沖縄県民の選んだ翁長知事が、辺野古基地の工事をストップさせようとしています。もちろん政府は知事の決断に従うはずはなく、沖縄県と政府は互いに裁判に訴えようという構えです。
また、つい最近、「日本政府が基地をこれ以上増やそうとするなら、沖縄は独立した方がいい」「独立に必要なお金は中国が出してくれる」と言う保守政治家の発言を、八重山日報の編集長が報じています(2015.3.7)。
端的に言えば、沖縄のオピニオンリーダーと目されているらしい、この保守政治家の感覚は、「日本については、その一部でありたくない。中国には、併合されても構わない」というほどの日本嫌いで、中国好きというわけです。冊封時代の影響か、今だに事大主義(*)の傾向が強く、その点では、なんだか韓国人の感覚に似ています。
「こんな考えは、一般的な県民意識とはかけ離れている」という人もいますが、しかし、現実に、こうした政治家を為政者として選んでいるのは、間違いなく沖縄県民なのです。昨今の沖縄県民の選択を見ていると、やはり、この県は、自らの偽らざる意志に従って、日本から独立した方がいいと感じます。その結果、たとえ中国に呑み込まれることになるとしても、です。「日本人でいたくない」という自分の本心に、いつまでも嘘をついている必要はありません。自らの内なる民族主義(**)に殉ずれば良いのです。沖縄は「民族の血潮に燃える島」なのですから。
沖縄独立が現実味を帯びてきたら、沖縄タイムスも琉球新報も、県内主要2紙は、こぞって独立派支持にまわるでしょう。さらに、全国紙では、朝日新聞と毎日新聞が、沖縄独立派を擁護するでしょう。地方紙でも、東京新聞、北海道新聞などは、間違いなく沖縄独立支援の論陣を張るでしょう。さらに、翁長知事も、今月、中国へ行って、要人と会ってくるということですが、習近平主席は、昔から沖縄とは縁の深い方ですし、中国が、沖縄の独立派に対して、心情的・経済的・軍事的支援をおこなう可能性は大いにあります。
もう、こうなったら、一括交付金3500億円も、地方交付税交付金2000億円も、基地地主の地代1000億円も、基地周辺自治体への補助金も、すべて政府にお返しして、米軍にも自衛隊にも、全部沖縄から出て行ってもらい、米軍基地も自衛隊基地も、すべて返還していただいて、経済的・軍事的・政治的に、沖縄は日本から完全に自立したらよいと思うのです。
そうすれば、国がこれまで沖縄県に支出してきた莫大な予算(***)が、以後はまったく要らなくなり、すべて浮くわけです。国庫支出金も地方交付税交付金も、さらに思いやり予算1600億円(沖縄県向け)も、何も贈与する必要がなくなるのですから、国はとても楽になります。
その年間8000億円に及ぶ莫大な資金を使えば、無人の岩礁に空港や港湾設備を備えた巨大な海上基地を建設することができます。竹島の韓国軍の基地や、南沙諸島の岩礁に建設中の中国軍の基地みたいにすればいいのです。米軍も異存はありませんし、日本政府も安定的な東シナ海の国防の要を得ることができます。
それに、周囲が無人の海上基地ができれば、基地の騒音を気にする人もいなくなりますし、米軍基地ゲート前での基地反対運動も、まったく必要なくなります。米軍も自衛隊も沖縄県民も、誰もがそれで満足するのです。これぞ、〝三方大満足の妙案〟ではないでしょうか。
また、すでに存在する下地島空港を利用するという手もあります。反翁長の色の強い宮古島市・石垣市など離島の多くは、沖縄独立にくみしない可能性がありますし、その場合には、宮古などは分離して日本に残るでしょう。普天間飛行場より長い3000mの滑走路を持つ下地島空港は、日本の制空権の要となり、米軍・自衛隊共用で、ここに年間3000億円ほど投入して拡張整備すれば、東洋最強の空軍基地が誕生します。その方が、辺野古に海上基地を作るよりずっと安上がりです。いっそ、4000mクラスの滑走路3本に拡張して、嘉手納の機能も何もかも移転してしまえばいいのです。
