日本語能力検定 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

  我が家の子供達は100%日本人であるが、日本語が苦手。 

「え~っなんで?日本人家族でしょう?」と皆に言われるが、長女・長男は帰国して出産したが、ほとんどイタリア生まれのようなもの。次男に関しては、イタリア生まれ。家で私がどんなに日本語を話しても戻ってくる言葉は、イタリア語が混じり、放っておくとイタリア語になってしまう。なので、毎日何度「日本語で話しなさ~い!!」と怒鳴っていることか。 

いつも最終的には、「それは家庭の問題でしょう?」「(特に)母親の問題では?」といわれるのがおち。こちらもね~まだほんの15年間ではあるけれど、子育てをしているけれど、長女一人のときは、問題なかったけれど、子供が一人増え、二人増え、学校へ通い始め、日本語よりもイタリア語の比重が多くなればなるほど、イタリア語で考え、イタリア語で夢を見て・・・どこでリセットとはいわなくても、意識させるのか、少なくとも日本が好きで、そちらの方向を向かせるのかに苦労する。日本のドラマが大好き!ジャニーズが大好き!という補習校の高校生のお子さんをお見かけするが、我が家の長女に関してはゼロ。 

はっきりいって、イタリア語ばかり話していると、日本語の発音がおかしくなってくる。いわゆる外国人のような発音。それが自分で気付くようになってしまうと、やはり半分、または100%日本人だと、劣等感を感じる子も多いようで、特に補習校などに通っている場合は、徐々に徐々に自分から話すのに気後れを感じ、話さなければ、アウトプットはできない。それが外国語として受け止めるのなら問題ないのだろうけれど、やはりそれを国語と受け止めている場合は、ネックになってしまうんじゃないかな。 

とにかく、インプットとアウトプットが大事。補習校に通っている場合、その学年の漢字が覚えられないと問題になるが、ある意味、大きくなってやる気になれば漢字は習得できると思っているが、文章としてのアウトプットというのは、やはり読んだり、聞いたりしないとできない・・・と頭を抱えていたら、長女の補習校の先生に「では、高校を卒業するまでに日本語能力検定の1級を受けてみる、という目標を付けさせる事もいいかもしれませんよ」とアドバイスいただいた。 

日本語能力検定というのは、、財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が主催の、日本語を母語としない人を対象に日本語能力を認定する検定試験である。日本を含め世界58カ国・地域で実施されている。 

母語とは、人間が幼少期から自然に習得する言語のことをいうが、我が家の子供達にとっては、ある意味、現地語が母語となっているといっても仕方ない。もっとも得意な第一言語としたら、イタリア語になってしまうのだから。 

問題レベルに関しては、すべて日本語を母語としない外国人が日本語を学習するカリキュラムに基準を合わせているため、日本語を母語とする人が通常学ぶ国語の教育カリキュラムとは合わない。そして、日本語を母語としない者の場合は、日本の国立大学への派遣留学には日本語能力試験1級を要求されることが多いと聞く。 

何処から見ても100%日本人の我が家の子供達は、この試験を受け、日本に行ってもあまり価値はないだろうけれど、やはりこちらでマトゥリタ(高校卒業)の際、必要なポイントや就職活動には、意味はあると思うので、受けておくには、意義があると思った。 

と、毎回前置きが長いのだが、今回、縁あって、その日本語能力検定の試験監督を受けさせていただく機会があった。問題は非公開で回答も永久に公開されないというわけで、もしかすると中国あたりのどこかのサイトあたりからもれていることもなきにしもあらずだろうが、日本語ではありえないはず。というわけで、私は試験の詳細は一切書けないけれど、面白い経験だった。 

「この教室には時計がないようです。私も時計を忘れたのですが、携帯電話を机に置いてもいいでしょうか?」という質問があったが、携帯電話は絶対だめ。鳴った時点で不合格。ならなくても机に置くなんて非常識。「黒板にあと何分と書きます。」と伝えると「それでは困ります。」だと。「それはこちらも困ります。」しかし、それは主任監督、異議があるのなら、また来年お会いしましょう。と冗談を飛ばし、納得。 

レベルは昨年改正され5段階。どのレベルも言語知識(文字・語彙・文法)、読解、聴解の3つが必要となる。ミラノでは当日の欠席者数が全体でどれくらいいたか分からないが、全体で340名の申し込みがあった。ミラノは狭い社会なので、今回の試験監督は、ほとんど知り合いだった。一度だけ、ロンバルディア州の日本語教師研修会に出席したことがあるのだが、マトゥリタの二次試験の科目(外国語高校)に中国語の筆記試験を加えられたということで、将来的に日本語を期待する動きもあるし(実際に大学はもちろん、ミラノ郊外でのロンバルディア州の高校で日本語が学べるところもいくつかある。)その日本語教師の養成として、この企画が企てられたのだが、はっきりいって、劣等感の塊で帰宅。毎年、研修会の案内を頂くが、日本語の文法を教えられる自信がない!というのが本音。なので、だれか日本語教えられる人いない?とよく声をかえられるが、間違っても「私がやりましょうか?」なんて言ったことはない。笑 

それにしても、解答用紙を集めて驚いたのは、皆字が綺麗だということ!解答はマークシート方式であったが、名前は数字が印刷したように皆綺麗!誰一人、ミミズが這ったような字の人はいなかった。医師がだす処方箋は、いまでこそ、コンピューターに打ち込み、印刷に打ち出されるが、直筆のもので、綺麗に読める字を書く医師がなんと少ない事か、驚いた。字は人をあらわすというが、少なくとも、この医師に安心して頼ってもいいのだろうか?と不安になってしまうくらい。 

そういう意味じゃ、日本語学ぶイタリア人(たぶん他の外国人も同じ気質か?)は几帳面で、繊細で、日本人以上に日本人っぽい人が多いのかもしれない。 

いやいや、面白い経験をした。 

http://www.jees.or.jp/jlpt/ 
http://blog.livedoor.jp/s_sofia1317/archives/51394536.html