「見た目が自然で、金属バネが見えにくい」——そんな理由でノンクラスプデンチャーを選ばれる方が増えています。今日は、装着して最初の1週間をどう過ごすとスムーズに慣れやすいかを、診療でよくいただく質問と合わせてまとめました。
1日目:まず“正しい装着”を毎回そろえる
- 指先で左右同時に軽く押し込む。片側だけギュッと入れると変形や割れの原因に。
- 外すときは爪ではなく指腹で、樹脂の端をやさしく外す。
- 痛みが強い・頬や舌を噛む:無理せず2〜3時間ごとの休憩を。初日は“慣らし運転”でOK。
2〜3日目:食事は“やわらかい・小さく・両側で”
- 目安は親指の先サイズにカット。最初は煮物・卵料理・豆腐・ハンバーグなど。
- 片側だけで噛むとズレやすいので、両側でリズム良く。
- 熱すぎる飲み物は感覚が鈍っていてやけどに注意。
4〜5日目:発音トレーニングで滑舌UP
- 「さ・た・な・ら行」をゆっくり音読。新聞の見出しでOK。
- 舌先が義歯に当たる位置を覚えると、電話応対や会話が急にラクになります。
- よだれが増えるのは慣れの合図。通常1〜2週間で落ち着きます。
6〜7日目:お手入れを“習慣化”
- 就寝前:専用洗浄剤+流水ブラッシング(歯磨き粉は研磨剤で傷に)。
- 60℃以上のお湯は絶対NG(変形します)。
- 口の中はフロス・歯間ブラシでプラークコントロール。残存歯が守りです。
よくある質問(短答)
Q1. どれくらい装着していればいい?
A. 日中はできるだけ装着。外すのは就寝時と清掃時が基本。慣れるスピードが違います。
Q2. 痛いところがある。慣れですか?
A. 3日以上同じ部位が痛む、粘膜に赤い跡が消えないなら我慢せず調整へ。早いほうが短回数で治ります。
Q3. 割れやすいって聞いたけど?
A. 正しく使えば問題ありません。噛み切りで硬い食品(スルメ・フランスパンの耳)を前歯で一気には避けましょう。万一の破損も修理できる場合が多いのでご相談を。
受診の目安
- 装着1〜2週間で慣らし調整、以降は毎月1回の定期チェックをおすすめしています。
- 金具がないぶん快適ですが、フィットと清掃が命。痛み・外れやすさ・口臭変化はサインです。
- 毎月の診察で小さな不具合を早期に直すことで、快適さと見た目の美しさを長く保てます。
まとめ
初週のコツは、「小さく・両側で・ゆっくり」。そして**“痛みは我慢しない”**。ノンクラスプデンチャーは見た目の自然さだけでなく、定期的な調整とホームケアで快適さが続きます。気になる症状があれば、早めにご相談ください。
📍副島デンタルクリニック
鹿児島市東千石町14-6(はいから通り)
☎ 099-227-0072
🌐 https://soejimadentalclinic.jp/
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