ですから、沖縄県よ、さあ、独立しましょう。これまで依存してきた1兆5500億円もの政府支出にサヨナラして、県GDPの40%を自ら進んで捨てるのです。「働かざる者、食うべからず」の格言に従おうという、その心意気を賞賛しましょう。さらにあらゆる軍事力を捨て、完全に武器のない島になるというのです。その勇気と信念(無謀と妄念?)を称えましょう。

*事大主義とは、中国の周辺諸国が、冊封体制の中で長年培ってきた、中国への親近感や依頼心に基づく固定観念を指します。一般的には「中国に従ってさえいれば、万事うまくいく」という自立心ゼロの依存的な考え方です。
また、中国を世界の中心において、中国との距離の近さを競う、国家間・民族間の序列意識も含みます。「我々は中国に最も近い(地理的・政治的・経済的・文化的に)から、周辺諸国の中では一番地位が上だ」と、根拠なく無条件に差別的に考えるのです。
その最大の問題点は、自己価値を測る上で、中国(他者)が絶対の物差しであり、自立心・自律意識がまったく欠如しているということです。そのため、事大主義の濃厚な社会は、依存心が強く、序列意識や差別意識の強い、流動性の低い固定的な格差社会となりがちです。

**民族主義(ナショナリズム)と愛国主義(パトリオシズム)は、全く違う概念です。民族主義は、偏狭な純血主義と土着主義に基盤をおき、非常に閉鎖的で自己中心的です。愛国主義は、血統はまったく重視しませんし、人種的には解放的です。義務を重んじ、むしろ、自己犠牲的な側面もあります。
沖縄の場合は、民族主義(ナショナリズム)はとても強いですが、愛国主義(パトリオシズム)についてはほとんど感じられません。沖縄県民は、日本への愛国心だけでなく、琉球への愛郷心や忠誠心さえも薄く、ひたすら利己的で視野の狭い頑迷な恨みつらみと、排外的な土着意識やら帰属意識やらが絡み合った、地域的・差別的な民族心だけが、色濃いように思われるのです。
例えば、沖縄の政治的活動の中心地である首里にも読谷にも、強烈に排他的な土着意識があります。首里の人は気位が高く、他の地域出身の人を格下として見下しています。読谷の人は、共同体への帰属意識が異常に強く、村外の人と結婚すると「どうして村内の相応しい人と結婚できなかったのか?」と、悪い噂が立つほどです。当然、そのよそ者の配偶者は、村内ではなかなか受け入れてもらえません。
また、本島の人が、宮古・八重山の人を、強烈に差別する風習もあります。さらに、宮古地方の中にも、旧平良市出身の人(平良第一小学校出身)が、伊良部とか池間とか久松とか城辺とか、他のあらゆる地域出身者を見下す意識が顕著であり、高学歴者に限って学歴や職業を強く意識して差別する姿勢も目立ちます。
このように、沖縄全域に渡って、各地に悪しき民族主義(ナショナリズム)が及ぼす根深い差別意識・序列意識が、今も強烈に残っているのです。

***「沖縄の振興予算はそんなに多くない」と、沖縄タイムスは報道しています。ものすごい詭弁です。現実には、沖縄県は、人口が500万で面積も途方もなく広い北海道と似たような額の、莫大な補助金をもらっています。当然、人口比にしたら、ダントツでトップクラス(3.11復興資金の入る県を除けば)の金額になります。その上、基地地主への地代(免税)や思いやり予算(基地雇用や家賃収入)が、県民の経済を支えています。そうした政府支出の総金額が、県GDP(****)の41.5%(高知44.5%、島根43.2%についで、全国3位)を占めているのです。これは全国平均23.6%と比べて、かなり大きい数字です。
もしも沖縄から、青い海とサンゴ礁という自然の恵みが失われれば、現状ではGDPの10%を占めている観光収入は、かなりの度合いで激減していくでしょうから、いずれは高知を抜いて政府支出依存率が全国1位となる可能性もあります。観光収入が半減すれば、おそらく、政府支出依存率は50%を超えるのではないでしょうか。
