中村勘三郎さんの会見
今日は、税理士法人アクアのことではありません。
歌舞伎役者の中村勘三郎が国税申告漏れについて会見しました。
テレビなどで拝見するお人柄や芸に対する姿勢などとても好感がもてただけに、会見内容はお粗末で、非常に残念でした。中村勘三郎さんの発言の趣旨と私の考えを書きます。
①悪意はなく、会計担当者や税理士を信用して任せていたので・・・
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分からないことや手に負えないことを人に任せることは当たり前のことです。
しかし、会計担当者や税理士が勝手に申告をしているとでも言うのでしょうか。
決算や確定申告の報告すら受けていないとでも言うのでしょうか・・・。
会社でも個人事業であれ、年度ごとに決算(確定申告)をします。
自署押印もします。
何も見ていないなんてことはありえません。
ましてや、税理士や会計担当者が重加算税になるような脱税を勝手にやる訳がありません。
何のために勝手にやるのでしょうか?
勘三郎さんの趣旨が本当に正しいのであれば、税理士や会計担当者を告訴すると思います。
外向けの言い訳なので、何も動きはないと思われます。
②役者であるから、自分の給与も把握していない・・・
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会社では、役員給与は株主総会や取締役会での承認事項です。
きちんと議事録を作成しているはずで、代表者印も押しているはずです。
小企業では、議事録作成は形だけということも多いですが、代表者である中村勘三郎さんが知らないわけがないです。
そもそも大人が自分の給与を知らないというのも、おかしな話です。
自分の所得税や住民税の金額も把握されていないのでしょうか。
③ご子息の架空人件費は数十万円だから・・・
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今回重加算税を課せられたということは、悪質な所得隠しとみなされたということです。
見解の相違だったならば、司法に委ねることもできます。
恐らくそこまではしないでしょうが、脱税は金額の大小は全く関係ありません。
可愛いご子息をかばった発言ですが、家族やグループ会社全体で、脱税意識があるということです。
脱税でないのならばご子息も自ら会見をひらくべきです。
先日の林家正蔵さんも同じでしたが、「税理士に任せているから自分たちは知らない」という逃げ口上が目に付きます。
税理士をバカにした発言です。
我々税理士はそんな隠れ蓑にされるためにいるのではありません。
中村勘三郎さんも林家正蔵さんも社会的影響力のある人なのだから、脱税なんてもってのほかです。
正しい納税をしたうえで、いつものように我々国民を楽しませてほしいと思います。
こんなことで熱くなるなと思われる方もいらっしゃると思います。
でも、私は誇りと情熱を持って税理士として業務を行なっているので、むなしい気持ちになってしまいました。
単なる解雇や、顧問契約解除ではすまさないでしょう。