票率は、有権者数の52.5%で、まあ、普通です。県知事選の投票率63%に比べたらかなり低いですが、「県民投票には知事選ほど関心を持てない」人が、私を含めて、それだけ多かったということでしょう。
そして、その結果、有効投票総数の72%は「基地反対」で、「基地賛成」は19%、「賛成・反対、どちらでもない」は9%でした。つまり、大雑把に言って、基地反対と賛成・容認の割合が、およそ7:3ということです。
ちなみに、23年前、1996年に大田昌秀知事が実施した普天間基地の県内移設の是非を問う沖縄県民投票では、投票率が、今回よりかなり高く(有権者の59.5%)、有効投票数の実に91.3%が「米軍基地反対(縮小賛成)」票で、「基地(維持)賛成」票はわずか8.7%であり、反対と賛成・容認の割合は、およそ9:1でした。
米兵による少女暴行事件の翌年に行われた投票だったこともあり、その票差は今回よりはるかに大きかったのです。実際、23年前には、私自身、米軍基地反対派でした。というのも、当時は、アメリカ軍のプレゼンス(存在感)が、それだけ圧倒的だったし、飢餓に苦しむ北朝鮮は、核兵器を一発も保有していなかった(*北朝鮮の核保有は2006年から)からです。また、1996年当時、GDPが日本の1/6しかなかった中国の軍事的脅威なども、ほとんど感じられませんでした。その結果として、総有権者の過半数(53%)が「米軍基地の維持反対」に投票したわけです。
一方、今回の基地反対と容認・賛成の票差(7:3)が、前回(9:1)ほど大きくないのは、推進派に「市街地の中にある普天間基地所属のオスプレイやヘリを、ほぼ海上基地である辺野古沿岸の埋立地に移動するため」という大義名分があることも影響しているでしょう。また、中国の軍事的脅威が、1996年当時と比べて、比較にならないほど現実的なものになってきたことも、もちろん影響しているはずです。(*2019年現在、中国のGDPは日本の3倍、実質軍事費は日本の5倍、軍事費の伸び率は日本の8倍です。中国は、すでにアジア最強の軍事国家でありながら、さらなる軍事大国化を、今も急速に進めているのです。)もちろん、北朝鮮のICBM開発による核の脅威の増大や韓国の過激化する理不尽な反日なども、特に若者の票に関しては大いに影響していると思われます。
ただし、今回は、前回(1996)と違って、3択で投票が行われたわけですが、一般的に、「賛成でも反対でも、どちらでもない」人は、そもそも投票自体に興味がないでしょう。わざわざ、「どちらでもない」に投票するために、投票所まで足を運ぶ人は、相当に物好きな(というか、真面目な)人たちだと思います。
それに、「この県民投票が、米軍基地反対派の『精神勝利!』のデモンストレーションに過ぎない」と感じている県内では少数派の移設賛成派の多くが、よほど暇でない限り、はなから大負けするのを承知で、わざわざ極少数派の「基地賛成」に投票しに行くことも少なかったでしょう。ですから、賛成派の大敗?(7:3)は、不思議でもなんでもありません。誰でも予測できた当然の結果に過ぎず、まったく驚くには当たらないし、大騒ぎすることでもありません。


こうなることが予測されていたからこそ、5市が県民投票への不参加を表明した時、「やるなあ」と思っていたのですが、結局、公明党の裏切りによって、選択肢が3択に改定された時点で自民も腰砕け。5市も投票に加わってしまいました。
結果としては、総有権者数における「基地反対」票の割合は37.7%に過ぎず、前回(1996)のように過半数(53%)には届きませんでした。が、そうは言っても「基地賛成」に投票した人の数は、さらに微々たるもの(10%)でした。つまり、積極的反対派は県内有権者の4割弱、積極的賛成派は1割ということです。まさに、予想通りです。それでも、たとえ消極的ではあっても、米軍基地の容認派の割合は、実はもっと多い(3〜4割)とは思います。