しかも、やれホテルを建てるだの学校を移設するだのと、美しい海岸線を手当たり次第に埋めたてして、サンゴ礁を死滅に追いやっているのは、ほかならぬ県民自身なのです。かろうじて基地があるおかげで、わずかに開発を免れて美しい海岸が保全されている部分があるだけです。

****沖縄県のGDP総額は、3兆8000億円(34位)です。島根県(2兆4000億円45位)や高知県(2兆1500億円46位)より、ずっと大きいのです。ですから、政府支出への依存率が、同じ約40%だと言っても、総額にすれば、はるかに多額の政府支出をいただいています。つまり、それだけ政府に負担をかけているのです。
それに、島根や高知は典型的な過疎県であり、平均年齢は、島根46.7歳(46位)、高知46.5歳(45位)と、全国でも有数の高齢者の多い県なのです。従って、その政府支出も、高齢者への福祉や年金・健康保険費用など社会保障費が中心になります。
その一方で、沖縄は、平均年齢39.1歳(全国1位)と、日本一長命でありながら、全国一子沢山で、若年人口が最も多い県です。つまり、日本一高齢者割合が低く、労働人口比率の高い県なのです。それゆえ、若者の多い沖縄県は、島根や高知ほど、年金や保険など社会保障費を必要としません。それで、インフラ整備や他の公共サービスに、より多くの予算を配分できるわけです。例えば、豊富な資金を背景に、村が火葬場を村費で運営し、火葬代をタダにしているという自治体もあります。
さらに、総人口も、沖縄は142万人(28位)で、高知76万人(45位)、島根71万人(46位)のおよそ2倍です。平均年齢も低いので、労働人口は3倍近くいるはずです。それだけの若い人が働いているはずなのに、青い海に砂浜など恵まれた観光資源も多く持っているのに、橋や空港や港湾や道路などインフラ(*****)もこれ以上ないほど整っているのに、なぜ人口が沖縄の半分しかない高知県の2倍すらも稼げないのでしょうか。
残念ながら、沖縄の1人当たり県民所得は、高知(220万円/46位)より低い、全国最低の202万円(47位)です。風光明媚で恵まれた亜熱帯の環境にある若者の島沖縄は、老人過多の過疎地域高知ほどにも稼げていないのです。
その理由としては、沖縄は、唯一農地改革が行われなかったこともあって、巨額の富を独り占めにしている基地地主たちが大勢いる一方で、極端な貧困層はさらにその何十倍もいて、全国一収入格差が激しいということもあります。
同時に、富裕層も貧困層も、寄生的な収入に頼っている面が強く、全体として怠惰であることも理由に挙げられるでしょう。気候も良く、何もしなくとも、莫大なお金が入ってくるので、そのお金でぬくぬくと生きているのです。
ですから、沖縄の経済・社会状況は、途上国の開発がなかなか進まないのと同じ要因・構造を抱えているということです。ある意味、非常に甘やかされている途上国という感があります。

*****沖縄の空港数は、北海道(14空港)についで、2位(13空港)です。ちなみに3位は鹿児島(8空港)、4位は東京(7空港)です。広大な民間旅客機のパイロット練習用の飛行場(下地島空港******)まで持っている県は、沖縄だけです。
また、港湾数では、沖縄は7位(41港/漁獲高34位)です。ちなみに1位鹿児島(131/漁獲高19位)、2位長崎(82/漁獲高23位)、3位島根(81/漁獲高6位)、4位香川(66/漁獲高25位)、5位愛媛(50/漁獲高21位)、6位広島(44/漁獲高11位)です。ただ、この41港という数字は、データとして正しいのか、かなり、疑問があります。実際にはもっと多いと思うのです。例えば、面積21㎢で人口1300人の伊平屋島には、三つの港湾施設があります。どこの離島もそんな感じなのです。
