シリア難民受け入れに積極的だったドイツで、難民大量流入への懸念が広まっているようです。ドイツ公共放送連盟の実施した世論調査では、「難民流入を懸念している」という回答が、9月1日の38%から10月1日の51%に跳ね上がりました。難民の受け入れに否定的な人が、国民の半数を超えたのです。「最低でも40万人の難民のドイツ定住化を成し遂げる!」「ドイツにはそれだけの余裕がある!」と、移民の受け入れに積極的なメルケル首相の支持率も、9月の63%から10月の54%に下がっています。この支持率は、2011年以来の最低水準だそうです。さらに10月9~13日に英調査会社が行った世論調査では、メルケル首相の難民受け入れ政策を支持する割合は、30%にまで落ち込み、支持しない割合が64%にまで上昇したという報告もあります。
そもそもメルケル首相が、9月5日に「ハンガリーで足止めされているシリア難民の亡命申請を無制限に受け入れる」と発表して以来、難民の流入はさらに加速し、9月一ヶ月間のドイツへの難民の流入数は、16万4000人に達しました。ミュンヘン中央駅など、ドイツ南部の各州都の駅には、平均して一日5000人の難民が、毎日到着しているのです。最終的には、今年一年で100万人の難民がドイツになだれ込むかもしれないという予測もあり、その数は去年の難民申請数20万人の5倍にもなります。
当然、難民の大量流入のきっかけをつくったメルケル首相の方針への批判も強まりましたが、9月15日の記者会見では「率直に言う。もし、緊急事態に難民に優しい顔を見せたことで、わたしが謝罪しなければならないというのなら、そんな国はわたしの国ではない」と反論しました。強い人道主義の姿勢を打ち出したわけです。「難民への攻撃や収容施設への焼き討ちには、国家として厳しく対処する」と、人種差別的民族主義の台頭に対しては強く釘を刺しています。
しかし、ロシアによるシリア反体制派へのミサイル攻撃も始まり、アサド政権と反体制派とイスラム国の三つ巴の争いが続き、シリア国内の安定化がまったく見えてこない現状で、欧州に流入する難民の数が減少に転じる気配はまったくありません。また、シリア以外の国々からの経済難民の割合も非常に多いと見られており、その政治難民と経済難民の選別をせずに、一時的に入国を許可している現状を、問題視する向きもありました。
ドイツ各地では、今年に入ってからだけでも500件に及ぶ難民収容所への放火事件の他に、難民に対する暴行事件も多発し、激しい難民受け入れ反対のデモも数多く起こっており、国内の軋轢はますますひどくなっています。このままでは、難民受け入れに非常に積極的で、難民の無制限一時入国許可を実施してきたメルケル首相は、かなり苦しい立場に追い込まれる危険性も出てきています。
今月10月13日にも、東部の都市ドレスデンでは、かなり過激な数千人規模の難民排斥デモが起こっており、そのデモのメンバーが「メルケルを吊るせ!」と絞首台を持ち出して行進したことから、検察当局がデモ参加者の捜査に乗り出しているとのことです。
そうした中、ついに10月17日には、「シリアと関係のない平和な地域からの経済難民は原則入国させない」とする難民受け入れ制限の法律が成立し、実施されることが決まりました。ただし、メルケル首相は、相変わらず「紛争を逃れてきた政治難民の受け入れには上限を設けない」と明言しており、強気の姿勢を崩してはいません。しかし、その一方で、メルケル首相は、「現在、爆発的に増えつつある欧州へのシリアからの難民の流入を減らすためには、隣国トルコとの協力と連携が不可欠である」として、「難民保護のためのトルコへの緊急の援助が必要だ」と、EU各国へ呼びかけています。
奇しくも、この同日17日に、ケルンではメルケル派の最有力市長候補が、市内での選挙運動中に襲撃され、首を刺されて重傷を負いました。逮捕された44歳の無職の男は、「人種的な問題で犯行に及んだ」と言っています。ドイツの移民問題は、本当に厄介なことになってきました。
トルコは18日にメルケル首相と会談しましたが、互いの溝はそう簡単には埋まらなさそうです。トルコのエルドアン大統領は16日に、メルケル首相がノーベル平和賞候補にあがっていることについて「われわれは既に250万人のシリア難民を受け入れているが、それについては欧州諸国は気にも留めない」と皮肉を述べています。
