入れ歯をお使いの方の中には、「外れやすい」「痛い」「硬いものが噛みにくい」「人前で笑うのが怖い」など、生活の中で小さなストレスを感じておられる方が少なくありません。長く入れ歯生活が続くほど、食事の楽しみが減ってしまったり、会話が減ったり、外出を控えてしまったり…。本来は心を豊かにするはずの毎日の時間が、少し窮屈に感じてしまうこともあります。
そんなお悩みをお持ちの方から最近増えているご相談が、「インプラントオーバーデンチャー」についてです。難しい名前のようですが、簡単にお伝えすると インプラントと入れ歯の良いところを合わせた治療 のこと。顎の骨に2〜4本のインプラントを土台として埋め込み、そこに入れ歯をカチッと安定させて使う仕組みです。
では、従来の総入れ歯とどこが違うのでしょうか。
一般的な総入れ歯は、歯ぐきと粘膜の吸着力で安定させるため、どうしても動きやすく、外れやすく、強く噛みにくいという欠点が避けられません。食事のたびに入れ歯が浮き上がる・痛みが出る・粘着剤が手放せないといった声も少なくありません。
それに対してインプラントオーバーデンチャーは、インプラントが入れ歯の“固定源”になるため、 外れにくい・ぐらつきにくい・噛む力が安定する という大きな違いがあります。従来の入れ歯の悩みを解消しつつ、固定式インプラントよりも費用や手入れの負担を抑えられることも魅力で、実際に「もっと早く知りたかった」という声もよくいただきます。
しっかり噛めるようになると、ただ硬いものを食べられるようになるというだけではありません。栄養をきちんと摂れるようになることで体力が戻ったり、食事が楽しくなることで笑顔が増えたり、ご家族と食卓を囲む時間がより豊かになったり…。噛む力は、健康にも心にも深く影響します。高齢だから仕方ない、と諦めてしまう必要はありません。
インプラントオーバーデンチャーは、次のような方に向いています。
✔ 入れ歯が外れやすくて困っている
✔ 痛みが出て長時間つけていられない
✔ 粘着剤が手放せない
✔ 固定式インプラントに興味はあるけれど費用面が心配
✔ 食事や会話をもっと楽しめるようになりたい
ひとつでも気になる項目があれば、治療を押し付けるつもりは全くありませんが、「こんな選択肢があるんだ」という知識を持っていただくだけでも十分だと思っています。大切なのは、ご自身のこれからの生活が“どうありたいか”です。
次回は「インプラントオーバーデンチャーの仕組みと種類（ロケーター・磁性など）」について、専門的なところをできるだけ優しく、写真なしでもイメージできるようにまとめていきます。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談くださいね。
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