デンサー節(八重山民謡)

デンサー節ちゅくてぃ
(教訓歌を作って)
わらびんちゃにゆまちぃ
(子供たちに読ませて)
しきんのいましみなゆしどぅわんねいにがゆる
(世間で大切に伝えられている戒めを、教え諭すことが私の望みです)
デンサー
(このことを伝えておきますよ)

うふやぬなんてんばなくなだ
(お金持ちだからと嫁にきたのじゃない)
ぬきやぬなんてんばなくなだ
(貧乏だからと嫁にきたのじゃない)
きむぐくるみやでぃくまにゆみくだ
(貴方の心映えの良いのを見て、わたしは嫁にきたのです)
デンサー
(このことを伝えておきますよ)

うやふぁかいしゃふぁから
(親子の関係の良し悪しは、子どもの姿を見れば、わかる)
きょうだいかいしゃうとぅとぅから
(兄弟の間柄の仲の良さは、弟がどれだけ兄を尊敬しているかで、わかる)
きないむつかいしゃゆみぬふぁから
(家庭の仲睦まじさは、嫁の育てる子どもの様子を見ていれば、わかる)
デンサー
(このことを伝えておきますよ)

むぬいいざばつつしみよ
(人の文句を言いたくなった時は、口を慎むことです)
ふつぬふかからんだすなよ
(たとえ思っていても、言葉を口から外へ出してはいけない)
んだてぃからやまたやぬみやならぬ
(一旦口に出してしまってからは、もう一度、その言葉を呑み込むことはできないのです)
デンサー
(このことを伝えておきますよ)

いきがややぬなかばしら
(男は、一家を支える大切な中柱・大黒柱です)
いなぐややぬかがん
(女は、家庭の中の様子を映し出す鏡のようなものです)
くるちばしらとかがんやたげいにすなわり
(立派な黒木の柱と磨いた鏡とは、良き家庭には、常に互いに備わっているものなのです)
デンサー
(このことを伝えておきますよ)


*この歌は、「てぃんさぐぬ花」「なりやまあやぐ」と並んで、沖縄中で歌われている代表的な教訓歌のひとつですが、もともとは八重山地方(石垣島)の民謡です。歌詞もその解釈も、時代や場所によってさまざまに伝えられていますが、ここでは明治時代の石垣のお祖母さんに教わった歌を、そのままの歌詞と解釈で記しておきます。明治期に八重山で歌われていたバージョンということです。
石垣出身のBEGINの歌「島んちゅぬ宝」の中に「トゥバラーマもデンサー節も、言葉の意味さえわからない」という歌詞がありますが、何が歌われているのかわからなければ、なかなか本当には言葉が心に染みてこないでしょう。
ネット上でも、さまざまな歌詞やその解釈があげられていますが、どうも私の知っている意味とはあまりに違うので、首をかしげてしまいます。この味わい深い教訓歌の歌詞の本当の意味が失われてしまうのは残念なことです。
この短い詞の中に、沖縄のおじいさんおばあさんの深い知恵の教えが、凝縮されているように、わたしには思われるのです。

デンサー節/Victor

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