さらに、橋については、日本の無料橋の長さランキングで、1位伊良部大橋、3位古宇利大橋、4位来間大橋と、沖縄の橋が1、3、4位となっています。そして、全国の人気の橋クチコミランキングでは、1位に来間大橋、3位に古宇利大橋、8位にニライカナイ橋が入っています。そのうち伊良部大橋が1位になるでしょうし、そうすると、人気1、2、4、9位が沖縄の橋ということになるでしょう。しかも、それらの橋は、非常に人口の少ないところに、惜しげも無く巨額の予算を投入して作られています。例えば瀬戸大橋並みの全国9位の長さを誇る古宇利大橋は、本島と人口350人しか住んでいない古宇利島を繋いで架けられているのです。
そして、本島と離島を結ぶフェリーが、ともかく豪華です。例えば人口1300人の伊平屋島に、定員300名車両積載量40台の巨大フェリーが、一日二往復しています。乗客数は、平均して数十人ですから、完全に赤字です。フェリー自体も40億円ほどするそうですし。
こうしてデータを見てみても、とりあえず、沖縄県のインフラは他県に比べて整っています。長い目で見て、はたして、これらの無料橋や飛行場(下地島空港など)やフェリーを維持管理する能力があるのか、という問題はありますが。どうも、この県の役人たちは、これらの高度インフラの維持に関しても、国に全面的に依存し続けるつもり満々のようです。

******下地島空港は全長3000m幅60mの滑走路を一本持つ、日本で唯一のパイロット訓練用飛行場です。ちなみに、この空港は、沖縄県にある民間空港の中では、滑走路の大きさが最大規模の飛行場です。
県内最大の空港である那覇国際空港でさえ、滑走路は全長3000m幅45mのものが一本あるのみです。県内屈指の地方空港である宮古島空港や新石垣空港の滑走路は、全長2000m幅45mしかありません。そう考えると、下地島空港が、どれほど大きいか、想像がつくと思います。
ちなみに、2013年まで使用されていた旧石垣空港の滑走路は、全長1500m幅45mと極端に短く、しかも滑走路のすぐ目の前に街の建物が迫っているという極めて危険なものでした。それでも、危険だ、危険だと言われながら、新空港の建設は遅々として進まず、30年間も放置されていたのです。
現在、世界一危険な空港と騒がれている普天間飛行場は、滑走路が全長2700mありますから、民間と軍用では航空機の種類が違うとは言え、ついこの間まで使用していた旧石垣空港と比べて、いったい普天間の何がそれほど危険なのだろうかと、首をかしげたくもなります。
それでも、周囲に街がある普天間飛行場よりは、周囲にほとんど家もない下地島飛行場の方が、ずっと軍用飛行場に向いていると思います。尖閣にもはるかに近いですし、航空自衛隊の基地としても最適です。
しかも、下地島飛行場は、JAL撤退後の飛行場維持費の負担増を理由に、2014年度を最後にANAも撤退し、現在まったく使用されていません。そして、今年2015年度の飛行場維持費3億6000万円は、翁長知事の意向で沖縄県が出すことになっています。
誰も使わない空港の維持費に毎年数億円県費を割くような、そんな馬鹿げた無駄遣いをせずに、まずは空自の基地にしてもらえば、何の問題もないと思うのですが。やはり、沖縄県は、米軍にも自衛隊にも下地島飛行場を使わせたくないようです。



ところで、沖縄県が日本から独立したら、実際にはどうなるのでしょう。よく、「そんなことは不可能だ」という声が聞かれます。しかし、わたしは「大方の予想に反して、意外とうまくいくのではないか」と思っています。