それにしても、ドイツでは、政治家や役人や識者が、難民受け入れに否定的な態度をとるのは、公式にはなかなか難しそうです。特に、政治難民の流入に対して非難の声をあげるのは、知識人やマスコミから「非人道的である」と強い批判を受ける傾向があります。ともかく、いかなるかたちであれ「外国人排斥運動」と見られる言動は、タブー視されやすいようです。これも、一種のナチスの残した遺産と言えるかもしれません。
興味深いのは、メルケル首相自身、もうずいぶんと以前から、「ドイツにおける移民のドイツ社会への統合は失敗に終わった」ということを認めていることです。実際、「2世、3世になるにつれて、ますますドイツ語が話せなくなっている」というイスラム圏からの移民の実態も、統計上明らかになっており、ドイツ生まれ、ドイツ育ちのイスラム原理主義者も増えているのだそうです。そして、ドイツ人の58%が、「国内でのイスラム教徒の活動を制限するべきだ」と考えているという統計データもあります。移民排斥運動が激化する潜在要因には事欠きません。
ちなみに、ドイツでは「メルケルを吊るせ!」は違法なヘイト行為となるわけですが、日本では「しばき隊」の方がツイートしたように「安倍死ね」と言っても、それをもって法に触れるわけではありません。そういう意味では、一般に「日本社会はドイツ社会ほど神経症的ではない、むしろおおらかである」と言えるかもしれません。
また、一方で、ドイツ人の東洋人差別の酷さは、一般によく知られているところではあります。少なくとも、フランス人よりは、はるかに蔑視が強いです。例えば、2013年度の英BBCの調査統計によると、世界で一番韓国を嫌っているのはドイツ人(65%)だそうです。もちろん韓国だけでなく日本人の印象も悪いのです。つまり東洋人蔑視の傾向が強いのですが、ともかく、欧州人以外のすべての人種を嫌うのが、一般的なドイツ人の特徴です。それで、今回の移民排斥デモの主催も『西洋のイスラム化に反対する愛国的な欧州人』というネオナチの香りが高い〝金髪碧眼のゲルマン民族以外は、一切人間扱いしない〟右翼団体です。
そう考えると、「かつてドイツには5000万人のヒトラーがいたのだ」という言葉は、あながち大げさではないのかもしれません。ともかく、当時、ドイツ国内唯一のユダヤ人擁護の秘密組織「白バラ」グループを結成したショル兄弟が、超少数派だったのは確かなわけですし、ね。
従って、難民の受け入れに関しても、欧州人の最低賃金以下の格安賃金で利用できる手軽な労働力として、産業界がシリア移民の活用を期待している面も拭えません。豊かさの影で、ドイツは激しい格差社会へと、急速に変貌していくのです。
欧州最大の自動車メーカーであるフォルクスワーゲンの起こした歴史的な不祥事を考えても、日本にはほとんどこないのに、毎年足繁く中国詣を繰り返すメルケルさんの偏った行動(就任11年間で中国訪問は計9回/日本訪問はわずか2回)を考えても、「ドイツさん、綺麗事ばかり言っても、関心があるのは結局お金だけかよ!」と言いたくもなります。
それとともに、最大のビジネスパートナーである〝反人道国家〟中国のご機嫌をとるためなら、公平さを欠く反日言動(靖国批判・慰安婦問題批判など)も辞さないメルケルさんの認識の低さと節操のなさ(?)など考えると、彼女の人道主義的言動というものも、ちょっと素直には頷けない気がするのです。
特に今年3月の二度目の来日の時に、民主党岡田代表との会談で、メルケル首相が、ナチスのユダヤ人への犯罪へのドイツの積極的な反省と謝罪に触れつつ「日本もはやく慰安婦問題を解決すべきだ」と言ったとか言わなかったとか、物議を醸しましたのは記憶に新しいことです。岡田代表は言ったと主張し、メルケル首相は言わなかったと主張していますが。
メルケルさんが、状況に応じて、ころころと政策を180度転換するのは、原発の取り扱いを見ていれば、よくわかります。2005年に成立した第一次政権では、それ以前の内閣の脱原発の方向性を継承していたものの、世界的な原発ルネサンスの流れの中で2009年に突如、原発推進へと舵を切りました。それが2011年の〝フクシマ〟直後に再び脱原発に逆戻りし、言った言葉が「やはり脱原発の方針は正しかった」でした。しかし、そう言いつつも、お隣の原発推進国フランスから、大量に原発由来の電気を買っているわけです。
