セラミックやラミネートベニアを“周りの歯となじませる”最大のカギは、色合わせ(シェードテイキング)と写真記録です。当院ではカラー測定器は用いず、安定した手順で再現性を高めています。
① 問診と観察
まず「どこが気になるか」「白さの希望」「周囲歯の特徴(透明感・亀裂・白斑・キャラクタライズ)」をすり合わせます。口唇の厚みや笑った時の露出量も確認。
② シェード選択(複数点で)
シェードガイドを歯頸部・中央・切縁の3部位で当て、明度>彩度>色相の順に決めます。隣在歯と比較しながら、微妙なグラデーションもメモ。
③ 光源をコントロール
窓際直射日光は避け、一定の色温度下で観察。照明は混在させず、スタッフ間の見る位置・距離も統一してばらつきを減らします。
④ 写真記録(スマホOK)
口腔内スキャナー(IOS)によるデータと併用し、正面・斜め・咬合面を撮影。シェードタブを必ず写し込み、グレーカード(基準グレー)で色補正の起点を作ります。反射を抑えるため偏光フィルムを使ったクロスポラライズド撮影も活用。これで“白は白、グレーはグレー”として再現しやすくなります。
⑤ 技工所への情報共有
写真・IOSデータ・記録用紙をまとめ、「透明感は控えめ」「切縁にわずかにブルー」など具体的に指示。表面テクスチャ(溝や面の流れ)も言語化します。
⑥ 試適と微調整
仮着で口元全体をチェック。光の下で見え方が変わるため、院内照明と自然光の両方を確認。必要ならステインで色味を1トーンだけ上げ下げして完成度を詰めます。
まとめ
特別な機械がなくても、一貫したプロトコル+写真の精度で色合わせは大きく向上します。自然で「周りに溶け込む」修復物を一緒に目指しましょう。
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副島デンタルクリニック(鹿児島市東千石町14-6/はいから通り)
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