ある日、わたしは馴染みの友人の店に行きました。その友人はかなりスピリチュアルな人でした。そしてその友人の店にはいつもスピリチュアルな人たちが集まってきます。その日は一人の真面目そうな青年が来ていました。
「僕はUFOをみたことがあります」と彼がいかにも自慢げに言うので、「へえ、その時怖くなかったの?」と聞いてみました。
「全く怖くありませんでしたね」と言うので、「どうして?UFOがもし侵略者だったらどうするの?どうして完全に善意の存在だと信じられたの?」とついつい突っ込んでしまいました。
すると彼はさもバカにしたように「まあ、これは実際に見たことない人にはわからないでしょうね」と言い、友人もそれに同調して頷くので、ちょっとムカッときて「意思の疎通も出来ない正体不明の存在と突然遭遇して、どうしてあなたは欠片も怖くなかったのか、わたしには納得いかないな!」と、よせばいいのについからんでしまいました。
するとその青年は「貴方、友達いないでしょ?」と真面目な口調で返してくるのです。
はあ~、と思わずあいた口がふさがらない…。
「いきなり初対面でそうきますか?」
「貴方の話がつまらないからですよ。どうでもいいことをいちいち絡んでくるから。心配しなくても、準備のできていないあなたの前には姿を見せませんよ。UFOはね、この人の前なら姿を現しても大丈夫と思う人の前にしか現れませんからね。しかるべき準備が整うまではUFOは見えません。」
「へえ、そうなんだ。何でそんなことわかるの?」
「ただ、わかるからわかるんですよ。見たことのない人に説明は出来ないな。」
だったら初めっからUFOの話なんて自慢げにしなきゃいいのに…。
わたしは、UFOを見たことを、さも選ばれた者のみに与えられる特権のように言うあなたの態度が、どうにも解せなかっただけなんだけどね。
もし、UFOが、わたしたち人類よりも優れたテクノロジーと精神文明を持った星人の乗り物なのだとしたら、彼の前に姿を現したのは、どう考えても軽率だったと思うなあ。
またある日、わたしは知り合いのところへと行きました。その人もかなりスピリチュアルな人です。
見ると珍しく数珠など着けているので、「あら、お数珠つけてるの?」と聞くと、「ええ」と答えながら、彼女は何気ない風にわたしの後ろへと回りました。そして、全く突然バシッと思いっきり背中を叩かれたのです。さらに、肩や後頭部もバシッバシッと強く叩かれ続けました。
いきなりの事に呆然となりながら「痛い、痛い」とわたしは叫びました。
それでも彼女は「サタンめ!悪霊退散!」と言いながらさらに叩こうとします。
「ちょっと待って!一体どういう事?」
わたしが聞くと、目を釣り上げ血相を変えた彼女が言います。
「あなたはサタンです!貴方のおかげで大変なことになっています!ひどい妨害です。ここ二週間、あなたに悩まされっぱなしで、わたしの行動は完全にストップしているんですよ!」
その物凄い剣幕にビックリしたわたしは「はあ~??一体何があったんです?」と聞きました。
「知っているくせに!サタンのくせに!貴方の背後には悪霊がとんでもなくいっぱい付いてます!」
「はあ~?」
「ちゃんとわたしの目を見てください!」
いや、そんな食い入るように睨まれ続けたら、誰でも目をそらすでしょ、と思いつつ、それにしても、余りにも心当たりに乏しいわたしは、どう対応していいのか全く見当もつきません。そして、とりあえず、気を取り直して、わからない事は正直に聞くしかありません。
「はい、でも、だから、一体全体わたしが何をしたと言うんです?わたしがあなたの生活の妨害をしたというのですか?」
「そうです。」
「では、具体的にわたしがしたことをはっきり仰言って下さい!」
「あなたはご存知のはずです。」
「いえ、まるで見当がつきません。お願いだから教えて!」
「では説明しますね。ここしばらく日常生活が困難になっているんです。それで、調べてみたら原因は貴方だったんです。」
「だから一体わたしが何をしたと言うんです!」
「貴方はわかっているはずです。」
「わからないから聞いてます。お願い、教えて!!」
「言っても信じないかも…。」
「信じます。どんなことでも受け止めますよ。仰言って下さい。」
「では、言いますね。実は二週間前、突然わたしの霊感が目覚めたんです。天への扉が開いたんです。それで、神様の知らせで貴方がサタンだとわかったんです!さあ、反省しますか?あなたの背後には悪霊がいっぱいです!」
だんだん事情が飲み込めてきたわたしは、さあ、この場をどう収めるか、思案のしどころだぞ、と自分を叱咤激励しつつ、努めて穏やかに、でも毅然とした口調に聞こえるよう意識しながら言いました。
「はい、わかりました。でもね、わたしは悪霊は絶対につかないんです。なぜなら、わたしは天に繋がる本当の扉である秘密のチャクラを開いてもらっているからです。貴方は天に繋がるチャクラを開けてもらったことがありますか?」
「いえ、何ですか、それって?」
さあ、食いついてきた!