悪い人ではないでしょうし、本人なりに誠実で頭も良く決断力もある実行力に富んだ優れた指導者だとは思います。けれども、理想を追い求めるあまりでしょうか、どこかちょっと、良い子でいたがる〝調子のいい人〟に見えることがあります。しかし、これは、メルケル首相個人の人柄というより、むしろ、ドイツの知識人に特徴的な性質であり態度であるという気もします。
それに、今回、欧州で唯一、英国だけを訪問している習近平を、最上級の国賓待遇でエリザベス2世が迎え入れ、バッキンガム宮殿に宿泊させ、キャメロン首相が「今こそ歴史上最高の英中黄金時代だ!」と英中の親密化を演出する。そんな利己的で節操なさすぎるイギリスに比べれば、まだしもドイツの方が微笑ましく愛すべき性格をしていると言えるかもしれません。
習近平は、中国の首脳として始めてイギリスの上下院で11分間の演説をし、その後のバッキンガム宮殿での晩餐会でも挨拶しましたが、どちらでも「両国は、残虐な日本人を相手に、協力して正義の戦争を戦った仲だ」と強調し、「中国には二千年前から法的な憲章があるのだから、イギリスから民主政治の講義は受けない」と述べて、人権問題などでの苦言を受けつける気はないということを示しました。習近平さん、財力(中国からの投資額)にモノを言わせて、言いたい放題です。
🌠2015年11月13日、死者130人を出したイスラム国によるパリ同時多発テロの実行犯9人のうち、4人はフランス生まれのイスラム系移民の青年でした、また、首謀者は、ベルギー生まれのイスラム系移民の青年で、さらにもう1人、モロッコ系ベルギー人がいました。彼らはベルギーを拠点として、さまざまなテロを計画・実行してきたようです。
このように、欧州生まれ欧州育ちの青年たちが、イスラム国に次々と加わっているという事実も、欧州の多文化社会の実験が失敗に終わっている明白な証しと言えるでしょう。また、実行犯のうちの他の2人は、シリア難民を装って欧州に潜入したイスラム国のメンバーか支援者と言われています。あるいはシリア難民をスカウトしたのではないか、とも。そのことからも、今後、ますます難民の流入に危惧を感じる人は増えるでしょう。
現在、フランスは、「我々は戦争状態にある」として「IS打倒!」を宣言し、イスラム国への報復攻撃として、同じくテロの標的となったロシアと手を結んで、IS支配地域への空軍によるさらなる激しい爆撃を行っています。こうした攻撃によって、シリア人の難民化はさらに加速するでしょう。しかし、もはや、欧州は難民の流入には耐えきれないかもしれません。
そもそもメルケル首相が、9月5日に「ハンガリーで足止めされているシリア難民の亡命申請を無制限に受け入れる」と発表して以来、難民の流入はさらに加速し、9月一ヶ月間のドイツへの難民の流入数は、16万4000人に達しました。ミュンヘン中央駅など、ドイツ南部の各州都の駅には、平均して一日5000人の難民が、毎日到着しているのです。最終的には、今年一年で100万人の難民がドイツになだれ込むかもしれないという予測もあり、その数は去年の難民申請数20万人の5倍にもなります。
当然、難民の大量流入のきっかけをつくったメルケル首相の方針への批判も強まりましたが、9月15日の記者会見では「率直に言う。もし、緊急事態に難民に優しい顔を見せたことで、わたしが謝罪しなければならないというのなら、そんな国はわたしの国ではない」と反論しました。強い人道主義の姿勢を打ち出したわけです。「難民への攻撃や収容施設への焼き討ちには、国家として厳しく対処する」と、人種差別的民族主義の台頭に対しては強く釘を刺しています。
しかし、ロシアによるシリア反体制派へのミサイル攻撃も始まり、アサド政権と反体制派とイスラム国の三つ巴の争いが続き、シリア国内の安定化がまったく見えてこない現状で、欧州に流入する難民の数が減少に転じる気配はまったくありません。また、シリア以外の国々からの経済難民の割合も非常に多いと見られており、その政治難民と経済難民の選別をせずに、一時的に入国を許可している現状を、問題視する向きもありました。
ドイツ各地では、今年に入ってからだけでも500件に及ぶ難民収容所への放火事件の他に、難民に対する暴行事件も多発し、激しい難民受け入れ反対のデモも数多く起こっており、国内の軋轢はますますひどくなっています。このままでは、難民受け入れに非常に積極的で、難民の無制限一時入国許可を実施してきたメルケル首相は、かなり苦しい立場に追い込まれる危険性も出てきています。
