2017年度の衆議院総選挙で、立憲民主党は、2017.10.23未明の段階で15→54議席と大躍進し、自民党の280議席に次ぐ野党第1党になることとなりました。野党第2党の希望の党が49議席獲得で、残りの未定議席が5なので、これはほぼ確定事項です。
今回、立憲民主党は、共産党・社民党と選挙協力を行ない、自公政権に対する共同批判勢力を形成しましたが、選挙結果は共産党(21→12)・社民党(2→1)ともに議席を減らしており、立憲民主党の一人勝ちでした。
同じく民進党から分かれた希望の党(57→49)及び維新の会(14→9)の連合については、外交・防衛に関して、自公と同じく安保法制賛成、9条改憲賛成の立場であり、自公政権に対する批判勢力の受け皿とは、なりにくかったようです。小池さんの「排除」発言への批判も、激しいものがありました。理知的に考えれば、ある意味、当然の発言でしたが、情の部分では「思い上がっている」と受け取られた面も確かにあったでしょう。また、小選挙区で自公政権を倒すための戦略としては、抱き込むことが一番必要だったかもしれません。
ところで、この立憲民主党ですが、外交・防衛問題に関する立ち位置は、共闘した共産党・社民党とはかなり異なるようです。
例えば、共産党は、基本的には、日米安保条約そのものに反対であり、日米同盟廃棄と自衛隊解消(非武装中立)が最終的目標です。沖縄1区で当選した同党の赤嶺政賢氏(共産党で小選挙区で唯一勝利)も、米軍基地全面撤去と日米同盟廃棄と自衛隊解散を目標とし、宮古・石垣・与那国への自衛隊配備反対を主張しています。また、社民党も、9条改正絶対反対の護憲政党であり、日米同盟の軍事面での協力を弱め、自衛隊の規模を縮小することを唱えています。今回、同党で唯一小選挙区で勝利した沖縄2区の照屋寛徳氏も、米軍基地撤収と9条護憲と自衛隊新基地反対を旗印とし、沖縄独立の主張(2013)などもしています。沖縄3区で辺野古移設反対を唱えて当選した無所属の玉城デニー氏もまた、護憲を表明しています。(←一方で、米軍基地に変わる自衛隊基地は容認。)
ところが、立憲民主党の党首枝野幸男氏は、「自分はリベラルではなく保守であり、立憲民主党は護憲政党ではない」「辺野古移設・高江ヘリパッドは停止を求めるが、日米同盟も堅持・深化の立場だ」と述べているのです。「アメリカにも、日本と同盟するメリットがあるのだから、日本側は米軍の要請によって、望まない派兵を強いられたり後方支援に協力する必要はないし、それでも日米同盟は強固に維持し発展させ得る」という意見です。また、同党に枝野氏が真っ先に引き入れた辻元清美氏も、「自分が社民党と袂を分かったのは、日米同盟に反対する護憲政党という社民党の立ち位置に違和感を覚えたからだ」「護憲一辺倒の社民党の主張は、自分の考えとは違う、と感じるようになったた」と述べています。一方で、辻元氏には「リベラルの力を信じる」という選挙前の有名なセリフもありましたが。
ともかく、2人の考えでは、とりあえず日米同盟は堅持・強化する方向であり、9条二項については改正して、自衛隊の個別的自衛権に関してだけは認める形の文章にするのはやぶさかではない、という雰囲気を感じました。(ただし、専守防衛は徹底するそうです。)つまり、『辺野古など米軍への基地の提供は及び腰で、現行の安保法制は廃止を主張し、周辺事態における米軍の後方支援など絶対しないが、アメリカとの軍事同盟は堅持したい』という、かなり手前勝手な、よく意味のわからない立ち位置なのですが、立憲民主党に投票した国民は、また、立憲民主党の他の議員たちは、彼らのそうした立ち位置を、知った上で入党・投票したのでしょうか。
承知していた人もいるでしょうが、そうでない人も少なからずいるのではないか、と思うのです。福山哲郎氏とかは、もちろん同意していたのでしょうが、「軍隊は国民を守らない(2007)」発言で有名な阿部知子氏とか、支持母体の一つである元SEALDsメンバーたちなどは、彼らの日米同盟堅持の方針に納得していたのでしょうか。それとも、もともと、立憲民主党の支持者は、皆んな、そういう立ち位置なのかな。