まず、沖縄県庁が独立宣言をしたら、真っ先に韓国と中国が承認してくれるでしょう。そして、大挙して中国人・韓国人がやってくるでしょう。移住者が増えて、そのうち公用語は中国語と韓国語が主流になるかもしれません。将来的には国語は中国語になるのかな。
離島でも、人口がどんどん増え、土地価格も上昇し、中国企業が進出して、観光産業もますます栄えるに違いありません。いいことずくめ、です。自国では土地の私有が一切許されない中国人にとって、沖縄は格好のリゾート別荘地となるのです。韓国人の富裕層も、こぞって土地を買い漁るでしょう。ハワイのように、無人島をまるごと買うセレブも、でてくるでしょう。沖縄は、〝永遠の土地バブル〟に繁栄するのです。天井知らずの地価の上昇に、地主たちは、みんな、「独立して本当に良かった」と、大喜びするでしょう。
カジノを公営化し、一大遊戯施設をつくるのです。東洋のモナコとか、アジアのラスベガスとか、極東のカタールとか、言われるようになるかもしれません。あるいは華人の多さから、もう一つのシンガポールと言われるようになるかもしれません。マーライオンの代わりに、巨大な龍塔とかシーサーライオンがシンボルの華人国家になるのです。
海外から、大量の資本と安い労働力がどんどん流入し、やがてはホテルの経営者も従業員も、レストランの経営者も従業員も、土産物屋の経営者も従業員も、タクシーの運転手も、学校の先生も大学教授も、みんな中国人のなります。整形外科医と風俗店の経営者は韓国人です。街のほとんどの看板は中国語になって、その中に、すこしハングルも混じるでしょう。
もともと財産がない人たちは、独立後、だんだんと「仕事を中国人や韓国人に取られるようになってしまった」と嘆くようになるかもしれません。「中国語も韓国語もしゃべれないし、日本に行こうかな」という人もでてきます。少子化の日本では、労働ビザは意外と簡単に取れるし、日本は社会保障の面で外国人に手厚い国だからです。
ただし、政治的には、沖縄はますます中国との関係を深めていきます。そのうち中国と軍事同盟が結ばれ、中国軍の基地が置かれるようになるかもしれません。それもまたよし、です。件の保守政治家の発言にも見られるように、「自分は日本人ではない。琉球人だ。」と思う人にとっては、たとえ沖縄が中国に飲み込まれたとしても何の問題もありません。
繰り返しますが、おそらくは冊封時代から刻まれているDNAによってかもしれませんが、沖縄県民はともかく中国が大好きだからです。むしろ、中国人になりたいのかもしれません。「今の強い中国の一部になりたい」という意味も含めて。



【2030年 ある琉球国の高校生の作文】
独立から10年が経ちました。今では、クラスの生徒の半分は中国人です。国語の授業は、中国語で受けるクラスと日本語で受けるクラスがあります。どちらでも自由に選べるのですが、日本語のクラスはあまり人気がありません。私立の学校では、すべて中国語で授業をしているせいで、父母の人気があります。
中国との軍事同盟の締結が間近に迫っています。地元の漁師さんたちは、中国の海警に取り締まってもらった方が、中国人や韓国人の違法操業も減ると言っています。それに琉球政府は、中国との同盟がなければ、琉球の独立は維持できないと訴えています。街の人は、世界最強の中国軍の基地があると、アメリカや日本が攻めてこないから安心だと言う人もいます。
左翼の中華党は、中国との合併によって、土地の国有化が実現すれば、ひどい格差がなくなると主張しています。保守の独立党政府も、慎重ではありますが、前向きに合併を検討していると言っています。
裏切り者の日本に再び見捨てられて、やむなく独立した当初は、琉球政府はひどい財政難で、公務員の給料も半年以上出ませんでした。その時、援助の手を差し伸べてくれたのが、中国だったのです。だから、琉球政府は中国政府にとても感謝しています。その感謝の証として、政府は中国に尖閣諸島を割譲しました。
