「骨粗鬆症ですが、インプラントはできますか?」

これは、実際に多くの患者さんから寄せられるご相談です。


骨粗鬆症は骨密度が低下し、骨がもろくなる病気で、特に高齢の方や女性に多く見られます。顎の骨も全身の骨と同じように影響を受けるため、「骨粗鬆症だとインプラントが難しいのでは?」と心配されるのは自然なことです。



骨粗鬆症でもインプラントは可能です



結論からお伝えすると、骨粗鬆症であってもインプラント治療は十分に可能です。

もちろん骨の状態によって難易度は変わりますが、現在ではCT撮影による精密検査により、顎の骨の質や量を正確に評価することができます。その結果をもとに、骨の状態に合わせた治療法を選択すれば、骨粗鬆症の方でも安定したインプラントを行うことが可能です。



骨を補う治療法もあります



もし骨の密度や高さが足りない場合でも、骨造成(GBR) や ソケットプリザベーション といった技術を用いることで、インプラントを支えるのに十分な骨を確保できます。これらの方法を併用することで、多くの方がインプラント治療を受けられるようになっています。



お薬を使っている方は注意が必要



骨粗鬆症の治療で使われる薬の中には、顎の骨に副作用が出ることがあるものがあります。特に ビスフォスフォネート製剤やデノスマブ を服用している場合は注意が必要です。まれに顎骨壊死と呼ばれる合併症が起こる可能性があるため、必ず主治医と連携しながら安全性を確認して進めていきます。



インプラントがもたらす健康効果



インプラントでしっかり噛めるようになると、食事の幅が広がり、肉や野菜、ナッツ類など栄養価の高い食品を自然に摂れるようになります。これにより栄養バランスが整い、骨や筋肉の健康維持にもつながります。実は「よく噛んで栄養を摂ること」こそが、骨粗鬆症の進行を抑えるうえでも大切な要素なのです。


さらに、しっかり噛めるようになることで脳への刺激も増え、認知症予防や生活の質(QOL)の向上にも効果が期待できます。つまり、インプラントは「歯を失った部分を補う治療」にとどまらず、全身の健康を守るための選択肢 といえるのです。



まとめ



骨粗鬆症だからといって、インプラントを諦める必要はありません。

大切なのは、骨の状態や服薬状況をしっかり把握し、安全に配慮しながら治療を計画することです。当院では、医科との連携やCTによる精密検査を行い、一人ひとりに合った最適な治療をご提案しています。


「骨粗鬆症だから無理かも…」と不安に思っている方も、ぜひ一度ご相談ください。インプラントが、食べる喜びと健康な生活を取り戻す大きな力になります。




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