「自衛隊はアメリカのために血を流す必要はないけれど、米軍は日本を守るために血を流すべきだ(片務的集団的自衛権の維持)」ということですよね。それとも「アメリカは、米軍基地を守るために血を流すだけでいい」「日本は日本で、自国全体を守るために自衛隊が血を流すから(双方が個別的自衛権を発動)」ということなのでしょうか。いずれにしても、それで日米同盟が堅持できるとは、とても思えないのですが。
共産党・社民党・立憲民主党の共通事項は、「安倍政権を倒す」ということ、「トランプは信頼できない」ということ、「集団的自衛権の行使を認めた安保関連法の廃棄」、「米軍基地の辺野古・高江への移設反対」、「自衛隊の専守防衛の堅持は当然の大前提」、この辺りでしょうか。
日本の平和維持を考える上で、周辺諸国との間で、軍事的拮抗の必要性をまったく感じないなら、そもそも集団安全保障の発想そのものがでてこないし、集団的自衛権は要らない、という結論になるのでしょう。そして、アメリカ一辺倒の外交はやめるべきで、米軍の軍事力に依存した核の傘など必要ない、という感覚・意識・思考になります。
しかし、全衆議院議員の中で、そのような立場に立つ(可能性の強い)議員の総議席数は、三党合わせても67議席、無所属の23議席を合わせても、465議席中90議席に過ぎません。これは、中国(*)・北朝鮮の軍事的台頭が著しい昨今、東アジアの軍事的パワーバランスを意識した、より現実的な安全保障を求める意識が、国民の間で優勢であるということを示しているのかもしれません。
ちなみに憲法9条改正に関しては、毎日新聞のアンケートによると、今回選出された全衆議院議員の内、賛成が63%(自衛隊・国防軍明記含む)、反対が24%でした。無回答は7%、その他が6%なのですが、この「その他」というのは何なのか、その中に、「9条二項削除に賛成」が含まれるのか、不明です。
一方、沖縄では、米軍基地反対・護憲・反安倍政権・翁長県政支持の「オール沖縄」を称する候補者が、1〜3区で平均して約60%の票を集めてそれぞれ当選しました。しかし、辺野古・高江米軍基地容認、憲法9条改正容認の自民党候補への票も、全県平均して40%以上の得票数がありました。
わたしとしては、県内マスコミが「今回もまた、『オール沖縄』が勝ちました!」「民意が結果に現れました!」とコメントする時、毎度の事ながら「県民の4割強は、オール沖縄の一部(民意)ではないのか(非県民?)」というやるせない違和感に襲われるのです。
相変わらず、沖縄では「護憲・反基地・反安倍政権でなければ人に非ず」という雰囲気があります。救いなのは、宮古・石垣・本島南部を含む沖縄4区で、辺野古・高江移設容認、宮古・石垣への自衛隊配備推進の自民党西銘恒三郎氏が、接戦を制して当選した事です。2014年の前回の衆院選と違って、小選挙区での自民全敗は免れたわけです。やはり、石垣・宮古は、中国船侵入の最前線の現場なので、それだけ危機意識が強いのでしょう。
とは言え、今や共産と社民が小選挙区で勝てるのは沖縄だけという意味でも、沖縄がリベラルにとっての日本で唯一残った牙城であるというのも事実です。
*現在開催中の5年に一度の中国共産党大会についてですが、習近平国家主席(総書記・党主席予定)は、今回、任期のない毛沢東に次ぐ史上2人目の党主席の座につくことで、文革を引き起こした毛沢東のように、宗教的と言っていいほどの専制独裁的な権力を握り、死ぬまで権力にしがみつくつもりのようです。そして、2050年までに、軍事的にも米国を凌駕する地上最強の超大国を目指すのだそうです。
現在64歳の習氏が、82歳没の毛沢東並みに生きるとすれば、まだまだ、少なくとも、あと20年近くは権力の座に居座り続けそうですね。江沢民の反日政策を受け継ぐ習近平の反日体制が無期限に続くという意味では、日本にとって最悪です。
また、経済と国民への国家統制が急速に強まる中国国内において、デジタル・レーニン主義によって、徹底的に情報を管理され、日常生活まで監視され、言動をチェックされる中国国民にとっても、政治的には最悪の状態が続くでしょう。まさに、オーウェルの描いたディストピア小説『1984年』の世界の現出です。しかも、中国は、そのデジタル統制技術によるハイテク独裁のノウハウを、2000年代に入ってから一貫して、世界の開発独裁国家に輸出し続けていて、近年ではオーストラリアまで、その毒牙にかかろうとしています。文字通りの災厄国家です。
こうした現状を、強い危機感を持って報道しようとしない日本の大マスコミって、いったい何なのだろう?