今では、釣魚島(日本名魚釣島)には、中国軍の巨大な海上基地ができています。中学校の宿泊研修で、釣魚島の見学に行った時には、とても広い飛行場に色々な種類の飛行機があって、港湾施設には軍艦がたくさんいて、岩山の上には巨大なレーダーがあって、何もかも大きくて本当にびっくりしました。東海(日本名東シナ海)を守る中国の軍人さんたちは、みんな背が高くて優しくてかっこ良かったです。
ただ、街を歩いていて思うのは、日本時代と比べて、沖縄の街は本当に汚くなりました。そして、どこの店に入っても、話し声がとてもやかましいです。どこを歩いていても、中国語と韓国語しか聞こえません。
それに、基本的に、一般の中国人や韓国人は、規則を守らないし、態度がとても横柄です。信号も無視するし、順番も守りません。ぶつかっても謝らないし、知り合いでも挨拶もしません。ゴミのポイ捨てを注意したら、中国語や韓国語で喚かれたり、笑われたり、無視されたりします。中には殴りかかってくる人もいます。
中でも、一番嫌なのは、ところかまわずツバを吐くことと、トイレの洗面台に子供にウンコをさせることです。あれだけは、本当に我慢できません。床に唾を吐くのは、絶対にやめて欲しいです。でも、どんなに注意しても、平然と無視されます。当たり前のような顔をして、全然聞いてくれません。
学校でも街でも、日本語を話す人たちは、だんだん肩身が狭くなってきました。もともと日本語は静かな言葉なのですが、沖縄では日本語を話すときには、さらにひそひそ声になります。そんな時は、なんだか息苦しくなることもあります。
学校の授業では、「歴史」は第二次世界大戦の部分に半年かけます。その授業の時は、韓国人と中国人の生徒が、とても威張るのです。みんな、「日本鬼子は侵略者だ。沖縄も同罪だったけど、独立して、もう日本人じゃないから、許してやる」と言います。
そんな時、わたしは「自分が、もう日本人じゃなくて、本当に良かった」と、心の底から思うのです。これから、もっともっと中国語を一生懸命勉強したいと思います。



【2040年 福建省琉球県 ある中学生のブログ】
僕は中国人です。ちょっと前までは琉球人でした。でも僕は、中国も琉球も、どっちも好きじゃありません。かつて、この島は、軍国主義国「日本」の一部でした。そして、アメリカ軍の基地がありました。今では、民主主義国「中国」の一部で、わが人民解放軍の基地が、琉球本島と周辺の離島に、至る所に建設されています。
大人たちは、「小日本が怖いから、軍の基地があると安心だ」と口をそろえて言います。昔、沖縄が日本に支配されていた頃には、たくさんの沖縄の人が、残忍な日本兵に殺されたのだそうです。その頃の沖縄は、ナチス・ドイツに支配されていたユダヤ人の収容所みたいなもので、いわば沖縄が島ごとアウシュビッツだったのだと、いつも聞かされてます。
学校の先生は、「一番怖かったのは日本兵で、その次がアメリカ兵だった」と授業で教えます。「特に日本人は、もともと残虐性の強い民族で、その小日本のすぐ隣に位置している琉球県は、今でも決して油断できないのだ」と強く言います。
みんな「日本鬼子は、いつでも戦争したがっている」と信じています。それで、「中国の援助で、ようやく琉球が小日本から独立できたのは、とても幸せなことだった」「こうして今、中国の一部になれてもっと幸せだ」「今は中国の核が守ってくれているから、日本もアメリカも琉球に手は出せない」と、大人たちはいつも言います。
でも僕は、大人たちのいうことは、ぜんぜん信用できません。どうしてか、全部、自分に都合の良い嘘に聞こえるのです。本当に日本人は、そんなに残虐な民族なのでしょうか。
