東北地方太平洋沖地震の義援金(寄付金)と税金(寄付金控除)
東北地方太平洋沖地震に際して、義援金を寄付したいと考えている方も多いと思います。
すでに義援金を寄付した方もいると思います。
義援金を寄付すると、個人でも、法人でも、手続きを行うことで、税金を安くすることができます。
ただし、次のような義援金が対象となります。
①国や地方公共団体に直接支払った義援金
②日本赤十字社に直接寄付した義援金
③新聞・放送機関を通じての義援金
④社会福祉法人中央共同募金会の
各県の被災者の生活再建のための義援金
地震災害におけるボランティア・NPO支援活動のための義援金
⑤他の募金団体を通じた場合も、
最終的に国や地方公共団体にお金が渡ることが明らかな義援金
毎日、テレビ局が呼びかけている義援金は③に該当します。
寄付したお金が国や地方公共団体に渡されると、国に届けられているからです。
テレビ朝日のドラえもん募金なども対象です。
しかし、義援金の寄付先によっては、対象とはならない(税金は安くならない)ので注意は必要です。
著名人が個人的に開設した義援金募集や、募金団体への寄付などです。
寄付金控除の対象となるかは、ケースによります。
寄付されたお金が国や地方自治体に拠出されることが、
税務署が確認できることが必要です。
寄付金控除の対象となるかが分からない時は、募金団体や税務署に確認したほうがよいです。
【個人の方が義援金を寄付した場合】
上記①~⑤の義援金は「特定寄付金」となり、確定申告を行うことで寄付金控除の対象となります。
寄付金控除額=その年の特定寄付金合計額-2,000円
この金額を所得から控除することができます(所得金額の40%が限度)。
~手続き~
・確定申告書の寄付金控除に関する事項を記載する
・義援金を寄付したことを確認できる書類を添付または保存する
(寄付先が発行する証明書や領収書など)
~例えば~
所得税・住民税の合計税率は15~50%です。
30,000円を寄付された方は、30,000円-2,000円=28,000円が寄付金控除の対象額です。
そうすると、税率にもよりますが、約4,000円~14,000円が税金が安くなります。
【法人が義援金を寄付した場合】
義援金支払額の全額損金算入(全額経費)になります。
~手続き~
・別表14(2)「寄付金の損金算入に関する明細書」に必要事項を記載する
・義援金を寄付したことを確認できる書類を保存する
(寄付先が発行する証明書や領収書など)
~例えば~
一般法人の実行税率は約40%です。
30,000円を寄付された法人は、約12,000円の税金が安くなります。
個人の方も法人も、手続き(申告)は簡単にできます。
なお、②・④を郵便為替で行った場合は、受領書(半券)でもかまいません。
今回の震災では、必要書類は振込用紙の控えでも構まわないとの話もありましたが、現時点では認められないとのことです。
東京国税局に確認しました。
通常の証明書や領収書が必要となります。
本来、寄付は互助の精神で行われるものだと思います。
寄付をすれば税金が減るというのは、少し矛盾を感じる方もいるかもしれません。
でも、この制度は、国も地方公共団体も大いに活用してもらいたいと考えています。
税収は減っても、義援金(寄付金)という形でお金が入ってきて、震災からの復興に活用することができるからです。
詳しくは、こちらも参考にしてください。
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/gienkin.pdf
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/gien/index.htm
そえじまっさお