どうせ、「中国による自由と民主主義の危機を煽ると右翼に利用される」とか、「憲法改正の口実になる」とか、下らないことに神経をとがらせているのだろうけれど、そんな風に上から目線で国民を啓蒙する意識を捨てて、謙虚に真実を伝える姿勢を、マスコミには示して欲しいと思います。
今回、立憲民主党は、共産党・社民党と選挙協力を行ない、自公政権に対する共同批判勢力を形成しましたが、選挙結果は共産党(21→12)・社民党(2→1)ともに議席を減らしており、立憲民主党の一人勝ちでした。
同じく民進党から分かれた希望の党(57→49)及び維新の会(14→9)の連合については、外交・防衛に関して、自公と同じく安保法制賛成、9条改憲賛成の立場であり、自公政権に対する批判勢力の受け皿とは、なりにくかったようです。小池さんの「排除」発言への批判も、激しいものがありました。理知的に考えれば、ある意味、当然の発言でしたが、情の部分では「思い上がっている」と受け取られた面も確かにあったでしょう。また、小選挙区で自公政権を倒すための戦略としては、抱き込むことが一番必要だったかもしれません。
ところで、この立憲民主党ですが、外交・防衛問題に関する立ち位置は、共闘した共産党・社民党とはかなり異なるようです。
例えば、共産党は、基本的には、日米安保条約そのものに反対であり、日米同盟廃棄と自衛隊解消(非武装中立)が最終的目標です。沖縄1区で当選した同党の赤嶺政賢氏(共産党で小選挙区で唯一勝利)も、米軍基地全面撤去と日米同盟廃棄と自衛隊解散を目標とし、宮古・石垣・与那国への自衛隊配備反対を主張しています。また、社民党も、9条改正絶対反対の護憲政党であり、日米同盟の軍事面での協力を弱め、自衛隊の規模を縮小することを唱えています。今回、同党で唯一小選挙区で勝利した沖縄2区の照屋寛徳氏も、米軍基地撤収と9条護憲と自衛隊新基地反対を旗印とし、沖縄独立の主張(2013)などもしています。沖縄3区で辺野古移設反対を唱えて当選した無所属の玉城デニー氏もまた、護憲を表明しています。(←一方で、米軍基地に変わる自衛隊基地は容認。)
ところが、立憲民主党の党首枝野幸男氏は、「自分はリベラルではなく保守であり、立憲民主党は護憲政党ではない」「辺野古移設・高江ヘリパッドは停止を求めるが、日米同盟も堅持・深化の立場だ」と述べているのです。「アメリカにも、日本と同盟するメリットがあるのだから、日本側は米軍の要請によって、望まない派兵を強いられたり後方支援に協力する必要はないし、それでも日米同盟は強固に維持し発展させ得る」という意見です。また、同党に枝野氏が真っ先に引き入れた辻元清美氏も、「自分が社民党と袂を分かったのは、日米同盟に反対する護憲政党という社民党の立ち位置に違和感を覚えたからだ」「護憲一辺倒の社民党の主張は、自分の考えとは違う、と感じるようになったた」と述べています。一方で、辻元氏には「リベラルの力を信じる」という選挙前の有名なセリフもありましたが。
ともかく、2人の考えでは、とりあえず日米同盟は堅持・強化する方向であり、9条二項については改正して、自衛隊の個別的自衛権に関してだけは認める形の文章にするのはやぶさかではない、という雰囲気を感じました。(ただし、専守防衛は徹底するそうです。)つまり、『辺野古など米軍への基地の提供は及び腰で、現行の安保法制は廃止を主張し、周辺事態における米軍の後方支援など絶対しないが、アメリカとの軍事同盟は堅持したい』という、かなり手前勝手な、よく意味のわからない立ち位置なのですが、立憲民主党に投票した国民は、また、立憲民主党の他の議員たちは、彼らのそうした立ち位置を、知った上で入党・投票したのでしょうか。
承知していた人もいるでしょうが、そうでない人も少なからずいるのではないか、と思うのです。福山哲郎氏とかは、もちろん同意していたのでしょうが、「軍隊は国民を守らない(2007)」発言で有名な阿部知子氏とか、支持母体の一つである元SEALDsメンバーたちなどは、彼らの日米同盟堅持の方針に納得していたのでしょうか。それとも、もともと、立憲民主党の支持者は、皆んな、そういう立ち位置なのかな。
「自衛隊はアメリカのために血を流す必要はないけれど、米軍は日本を守るために血を流すべきだ(片務的集団的自衛権の維持)」ということですよね。それとも「アメリカは、米軍基地を守るために血を流すだけでいい」「日本は日本で、自国全体を守るために自衛隊が血を流すから(双方が個別的自衛権を発動)」ということなのでしょうか。いずれにしても、それで日米同盟が堅持できるとは、とても思えないのですが。