「あのね、この近くに天に帰れる〝本当の〟チャクラを開いてくれるところがあるんですよ。そのチャクラを開いてもらったら、絶対に悪霊は付きません。一生に一度のお祓いみたいなものです。そこはお寺なんだけど、興味があったら行ってご覧なさい。電話番号教えますから。」
実際には当たるも八卦、当たらぬも八卦みたいな感覚で受けただけなのだけど、わたしはいかにも確信を持っているかのように話して聞かせました。
すると、ガラッと態度が変わってきて「あっ、はい。」と、素直に番号をノートするのです。
わたしはこの時とばかりに「あなた、大丈夫だから、しっかりね。わたしはあなたのこと、大切に想ってますからね。」と言いながら、その人の顔を撫でてあげると、目付きも態度も急に穏やかになってきました。
「はい、わたしのこと悪くとらないで下さいね。」
「はいはい、とりませんよ。」と穏やかに返すと、「正直に話せてスッキリしました」と言うので、「良かったね、では、またね」と言って出てきました。
霊感の扉が開くというのは、時として、本人にも周囲にも大変なことのようです。
「僕はUFOをみたことがあります」と彼がいかにも自慢げに言うので、「へえ、その時怖くなかったの?」と聞いてみました。
「全く怖くありませんでしたね」と言うので、「どうして?UFOがもし侵略者だったらどうするの?どうして完全に善意の存在だと信じられたの?」とついつい突っ込んでしまいました。
すると彼はさもバカにしたように「まあ、これは実際に見たことない人にはわからないでしょうね」と言い、友人もそれに同調して頷くので、ちょっとムカッときて「意思の疎通も出来ない正体不明の存在と突然遭遇して、どうしてあなたは欠片も怖くなかったのか、わたしには納得いかないな!」と、よせばいいのについからんでしまいました。
するとその青年は「貴方、友達いないでしょ?」と真面目な口調で返してくるのです。
はあ~、と思わずあいた口がふさがらない…。
「いきなり初対面でそうきますか?」
「貴方の話がつまらないからですよ。どうでもいいことをいちいち絡んでくるから。心配しなくても、準備のできていないあなたの前には姿を見せませんよ。UFOはね、この人の前なら姿を現しても大丈夫と思う人の前にしか現れませんからね。しかるべき準備が整うまではUFOは見えません。」
「へえ、そうなんだ。何でそんなことわかるの?」
「ただ、わかるからわかるんですよ。見たことのない人に説明は出来ないな。」
だったら初めっからUFOの話なんて自慢げにしなきゃいいのに…。
わたしは、UFOを見たことを、さも選ばれた者のみに与えられる特権のように言うあなたの態度が、どうにも解せなかっただけなんだけどね。
もし、UFOが、わたしたち人類よりも優れたテクノロジーと精神文明を持った星人の乗り物なのだとしたら、彼の前に姿を現したのは、どう考えても軽率だったと思うなあ。
またある日、わたしは知り合いのところへと行きました。その人もかなりスピリチュアルな人です。
見ると珍しく数珠など着けているので、「あら、お数珠つけてるの?」と聞くと、「ええ」と答えながら、彼女は何気ない風にわたしの後ろへと回りました。そして、全く突然バシッと思いっきり背中を叩かれたのです。さらに、肩や後頭部もバシッバシッと強く叩かれ続けました。
いきなりの事に呆然となりながら「痛い、痛い」とわたしは叫びました。
それでも彼女は「サタンめ!悪霊退散!」と言いながらさらに叩こうとします。