今月10月13日にも、東部の都市ドレスデンでは、かなり過激な数千人規模の難民排斥デモが起こっており、そのデモのメンバーが「メルケルを吊るせ!」と絞首台を持ち出して行進したことから、検察当局がデモ参加者の捜査に乗り出しているとのことです。
そうした中、ついに10月17日には、「シリアと関係のない平和な地域からの経済難民は原則入国させない」とする難民受け入れ制限の法律が成立し、実施されることが決まりました。ただし、メルケル首相は、相変わらず「紛争を逃れてきた政治難民の受け入れには上限を設けない」と明言しており、強気の姿勢を崩してはいません。しかし、その一方で、メルケル首相は、「現在、爆発的に増えつつある欧州へのシリアからの難民の流入を減らすためには、隣国トルコとの協力と連携が不可欠である」として、「難民保護のためのトルコへの緊急の援助が必要だ」と、EU各国へ呼びかけています。
奇しくも、この同日17日に、ケルンではメルケル派の最有力市長候補が、市内での選挙運動中に襲撃され、首を刺されて重傷を負いました。逮捕された44歳の無職の男は、「人種的な問題で犯行に及んだ」と言っています。ドイツの移民問題は、本当に厄介なことになってきました。
トルコは18日にメルケル首相と会談しましたが、互いの溝はそう簡単には埋まらなさそうです。トルコのエルドアン大統領は16日に、メルケル首相がノーベル平和賞候補にあがっていることについて「われわれは既に250万人のシリア難民を受け入れているが、それについては欧州諸国は気にも留めない」と皮肉を述べています。
それにしても、ドイツでは、政治家や役人や識者が、難民受け入れに否定的な態度をとるのは、公式にはなかなか難しそうです。特に、政治難民の流入に対して非難の声をあげるのは、知識人やマスコミから「非人道的である」と強い批判を受ける傾向があります。ともかく、いかなるかたちであれ「外国人排斥運動」と見られる言動は、タブー視されやすいようです。これも、一種のナチスの残した遺産と言えるかもしれません。
興味深いのは、メルケル首相自身、もうずいぶんと以前から、「ドイツにおける移民のドイツ社会への統合は失敗に終わった」ということを認めていることです。実際、「2世、3世になるにつれて、ますますドイツ語が話せなくなっている」というイスラム圏からの移民の実態も、統計上明らかになっており、ドイツ生まれ、ドイツ育ちのイスラム原理主義者も増えているのだそうです。そして、ドイツ人の58%が、「国内でのイスラム教徒の活動を制限するべきだ」と考えているという統計データもあります。移民排斥運動が激化する潜在要因には事欠きません。
ちなみに、ドイツでは「メルケルを吊るせ!」は違法なヘイト行為となるわけですが、日本では「しばき隊」の方がツイートしたように「安倍死ね」と言っても、それをもって法に触れるわけではありません。そういう意味では、一般に「日本社会はドイツ社会ほど神経症的ではない、むしろおおらかである」と言えるかもしれません。
また、一方で、ドイツ人の東洋人差別の酷さは、一般によく知られているところではあります。少なくとも、フランス人よりは、はるかに蔑視が強いです。例えば、2013年度の英BBCの調査統計によると、世界で一番韓国を嫌っているのはドイツ人(65%)だそうです。もちろん韓国だけでなく日本人の印象も悪いのです。つまり東洋人蔑視の傾向が強いのですが、ともかく、欧州人以外のすべての人種を嫌うのが、一般的なドイツ人の特徴です。それで、今回の移民排斥デモの主催も『西洋のイスラム化に反対する愛国的な欧州人』というネオナチの香りが高い〝金髪碧眼のゲルマン民族以外は、一切人間扱いしない〟右翼団体です。
そう考えると、「かつてドイツには5000万人のヒトラーがいたのだ」という言葉は、あながち大げさではないのかもしれません。ともかく、当時、ドイツ国内唯一のユダヤ人擁護の秘密組織「白バラ」グループを結成したショル兄弟が、超少数派だったのは確かなわけですし、ね。
従って、難民の受け入れに関しても、欧州人の最低賃金以下の格安賃金で利用できる手軽な労働力として、産業界がシリア移民の活用を期待している面も拭えません。豊かさの影で、ドイツは激しい格差社会へと、急速に変貌していくのです。
