アキレス腱の語源になったアキレスの両親、テティスとペーレウスの結婚式で事件は起こった。
全ての神々を招待したが、不和の女神であるエリスは招かれなかった。エリスは怒って宴席に乗り込み、「最も美しい女神にあたえる」として黄金の林檎を投げ入れた。この林檎をめぐってヘーラー(神々の女王)、アテーナー(知恵の女神)、アプロディーテー(愛と美の女神)が争った。ゼウスは仲裁するために「イリオス王プリアモスの息子で、現在はイデ山で羊飼いをしているパリス(アレクサンドロス)に判定させる」こととした(パリスの審判)。この時、女神たちは様々な賄賂による約束をしてパリスを買収しようとした。ヘーラーは「アシアの君主の座」、アテーナーは「戦いにおける勝利」を与えることを申し出た。しかし、結局「最も美しい女を与える」としたアプロディーテーが勝ちを得た。「最も美しい女」とはすでにスパルタ王メネラーオスの妻となっていたヘレネーのことで、これがイリオス攻め(トロイア戦争)の原因となった。トロイア戦争の間にパリスを憎むヘーラーとアテーナーとはギリシア側に肩入れした....。
というわけで、パリスはアフロディーテーに黄金の林檎を渡すのだが、北欧神話では、黄金の林檎は神の不老不死の源とされているのだそうだ。ちなみにフランス語で「林檎」は”pomme"ポム。「黄金の林檎」は、pomo d'oro → "pomodoro” つまりイタリア語の「トマト」になってしまうからあら、不思議。
話を「林檎」に戻せば、林檎には、旧約聖書のアダムとイヴの話同様、「誘惑」と「選択」を含む意味合いがあるのでは?とさえ、思えてしまう。つまり、「禁断の果実」。
林檎全般の花言葉を調べてみると、「優先」「好み」「選択」とあった。やはり「選択」が含まれていたか...
そして、林檎の花は「選ばれた恋」、林檎の実が「誘惑」と「後悔」。けれど、林檎の木は「名誉」。
林檎の花は、薄紅色でとても可憐。ちなみにバラ科。槇原敬之の「林檎の花」という曲の歌詞に、
五月の空の青と萌える緑の間に
薄紅色の小さな林檎の花が咲いている
恋と愛はまるで違う 林檎とその花みたいに
相手を想う気持ちだけが恋を愛に育てる
...とある。花言葉が入り混じり、林檎は不思議だ、としみじみ思う。
今日5月11日の花言葉は「林檎」。林檎の花を思い、またメルカートで、”Fuji"でも買ってみようかな。
画像はルーベンスの『パリスの審判』 ナショナルギャラリー蔵。パリス(黄金の林檎を持つ男)はアプロディーテー(真ん中の女)を選んだ。

