大はし下校時の夕立(大はしあたけの夕立)

歌川広重(1797~1858年)
1856年の「名所江戸百景」の1枚です。



広重は、
江戸の定火消しの安藤家に生まれ
家督を継いだその後に、
歌川豊広門人として
浮世絵師になりました。

はじめは
美人画や武者絵や役者絵、
おもちゃ絵や挿絵など
いろいろやったけど
20年くらいパッとしなかったよーです。

風景画を描くよーになり、
「東海通五拾三次」で
やっと知られるよーになりました。

北斎が1831年に「冨嶽三十六景」を発表し、
広重が1833年に「東海通五拾三次」を発表してから、
しばらく二人で名所絵の連作を発表しあいました。

版元の仕掛けた戦略だったみたいですけどね~。

ライバルとされた二人だけど、
この時に北斎は70歳過ぎで
広重は30歳前半。
北斎の半分くらい!

広重は、雨や雪などの気象の変化や、
日々の暮らしの中での
人々の瞬時の行動を捉える
ことが上手でした。
「名所江戸百景」の中でも1番の傑作と言われている
「大はしあたけの夕立」も、
突然の雨とその時の人々
を描いた作品です。
ゴッホも模写していますね。

大雨の豪音が聞こえそーな
迫力のある線と構図。
凄まじい雨脚は、
2枚の版木を使って濃淡2色の墨で摺り分けています。
その濃淡の線が重なりあい交差することで、どしゃ降りの感じを非常によく表してます。

大橋を逃げるよーにして渡る人と、
濡れることなど意に介さず、悠々と川をくだる「いかだ流し」との対比


っと思ったら、
逃げるどころか
傘振り回して遊んどるがや
小学生!!

ドラゴンボールを集めたのに、
来たのは
神龍じゃなくて
龍のいかだ?!

ただのオッサン(>_<)


 「大はし下校時の夕立」
https://www.sodfactory.com/kaimonokago.html
 2011年 182×256mm
  名画の休息
https://www.sodfactory.com/meiQ.html
  製作課程
https://www.sodfactory.com/moulinmotion.html


参考文献 : サライ2009年7月2日号
錦絵でたのしむ江戸の名所
和楽