統計でみると、日本の犯罪発生率は世界一低く、わが中国の10分の1です。殺人事件の割合も低く、人口比でみて中国の3分の1(*)なのです。こんな安全な国は、世界に他にありません。そういう秩序ある社会を作り上げた人々が、本当に冷酷で残虐で嘘つきで、まったく信用のできない犯罪者の集団だと教えられても、僕にはさっぱり意味がわかりません。
歴史を調べていた時、僕は第二次世界大戦での沖縄戦の別の面を知ることができました。学校では、「日本兵は血も涙もない連中で、沖縄の民間人を殺しまくったのだ」と教えられたのですが、どう考えても、これは大嘘です。
それは確かに、軍事基地である壕に避難してきた民間人を収容する余裕がないので、外に追い出したり、軍が撤退する時に、捕虜になった民間人から情報が漏れないように、村落での虐殺などは、一部であったでしょう。傷病兵も、皆、毒殺したり、自殺を促したりした後でないと撤退もできないんですから、投降を許さない戦陣訓は間違っていましたね。戦争って、本当に悲惨です。
けれども、日本軍には、沖縄の学生も多数参加していたのです。ひめゆり部隊だって従軍していたのです。民間人にそれほど残虐な行為ができたとは思えません。基本的には、〝日本軍は沖縄を守るために戦った〟のです。なぜ、この明白な事実を、大人たちは否定するのでしょう。僕はそこが納得いかないのです。
僕は以前、知覧から沖縄を守るために飛び立った特攻隊のことを持ち出して、大人たちに反論したことがあります。ところが、彼らは「馬鹿、あれは沖縄を爆撃するために飛んで来たんだ!」と言い張るのです。さらに戦艦大和の沖縄への特攻のことを挙げると、「いいか、あの船は、沖縄を砲撃するために、こっちに向かっていたんだ!」と、ものすごい剣幕で言い放ちます。
まったく話が通じません。なんて勝手な屁理屈なのでしょう。これは一種の精神の病なのでしょうか。これでは、自分の命を捨てて、沖縄を守ろうと出撃した特攻隊員たちが、浮かばれないと思いました。
日本は、一度も沖縄を見捨てようとしたことなど、なかったんじゃないでしょうか。日本に二度も見捨てられたなんて、そう思い込もうとしているのは、沖縄人のひがみ根性ではないでしょうか。
僕は日本のことが大好きです。知れば知るほど好きになります。そして、僕のように感じている子は、そんなに多くはないけれど他にもいます。僕たちは、沖縄が中国の一部になってしまったことが悔しいんです。そして、独立なんかしなければよかったのに、と思っています。
沖縄の人は、みんな、事ある毎に「日本には見捨てられたんだ。今の俺たちが中国に楯突いて生きていけるものか!」と言います。結局のところ、沖縄の独立には、独立不羈の精神なんてカケラもなかったんです。この島の人間には、依存体質の遺伝子が、DNAに刻み込まれているんじゃないかと思います。「長いものには巻かれろ」ということです。
こうした〝事大主義〟の傾向は、中国の周辺地域の社会の特徴かもしれません。そういう意味では、沖縄は韓国に似ている気がします。むしろ、自立心が旺盛なのは、古代から中国に依存せずに独自の道を歩んできた日本人の方です。
僕たちが、今でも日本人のままだったなら、どんなによかったろう、と思うのです。幸い僕は、中国語より日本語の方が得意です。国籍は(残念ながら)中国人ですが、僕の心は今でも日本人なのです。そして、いつの日か、何とかして、本当に日本人になってやろうと思っています。
それまでは、当分の間、この日本語ブログで、自分の思うことを綴っていこうと思っています。韓国に、自国批判の日本語ブログを書いている〝シンシアリーさん〟という伝説のブロガーがいます。もう何十年も、母国語ではない日本語で、韓国の情報を発信し続けている人です。本もたくさん書いているみたいですが、残念ながら、違法な個人輸入をするしか、沖縄では手に入りません。実は、その人の影響で、自分もブログを書いてみようと思ったんです。中国は、当局のネット監視が世界一厳しいので、いつまで続けられるかわかりませんが、やれるだけやってみようと思っています。これから中国の情報を、いろいろお届けしますね。
