2012年の流行語に選ばれた「爆弾低気圧」。
気象関係者の間では昔から知られていた言葉ではありましたが、
同年4月に、台風並みの強風をもたらした低気圧によって
再び注目されました。
ところで、この「爆弾低気圧」という名称は、
気象庁やNHKなどでは基本的には用いられません。
代わりに「急速に発達している低気圧」などと言われます。
一方、新聞各社は、インパクトは残しつつも、俗語的な表現は控えたい
という理由から、以前「猛烈低気圧」という用語を使っていました。
がんばって考えた感じが伝わってきますね。
しかし、この用語は世界では一般的です。
アメリカの気象庁NOAAですら、使っています。
英語名は、その名もズバリ、「Bomb Cyclone("爆弾低気圧")」です。
また広く一般に、「Weather Bomb("天気爆弾")」とも言われています。
1940年代、戦時中に気象学者たちの間でこの用語が使われ始めました。
その後、1980年マサチューセッツ工科大学のFred Sanders教授が、
急速に発達する低気圧に「Bomb(爆弾)」と表現するのが適当であると
気象雑誌に発表し、広く認知されるようになりました。
ちなみに"Bomb Cyclone"の定義は下記の通り…
1.寒気と前線を伴う
2、上空に強い風が吹いている
3.冬に発生する
4.主に北西太平洋か北大西洋で発生する
5.緯度が60°の時、中心気圧が24時間で24hPa低下する
(ただし緯度55°だと23hPa、緯度45°だと19hPa)
特に発生が多いのは、北大西洋です。
2000年、ジョージクルーニ主演の「Perfect Storm」を覚えていますか?
漁船が北大西洋を航行中、巨大な嵐に遭遇したという実話に基づいた映画です。
その低気圧こそ、まさに爆弾低気圧でした。
なお、大西洋上の爆弾低気圧は、後面にあたるアメリカ北東部やカナダ東部で、
寒気による大雪をもたらすことも特徴です。
実際、そのパーフェクトストームの題材となった1991年の低気圧は
カナダ東部に大雪をもたらしています。
北米でいう爆弾低気圧は、冬の側面を持つという意味合いも強いようです。
参考資料
http://weather.ou.edu/~mbergman/bombcyclogenesis/index2.html
http://www.theweek.co.uk/health-science/weather/43448/scotland-storm-what-weather-bomb
http://www.islandnet.com/~see/weather/storm/wxbombs.htm