投票後、「実際には、辺野古基地建設に、諸手を挙げて賛成の人は、沖縄にはほとんどいないのではないか」と容認派の方が言っていましたが、私はその「諸手を挙げての純粋な賛成派」のひとりです。とは言え、上記の方がおっしゃるように、日本を取り巻く国際環境が急速に変化しているにもかかわらず、県内では、積極的基地賛成派は、いまだにごく少数派なのでしょう。沖縄では、私は〝希少生物〟 にあたるというわけです。苦い現実です。
活字メディアでは「沖縄の米軍基地〝賛成〟派が大敗」という文字が、いたることころで踊っています。しかし、沖縄の民意は、そもそも、こんなものなのです。沖縄には消極的な「基地〝容認〟派」は半数近くいるものの、積極的(純粋)な「基地〝賛成〟派」となると、今でも1割もいない、ということです。
県民の平均的認識として、あくまでも「米軍基地は、一種の迷惑施設」なのです。火葬場や保育園や児童擁護施設や自衛隊基地などと同様に、「絶対に必要なのはわかるが、迷惑なので、ここではないどこか他の土地につくってくれ!」(「でも、補償や補助金や基地使用料は、やっぱり欲しい!」)というのが、県内多数派の本音です。ちょっと複雑でわかりにくいのは、「反対することで、基地から得られる利益がさらに増える」というずるい感覚です。ある意味、不正直なのです。
だから、この「基地反対4割弱/消極的容認&県民投票自体への反感&決まりきった結果への無関心5割強/積極的賛成1割」という県民投票の結果は、ほぼ予想通りの妥当な数字であり、今更、大騒ぎをすることでもないし、屁理屈をこねて分析するまでもなく、県民なら誰でも容易に予測がついていたことです。
玉城デニー陣営は、県内に恐らくは4〜6割ほど存在するサイレントマジョリティーの基地〝容認〟派を、暗に攻撃して揺さぶりをかけるための材料として、今回の県民投票の数字を派手に振りかざしています。「〝賛成〟派大敗」の五文字を言い募ることで、容認派の穏健な主張をも封殺し、「反対は当然」という空気を醸成し、県民を強制洗脳しようとしているのです。これが、そもそもの県民投票実施の目的です。動機が不純すぎて、嫌になります。
やっぱり、沖縄は独立(*)した方がいいのかもしれません。そうしないと、県民は、現実が見えてこないでしょう。ともかく、頭が凝り固まり過ぎていて、なかなか言葉が通じないのです。



*沖縄の基地反対運動の方向性は、ちょうど、北朝鮮の核を頼って、親米路線から親北路線に舵を切ろうとしている韓国の文在寅政権の志向とよく似ています。韓国は、いずれ、北朝鮮主導での朝鮮半島統一を実現するかもしれません。その場合、もちろん、米韓同盟は破綻します。そして、韓国人は、そのすべての責任を、日本のせいにするでしょう。実際、今回の米朝会談の決裂に関しても、韓国の主なメディアや政治家は、すべて日本の陰謀のせいだと主張しています。さらには、統一への過程で、文在寅の方向性や政策を批判する少数派は、手当たり次第に親日派のレッテルを貼られ、「国民の敵」とされて、徹底的に弾圧されることになります。
沖縄もまた、近い将来、中国の核、北朝鮮の核を頼って、日本からの独立を実現しようとするかもしれません。それに伴って、米軍基地も沖縄から全面撤去を余儀なくされるとなると、当然ながら、日米同盟は極度に弱体化するでしょう。その場合、日本は、自前の核を持つことを、国防の選択肢の一つとして、否応なく考えなければならなくなります。一方で、沖縄は、調子に乗った中国人に、ますます荒らされるようになるでしょう。そうした情勢への批判や懸念を示す者は、すべて「戦争好きの親日軍国主義者」とされ、北朝鮮好きの独立派や中国好きの反米主義者から、バカ右翼として激しく攻撃されるようになるでしょう。
それにしても、基地反対派は、日頃「少数派の意見を尊重せよ!」と政府に猛烈抗議している割には、自分たち自身は、異なる意見を持つ人々に対して、非常に偏狭で、まったく相手の意見を受け付けない態度であることを、一切恥じることがないのは、実に都合の良いダブルスタンダードな姿勢であると思います。
いつも思うのですが、辺野古の全有権者1700人だけで住民投票を実施したら、結果はどうなるのでしょうね。住民の方は「推進派と反対派の割合は半々だ」とおっしゃっていましたが。