欧州最大の自動車メーカーであるフォルクスワーゲンの起こした歴史的な不祥事を考えても、日本にはほとんどこないのに、毎年足繁く中国詣を繰り返すメルケルさんの偏った行動(就任11年間で中国訪問は計9回/日本訪問はわずか2回)を考えても、「ドイツさん、綺麗事ばかり言っても、関心があるのは結局お金だけかよ!」と言いたくもなります。
それとともに、最大のビジネスパートナーである〝反人道国家〟中国のご機嫌をとるためなら、公平さを欠く反日言動(靖国批判・慰安婦問題批判など)も辞さないメルケルさんの認識の低さと節操のなさ(?)など考えると、彼女の人道主義的言動というものも、ちょっと素直には頷けない気がするのです。
特に今年3月の二度目の来日の時に、民主党岡田代表との会談で、メルケル首相が、ナチスのユダヤ人への犯罪へのドイツの積極的な反省と謝罪に触れつつ「日本もはやく慰安婦問題を解決すべきだ」と言ったとか言わなかったとか、物議を醸しましたのは記憶に新しいことです。岡田代表は言ったと主張し、メルケル首相は言わなかったと主張していますが。
メルケルさんが、状況に応じて、ころころと政策を180度転換するのは、原発の取り扱いを見ていれば、よくわかります。2005年に成立した第一次政権では、それ以前の内閣の脱原発の方向性を継承していたものの、世界的な原発ルネサンスの流れの中で2009年に突如、原発推進へと舵を切りました。それが2011年の〝フクシマ〟直後に再び脱原発に逆戻りし、言った言葉が「やはり脱原発の方針は正しかった」でした。しかし、そう言いつつも、お隣の原発推進国フランスから、大量に原発由来の電気を買っているわけです。
悪い人ではないでしょうし、本人なりに誠実で頭も良く決断力もある実行力に富んだ優れた指導者だとは思います。けれども、理想を追い求めるあまりでしょうか、どこかちょっと、良い子でいたがる〝調子のいい人〟に見えることがあります。しかし、これは、メルケル首相個人の人柄というより、むしろ、ドイツの知識人に特徴的な性質であり態度であるという気もします。
それに、今回、欧州で唯一、英国だけを訪問している習近平を、最上級の国賓待遇でエリザベス2世が迎え入れ、バッキンガム宮殿に宿泊させ、キャメロン首相が「今こそ歴史上最高の英中黄金時代だ!」と英中の親密化を演出する。そんな利己的で節操なさすぎるイギリスに比べれば、まだしもドイツの方が微笑ましく愛すべき性格をしていると言えるかもしれません。
習近平は、中国の首脳として始めてイギリスの上下院で11分間の演説をし、その後のバッキンガム宮殿での晩餐会でも挨拶しましたが、どちらでも「両国は、残虐な日本人を相手に、協力して正義の戦争を戦った仲だ」と強調し、「中国には二千年前から法的な憲章があるのだから、イギリスから民主政治の講義は受けない」と述べて、人権問題などでの苦言を受けつける気はないということを示しました。習近平さん、財力(中国からの投資額)にモノを言わせて、言いたい放題です。
🌠2015年11月13日、死者130人を出したイスラム国によるパリ同時多発テロの実行犯9人のうち、4人はフランス生まれのイスラム系移民の青年でした、また、首謀者は、ベルギー生まれのイスラム系移民の青年で、さらにもう1人、モロッコ系ベルギー人がいました。彼らはベルギーを拠点として、さまざまなテロを計画・実行してきたようです。
このように、欧州生まれ欧州育ちの青年たちが、イスラム国に次々と加わっているという事実も、欧州の多文化社会の実験が失敗に終わっている明白な証しと言えるでしょう。また、実行犯のうちの他の2人は、シリア難民を装って欧州に潜入したイスラム国のメンバーか支援者と言われています。あるいはシリア難民をスカウトしたのではないか、とも。そのことからも、今後、ますます難民の流入に危惧を感じる人は増えるでしょう。
現在、フランスは、「我々は戦争状態にある」として「IS打倒!」を宣言し、イスラム国への報復攻撃として、同じくテロの標的となったロシアと手を結んで、IS支配地域への空軍によるさらなる激しい爆撃を行っています。こうした攻撃によって、シリア人の難民化はさらに加速するでしょう。しかし、もはや、欧州は難民の流入には耐えきれないかもしれません。