「ちょっと待って!一体どういう事?」
わたしが聞くと、目を釣り上げ血相を変えた彼女が言います。
「あなたはサタンです!貴方のおかげで大変なことになっています!ひどい妨害です。ここ二週間、あなたに悩まされっぱなしで、わたしの行動は完全にストップしているんですよ!」
その物凄い剣幕にビックリしたわたしは「はあ~??一体何があったんです?」と聞きました。
「知っているくせに!サタンのくせに!貴方の背後には悪霊がとんでもなくいっぱい付いてます!」
「はあ~?」
「ちゃんとわたしの目を見てください!」
いや、そんな食い入るように睨まれ続けたら、誰でも目をそらすでしょ、と思いつつ、それにしても、余りにも心当たりに乏しいわたしは、どう対応していいのか全く見当もつきません。そして、とりあえず、気を取り直して、わからない事は正直に聞くしかありません。
「はい、でも、だから、一体全体わたしが何をしたと言うんです?わたしがあなたの生活の妨害をしたというのですか?」
「そうです。」
「では、具体的にわたしがしたことをはっきり仰言って下さい!」
「あなたはご存知のはずです。」
「いえ、まるで見当がつきません。お願いだから教えて!」
「では説明しますね。ここしばらく日常生活が困難になっているんです。それで、調べてみたら原因は貴方だったんです。」
「だから一体わたしが何をしたと言うんです!」
「貴方はわかっているはずです。」
「わからないから聞いてます。お願い、教えて!!」
「言っても信じないかも…。」
「信じます。どんなことでも受け止めますよ。仰言って下さい。」
「では、言いますね。実は二週間前、突然わたしの霊感が目覚めたんです。天への扉が開いたんです。それで、神様の知らせで貴方がサタンだとわかったんです!さあ、反省しますか?あなたの背後には悪霊がいっぱいです!」
だんだん事情が飲み込めてきたわたしは、さあ、この場をどう収めるか、思案のしどころだぞ、と自分を叱咤激励しつつ、努めて穏やかに、でも毅然とした口調に聞こえるよう意識しながら言いました。
「はい、わかりました。でもね、わたしは悪霊は絶対につかないんです。なぜなら、わたしは天に繋がる本当の扉である秘密のチャクラを開いてもらっているからです。貴方は天に繋がるチャクラを開けてもらったことがありますか?」
「いえ、何ですか、それって?」
さあ、食いついてきた!
「あのね、この近くに天に帰れる〝本当の〟チャクラを開いてくれるところがあるんですよ。そのチャクラを開いてもらったら、絶対に悪霊は付きません。一生に一度のお祓いみたいなものです。そこはお寺なんだけど、興味があったら行ってご覧なさい。電話番号教えますから。」
実際には当たるも八卦、当たらぬも八卦みたいな感覚で受けただけなのだけど、わたしはいかにも確信を持っているかのように話して聞かせました。
すると、ガラッと態度が変わってきて「あっ、はい。」と、素直に番号をノートするのです。
わたしはこの時とばかりに「あなた、大丈夫だから、しっかりね。わたしはあなたのこと、大切に想ってますからね。」と言いながら、その人の顔を撫でてあげると、目付きも態度も急に穏やかになってきました。
「はい、わたしのこと悪くとらないで下さいね。」
「はいはい、とりませんよ。」と穏やかに返すと、「正直に話せてスッキリしました」と言うので、「良かったね、では、またね」と言って出てきました。
霊感の扉が開くというのは、時として、本人にも周囲にも大変なことのようです。