共産党・社民党・立憲民主党の共通事項は、「安倍政権を倒す」ということ、「トランプは信頼できない」ということ、「集団的自衛権の行使を認めた安保関連法の廃棄」、「米軍基地の辺野古・高江への移設反対」、「自衛隊の専守防衛の堅持は当然の大前提」、この辺りでしょうか。
日本の平和維持を考える上で、周辺諸国との間で、軍事的拮抗の必要性をまったく感じないなら、そもそも集団安全保障の発想そのものがでてこないし、集団的自衛権は要らない、という結論になるのでしょう。そして、アメリカ一辺倒の外交はやめるべきで、米軍の軍事力に依存した核の傘など必要ない、という感覚・意識・思考になります。
しかし、全衆議院議員の中で、そのような立場に立つ(可能性の強い)議員の総議席数は、三党合わせても67議席、無所属の23議席を合わせても、465議席中90議席に過ぎません。これは、中国(*)・北朝鮮の軍事的台頭が著しい昨今、東アジアの軍事的パワーバランスを意識した、より現実的な安全保障を求める意識が、国民の間で優勢であるということを示しているのかもしれません。
ちなみに憲法9条改正に関しては、毎日新聞のアンケートによると、今回選出された全衆議院議員の内、賛成が63%(自衛隊・国防軍明記含む)、反対が24%でした。無回答は7%、その他が6%なのですが、この「その他」というのは何なのか、その中に、「9条二項削除に賛成」が含まれるのか、不明です。
一方、沖縄では、米軍基地反対・護憲・反安倍政権・翁長県政支持の「オール沖縄」を称する候補者が、1〜3区で平均して約60%の票を集めてそれぞれ当選しました。しかし、辺野古・高江米軍基地容認、憲法9条改正容認の自民党候補への票も、全県平均して40%以上の得票数がありました。
わたしとしては、県内マスコミが「今回もまた、『オール沖縄』が勝ちました!」「民意が結果に現れました!」とコメントする時、毎度の事ながら「県民の4割強は、オール沖縄の一部(民意)ではないのか(非県民?)」というやるせない違和感に襲われるのです。
相変わらず、沖縄では「護憲・反基地・反安倍政権でなければ人に非ず」という雰囲気があります。救いなのは、宮古・石垣・本島南部を含む沖縄4区で、辺野古・高江移設容認、宮古・石垣への自衛隊配備推進の自民党西銘恒三郎氏が、接戦を制して当選した事です。2014年の前回の衆院選と違って、小選挙区での自民全敗は免れたわけです。やはり、石垣・宮古は、中国船侵入の最前線の現場なので、それだけ危機意識が強いのでしょう。
とは言え、今や共産と社民が小選挙区で勝てるのは沖縄だけという意味でも、沖縄がリベラルにとっての日本で唯一残った牙城であるというのも事実です。
*現在開催中の5年に一度の中国共産党大会についてですが、習近平国家主席(総書記・党主席予定)は、今回、任期のない毛沢東に次ぐ史上2人目の党主席の座につくことで、文革を引き起こした毛沢東のように、宗教的と言っていいほどの専制独裁的な権力を握り、死ぬまで権力にしがみつくつもりのようです。そして、2050年までに、軍事的にも米国を凌駕する地上最強の超大国を目指すのだそうです。
現在64歳の習氏が、82歳没の毛沢東並みに生きるとすれば、まだまだ、少なくとも、あと20年近くは権力の座に居座り続けそうですね。江沢民の反日政策を受け継ぐ習近平の反日体制が無期限に続くという意味では、日本にとって最悪です。
また、経済と国民への国家統制が急速に強まる中国国内において、デジタル・レーニン主義によって、徹底的に情報を管理され、日常生活まで監視され、言動をチェックされる中国国民にとっても、政治的には最悪の状態が続くでしょう。まさに、オーウェルの描いたディストピア小説『1984年』の世界の現出です。しかも、中国は、そのデジタル統制技術によるハイテク独裁のノウハウを、2000年代に入ってから一貫して、世界の開発独裁国家に輸出し続けていて、近年ではオーストラリアまで、その毒牙にかかろうとしています。文字通りの災厄国家です。
こうした現状を、強い危機感を持って報道しようとしない日本の大マスコミって、いったい何なのだろう?
どうせ、「中国による自由と民主主義の危機を煽ると右翼に利用される」とか、「憲法改正の口実になる」とか、下らないことに神経をとがらせているのだろうけれど、そんな風に上から目線で国民を啓蒙する意識を捨てて、謙虚に真実を伝える姿勢を、マスコミには示して欲しいと思います。