では、今日はこれで。

*2014年の統計では、10万人あたりの殺人発生率は、日本0.3人、香港0.4人、韓国0.9人、中国1.0人、台湾3.0人となっています。しかし、香港、韓国、中国については、このデータは、はたしてどうなんだろうかとも感じます。
ちなみに、10万人あたりの交通事故死亡率は、データが出ているのは、日本4.9人と韓国13.9人だけです。



🌠2015.9.翁長知事が、ジュネーブの国連人権委員会で、「辺野古の基地建設は、日本政府による沖縄県民に対する人種差別的な人権蹂躙である」「沖縄県民の自己決定権に対する侵害である」と日本政府への抗議の演説をしました。
沖縄の自己決定権を主張するということは、「日本の国から一切お金をもらう気などない」ということです。知事は、中国を後ろ盾として、非常に強気の姿勢を打ち出しているように思えます。チベット・ウイグルへの本物の人権蹂躙を重ねる中国とは仲良くし、今の沖縄の現状を国連に訴える翁長氏。さすが、共産党・社民党・社大党・民主党が支持する沖縄県知事です。
この史上初めて自治体の長が日本政府を訴えるために国連に打って出る勇ましい様子は、「日本政府の出方次第では、沖縄は本当に独立しますよ」という明白な脅しの態勢にも見えます。さらに、県内マスコミ及び、朝日・毎日新聞などは、例によって翁長氏熱烈支持の報道をしています。おそらく、彼らはみな、近い将来の沖縄の独立を支持し、密かに祝福しているのでしょう。
その一方で、宮古島市長を盟主として、石垣市、沖縄市、うるま市など、県内9市の市長が、反翁長知事同志会を結成して、菅内閣官房長官と懇談しました。那覇市、名護市を除く県内9市の市長たちは、「我々の意志は、翁長氏とまったく違います」という意味のメッセージを、政府に伝えたようにも受け取れます。
予測されたように、特に宮古、石垣などの離島は、いざとなったら本島から分離してでも、日本からの独立を拒否するのではないかと思われます。しかし、翁長氏の側近である那覇市長、辺野古を抱える稲嶺名護市長は、当然ながら知事側に立っています。那覇市・名護市は、民族主義傾向と独立志向が、ともに強いようです。
ただ、現在、政府からの補助金を拒絶している名護市では、財政がかなり逼迫しており、とりわけ健康保険税が高くなりすぎて、住民が名護市から移転したがる傾向が強まっていると聞きます。
それにしても翁長氏は、自民党市議・県議時代は辺野古誘致に非常に積極的でした。かつては辺野古推進の旗振り役だったのに、基地賛成で選挙に落ちる盟友たちを尻目に、鮮やかに反基地派に鞍替えし、以後も選挙で負け知らずで、ついに知事にまで登り詰めたのです。やはり、問題は、翁長氏や稲嶺氏にではなく、彼らを支持する沖縄県民自体にあると言っていいでしょう。


🌠2015年10月末、来年に総統選挙を控える台湾の世論調査では、「中国との分離を国際的に明確に認めさせる台湾完全独立」を支持する声が46.4%いる(中国との統一支持派は16.1%)一方で、「将来的には台湾は中国に吸収併合されるだろう」と予測する人が49.7%にのぼる(完全独立予想は35.9%/現状維持予想は14.4%)と発表されました。「独立は維持したいが、大陸中国との力関係から、いずれは否応無く併合されるだろう」という悲観的な予測が支配的であるということです。
来年の総統選挙に関しては、台湾独立を綱領に掲げる民進党候補が勝利するのではないかとも予想されています。それを中国は極度に警戒してもいるようです。沖縄県民は、そんな台湾が羨ましいのでしょうか。